令和5年9月五島市議会定例会 市政報告

市長 本日ここに、令和5年9月五島市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様方にはご健勝にてご出席を賜り、衷心より厚く御礼を申し上げます。

本定例会におきましては、条例案、補正予算案など重要案件のご審議をお願いするものでありますが、開会冒頭に当たりまして、市政運営の概要をご報告いたします。

【台風6号について】

8月8日から10日にかけて、五島地方を通過した台風6号は、福江で最大瞬間風速27.3メートルを観測しました。

五島市では、8日の午後5時半に警戒レベル3の高齢者等避難を、9日午前8時には全世帯に警戒レベル4の避難指示を発令し、早めの避難を呼びかけ、市内全域で251世帯、341人の方が避難されました。幸い、人的被害はありませんでしたが、一時、市内の122戸が停電しました。

また、五島東漁港(南河原地区)をはじめ農林水産業及び公共土木施設等に被害が確認されており、8月31日現在で約2億900万円の被害額となっております。

今回の台風により被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、引き続き市民の皆様の安全・安心な生活の実現を目指し、防災・減災対策を講じてまいります。

【リクルート社との連携協定について】

7月21日、株式会社リクルートと、市内事業者の雇用促進に関する連携協定を締結しました。

この協定は、市内事業者の求人情報の発信力強化を目的としており、無料で求人募集ができる採用管理サービス「Airワーク採用管理」を活用した採用業務のデジタル化やホームページ作成の支援をしていただくことで、雇用促進による移住、定住につなげていきたいと考えております。

9月1日には、リクルート社による「採用力向上セミナー」が開催され、市内の16事業者、23人が参加しました。

五島市内の有効求人倍率は、1.4倍前後の高い水準で推移しております。リクルート社の強みである人材確保に関するノウハウや全国規模のスケールメリットに期待し、市内事業者の労働力確保に向け、一緒になって取り組んでまいります。

【トランスコスモス社との連携協定について】

9月7日、長崎県庁において、トランスコスモス株式会社と県、市の 3者でワーケーション実施連携協定を締結しました。

トランスコスモス社は東京都に本社を置き、企業の業務を受託するB PO事業やコールセンター事業などを行っている企業です。グループ従業員数は約7万人で、日本を含む28の国と地域に170を超える拠点を展開しております。

今回締結した協定は、交流人口の拡大や新たな就労の場の創出、従業員の多様な働き方の実現等を目的として、トランスコスモス社が五島市においてワーケーション等を実施することに対し、県と市で支援を行うものです。トランスコスモス社は、五島市への将来的な拠点設立も検討していくとのことであり、今回の取組は離島地域における企業誘致の新たなモデルケースとなることが期待されます。

五島市におけるトランスコスモス社の円滑な事業の実施を支援してまいります。

【環境大臣による視察について】

9月9日から10日にかけて、西村環境大臣が来島され、浮体式洋上風力発電施設などを視察されました。

大津展望台で福江港大津埋立地の浮体式洋上風力発電建造ヤードの全景を把握いただき、その後、崎山沖に設置されている風車を海上でご覧いただきました。

西村大臣からは、「2050年カーボンニュートラル達成に向けて、地域資源である再エネの導入拡大が重要であり、浮体式洋上風力発電が五島市で先行して展開されていることを評価する」とのお言葉を頂きました。

今後も、このような視察を通して、2050年カーボンニュートラル達成に向けた施策への支援をお願いしてまいりたいと考えております。

【五島市ゼロカーボンシティ計画について】

9月4日、再生可能エネルギーの導入目標をはじめとして、将来の展望や脱炭素に向けた重点推進プロジェクト、行動計画などを盛り込んだ「五島市ゼロカーボンシティ計画」を公表しました。

この計画は、市民や事業者、市民活動団体、行政が一体となって地球温暖化対策に取り組み、2050年度までにゼロカーボンシティを実現することを目的とするもので、温室効果ガスを減らす緩和策と地球温暖化による悪影響に備える適応策の両面を盛り込み、地球温暖化対策を進めることとしております。

今後は、五島市ゼロカーボンシティ実現協議会を中心に、市民協働のもと、各種取組を推進してまいります。

【ドローンサミットについて】

9月7日から8日にかけて、第2回ドローンサミットが長崎市で開催され、五島市も登壇・意見交換してまいりました。

このサミットは、各自治体のドローンを活用した取組を全国に発信するとともに、自治体間の連携を強化し、ドローンの社会実装を加速させるため、経済産業省、国土交通省と開催地である長崎県の主催で開かれました。

