戦争がなくならない理由を考える本

戦争だらけの世界史

私が授業で習った「歴史」では、特に「戦後史」という部分についてあまり十分に習った気がしません。

しかし「戦後史」を改めて眺めてみると、大きな戦争が絶え間なく続いていることは事実です。

  • 朝鮮戦争
  • ベトナム戦争
  • 湾岸戦争
  • イラク・アフガン戦争

その他にも多くの戦争が世界各地で繰り広げられていますが、日本での義務教育を受けた限りでは、日本の終戦以降の教育があまりにも不十分ではないでしょうか。

仕事を辞めて本を見直して、改めて「何も知らないまま社会に出てしまっていたんだなあ」ということを実感しました。

日本が高度経済成長で邁進している間も、世界中では戦争が繰り広げられています。

歴史から学ぶこと

大きな枠組みで言えば、アメリカとソ連の冷戦構造の中で語られることが多いのですが、もちろん「戦争」を一括りにできるものではありません。

少なくともアメリカは、ベトナム戦争での苦い教訓を活かして次の戦争(湾岸戦争)に臨んだという点は興味深いです。

同時に、戦争で「勝ち続けることはできない」という部分も、ある意味で普遍の真理ではないでしょうか。

戦争は繰り返すし、愚かなことも繰り返す。身も蓋もない言い方をすれば、

「人間は歴史からあまり本質的なことを学んでいない」

というのが、歴史から学べる本質ではないでしょうか。世界史をじっくりと眺めると、

「ああ、ここでもまた同じことを繰り返しているよ・・・」

と見えるでしょう。

その原因を考えるに、やはり人間が抱える心的なジレンマというものが大きいのではないでしょうか。

成功体験

日本での歴史で一番思い出しやすいのは、

「平氏に非ずんば人に非ず」

と言った言葉ではないでしょうか。

もっと身近な例で言えば、日清戦争・日露戦争を経て大国の意識を身につけてしまった近代国家の大日本帝國でしょうか。

要するに、成功体験からくる奢りというか、そういう部分が大きいのではないかと。

  • 見下し
  • 侮り
  • 油断
  • 慢心

その心理が、次の失敗への布石となっています。

「勝って兜の緒を締めよ」

と言いますが、これは日本史のみならず、世界史に共通して言える心理でしょう。

失敗体験

では、負けた時にはちゃんと反省ができているのでしょうか。

もうあんなに人が死ぬのはこりごりだーー

「緩衝地帯」を国境に設けようーー

それが(旧)ソ連が第二次世界大戦の「失敗体験」から得た教訓でした。

が、それが新たな戦争の火種を作っていることも本書では指摘されています。

戦争をしないために仕掛けた対策が、逆に戦争の原因になってしまうのは皮肉としか言えませんが。

負けた後に、原因と対策を考える

という傾向は、世界史的に共通していることではないかと思います(正しい対策かどうかは別として)。

もうあんな苦い経験はごめんだ

それは多くの人にとってわかりやすい心理ですからね。

バックミラーを眺める

戦争の原因を一つに特定することはできませんが、人間の心理的傾向に目を向けると、こう言えるのもかもしれません。

  • 失敗体験にはしっかり向き合える
  • 成功体験は過大評価しちゃう

そういう部分があるからこそ、大前提として「過去に何が起きたのか」という事実としっかり向き合うことが必要ではないでしょうか。

とりわけ「戦後史」という部分の教育が有耶無耶となっている日本人は特に、

「先の戦争(失敗)の原因はなんだったのか?」

という部分に、まず向き合う必要があるのではないでしょうか。