車社会・五島
五島列島には電車が通っておらず、バスの運賃も決して安くはないため、1人1台自動車を持つのが当たり前です。
そして高齢化率も高いため、高齢者の交通課題も深刻になっています。
こうした状況の中、私はあえて、「車を持たない生活」を約4か月位続けてみました。
この目的としては、
- 政治的な意思表明
- 健康のため
- 交通弱者への理解促進
- 経済構造の転換
があります。一つずつ解説をしていきます。
政治的な意思表明
五島市はカーボンニュートラル宣言を行っていますが、その実現に向けた取り組みは、正直疑問です。
市民の人の中にも、この言葉を聴いたことがあったり、理解している人が何人いるでしょうか?
政治的には、電気自動車やエコカーへの乗り換えが推進されていますが、一番は「車を必要としない事」です。
まずは政治家の実践が一番の近道だと感じ、車を手放しでロードバイク生活をしてみました。
4か月間、ピンクのTシャツと自転車で街を走りました。
少なくとも近場の距離については今後も自転車を実践していきたいと思います。
健康のため
車に依存すると、歩く機会が減ります。
私も五島に来て思うのですが、本当に皆様歩く機会が少ないです。
大型のスーパーやショッピングモールは、車でないと行けない郊外に多く立地されているため、それに拍車をかけています。
安くて品ぞろえの豊富な大型スーパーが郊外にある限り、車に乗って買い物するのが便利だよなあ~と感じます。
現在は歩行データを競い合う「ギバッと!」のアプリも導入されていますが、近場に買い物できる場所があるのが理想的です。
交通弱者への理解促進
五島市は4割の人口が高齢者であり、交通課題は今後も死活問題として避けられません。
政治的には、こうした方々のお困りをいかに政策に反映させるかが課題ですが、現場を知らないと提案は出来ません。
私も通勤でバスを利用して思ったのですが、
人が乗車する時間帯や曜日には差がある
という事です。人が多い時もあれば、閑散としているときもあります。
そのため、わざわざ大型のバスでなく、小型のバスで効率的に運行したり、より利用者のニーズに合った時間帯を提案できると感じます。
現在五島市では、デマンド型でルートを最適化する相乗りサービス事業が導入されていますが、サービスの主導権は事業者が握っています。
自治体がより主体的に、交通課題を含めた生活支援を行う必要があるのではないか?
と感じます。
経済構造の転換
車は島の中での生産が不可能であり、その燃料についても同様です。
つまり、車に依存する事=島外への依存度が高くなるという状態ですので、地域経済にとっては資本流出です。
車がなくても生活できる基盤
が整えば、島の経済も自給率が高くなり、可処分所得も増えます。
それに、わざわざ一人一台自動車を保有しなければいけないというのも、最適なのだろうかと思います。
高齢者や交通弱者が暮らしやすい社会の実現に向けては、やはり車そのものへの依存度を減らす方向性が望ましいと感じます。
車のない生活は可能か?
極論から言うと、不便ではあるものの、健康な体であれば、車がなくても生きていく事は可能です。
- 定期的にまとめ買いをする
- 食材の品数を減らす
- 生協などの宅配サービスを利用する
など、買物への依存度を減らす事は可能です。
なぜバイクを購入したのか?
そんな思いで4か月生活をしてきましたが、葛藤の末にバイクを購入しました。
その最大の理由は、政治活動の効率を高めたいからです。
7月~8月にかけては、頑張って富江まで片道7kmくらい自転車で通っていました。
しかし、自転車だと非常に効率が悪い。
歩いている時間が長くなる。
そして遠い場所へも行く事が出来ない。
そうした葛藤の中、政治活動を行うためにはバイクの方が効率的であると。
当り前の事なんですけどね。
近場の移動は自転車で済ませ、遠くの移動はバイクを利用して、政治活動をしていきたいと思います。