五島市で事業を展開しているそらいいな株式会社も参加し、五島市から長崎市へ、我が国では最長となる100キロメートル以上の距離を、ドローンを使って荷物を届ける実演を行いました。

会場では、他の自治体での取組も紹介されておりましたので、参考にしながら五島市の課題解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

【大津埋立地の購入・売却について】

浮体式洋上風力発電の浮体部の建造が行われている福江港大津地区の埋立地について、戸田建設株式会社から、この土地を購入する意向が示されたため、現在、市は戸田建設及び所有者である長崎県とそれぞれ協議を行っております。

この埋立地については、合併前の旧福江市において、福江港の埋め立て工事を施工するにあたり51,000平方メートルを購入する確約書を県に提出しており、また、旧岐宿町においても同様に、岐宿港埋立地 5,000平方メートルを購入する確約書を提出しております。そのため、大津埋立地の建造ヤードがある区画約43,300平方メートルに加え、そこに隣接する一区画約15,200平方メートルの合計58,500平方メートルを市が購入し、建造ヤード区画は戸田建設に売却し、隣接する区画については、現在、ドローンの発着場となっておりますの で、市有地として引き続き活用してまいりたいと考えております。

【夕やけマラソン大会について】

8月26日、「第37回五島列島夕やけマラソン」が4年ぶりに開催されました。

全国から参加した1,880人のランナーが夕日を背に、市街地や鬼岳の麓を駆け抜けました。

今大会は、ゲストランナーに福士加代子さんを迎え、表彰式のプレゼンターやトークショーなどで大会を盛り上げていただきました。25日と27日には、中央公園陸上競技場においてランニング教室を開催していただき、市内のジュニア陸上クラブや中学・高校の陸上部など約13 0人に、足の運び方などを指導していただきました。

この大会は、運営ボランティアや沿道での応援など、地域一体となったおもてなしにより支えられております。ご協力いただきました市民の皆様に対しまして、改めて感謝申し上げます。

今後も、更なる参加者の増加による交流人口の拡大及び知名度の向上に努めてまいりますので、ご支援とご協力をよろしくお願いします。

【新型コロナワクチン接種、インフルエンザ予防接種について】

新型コロナウイルスの感染者数については、現在、指定医療機関が週1 回報告する定点把握になっております。五島市においては、8月28 日から9月3日までの1週間で45人の新規感染が報告されております。市民の皆様におかれましては、引き続き基本的な感染防止対策をお願いします。

また、9月20日から、生後6か月以上の全ての方を対象にワクチン接種を実施します。

接種費用は全額公費負担で、予約方法はこれまでと同様、市のコールセンターに電話又はLINEでの予約となります。接種期間は令和6年 3月末までで、対象者には順次接種券を送付しますので、接種についてご検討をお願いします。

インフルエンザの予防接種については、10月からの実施を予定しております。

当初、中学生以下の子どもについては、接種費用の一部を助成する予定でしたが、新型コロナウイルスとの同時感染が懸念される中で、子育て世代の負担軽減とインフルエンザの蔓延を防止するため、中学生以下を全額助成に拡充するとともに、妊婦についても全額を助成したいと考えております。

なお、高齢者については、当初の予定どおり一部助成を実施します。

【ノーリフティングケアの推進について】

6月28日、介護施設団体等から推薦された介護職員と市職員で構成した「五島ノーリフティング推進チーム」を結成しました。本年3月市議会定例会で宣言した「抱え上げない、持ち上げない、引きずらない」介護、いわゆるノーリフティングケア推進のために結成したもので、現在、取組を推進するポスターを市内の介護事業所で掲示するなど、周知拡大を図っております。

今後は、この推進チームを中心に、ノーリフティングケア実践事業所 の認定制度の創設や、フォーラムの開催など、より一層普及啓発に努め、介護職員の不安や負担の軽減と、利用者にとって安全・安心な環境づくりを進めてまいります。

【公共交通の整備について】

10月2日から、奈留地区で「チョイソコごとう」の運行を開始します。

奈留地区の皆様には、チラシと会員登録申込書を広報ごとう9月号に折り込み、配付しております。現在、奈留地区の会員登録者数は175人となっておりますが、会員登録することで、奈留島内だけでなく、福江島でもご利用いただけますので、是非、ご登録いただき、積極的なご利用をお願いします。

「チョイソコごとう」については、今後も利用者のご意見などを参考にしながら、より利用しやすい公共交通機関にしていきたいと考えております。

また、オリエンタルエアブリッジ(ORC)は、五島-長崎線について、10月29日から現行の1日2往復・4便体制を1日3往復・6便体制に増便すると発表しました。使用機材は、2往復・4便がATR4 2-600型機で、1往復・2便はボンバルディアのQ200型機となります。

五島-福岡線についても、12月28日から1月4日までの間、1日 2往復・4便体制から1日4往復・8便体制に増便するとのことです。これらにより、観光客や帰省客などが利用しやすくなりますので、交流人口の拡大につながるものと期待しております。

【子ども達の活躍について】

7月22日から24日にかけて、長崎県中学校総合体育大会が開催されました。五島市からは10競技に出場し、柔道個人戦女子57キログラム級で翁頭中学校の城山舞佳さん、陸上2年女子100メートルで翁頭中学校の黒川愛唯さんが優勝、柔道個人戦男子55キログラム級で富江中学校の米井優丞君、73キログラム級で福江中学校の三浦隆正君、陸上共通男子110メートルハードルで福江中学校の戸川良汰君が準優勝を果たし、柔道男子団体では福江中学校が3位という素晴らしい成績を収めました。

8月17日から徳島県で行われた全国中学校柔道大会には、城山舞佳さんが出場し、全力を尽くしましたが、1回戦敗退となりました。8月 22日から愛媛県で行われた全日本中学校陸上競技選手権大会には、戸川良汰君と男子1,500メートルの参加標準記録を突破した福江中学校の大窄麗斗君が出場しましたが、予選突破は叶いませんでした。

7月31日、第73回「社会を明るくする運動」中学・高校生長崎県弁論大会が佐世保市で開催され、五島市の代表として久賀中学校の越山福太郎君が出場し、優秀賞を受賞しました。

犯罪や非行のない明るい社会を築くために、どのような考え方や行動が必要なのか、先に行われた下五島地区大会参加者も含め、自分の考えを堂々と発表しました。

8月21日から24日にかけて、全国離島交流中学生野球大会(離島甲子園)が鹿児島県の奄美大島で開催されました。

五島市選抜チーム・五島バラモンは、初戦で昨年度優勝の佐渡市中学校選抜チームと対戦し、1対4で敗退しましたが、その後行われた交流戦や野球教室、交流会も含め、全国の離島の仲間と野球を楽しみ、親睦を深めました。

なお、24日の決勝戦では、来年の開催地である壱岐市選抜が見事優勝しました。

今後も、島の宝である子ども達が未来で輝けるよう、経験を重ねることができる環境づくりに努めてまいります。

【小中学校の統合について】

今年度で閉校となる崎山小学校、大浜小学校、奥浦中学校及び崎山中学校については、各学校において保護者や学校関係者などで構成する協議会を設けていただき、統合に向けた協議を進めております。

統合に伴う通学支援については、崎山小学校はスクールバスの運行、 大浜小学校は路線バス利用への補助、奥浦中学校は路線バス利用又は自転車購入への補助のいずれかを選択することでご理解をいただきました。崎山中学校についても、路線バスを軸として提案し、現在協議を進めております。

引き続き、子ども達の通学手段の確保に向け、バス運行事業者等とも調整を図りながら準備を進めてまいります。

【県への要望活動について】

8月18日、清川県議会議員にもご同行いただき、市議会から木口議長、宗副議長、各常任委員会委員長の皆様とともに、県及び県議会に対し要望活動を行いました。

「カネミ油症」 次世代被害者の救済、寄附講座「離島・へき地医療学講座」の継続、県道整備事業の継続など10項目について要望を行いました。

知事からは、「カネミ油症」の診断基準の見直しについては、未認定被害者の救済のためにしっかりと検討していただくよう被害者の思いに寄り添って国に働きかけていきたい。寄附講座「離島・へき地医療学講座」については、同講座が離島・へき地医療教育の推進や研究に寄与していることから、県と市の役割を整理し、次年度以降の継続を検討したいとの回答をいただきました。

また、県道整備事業(主要地方道福江富江線、一般県道大浜福江線・玉之浦岐宿線)の継続については、現在実施中の工区の進捗状況を見ながら、整備の必要性を考慮し、検討していくとの回答でありました。

今後とも、県との連携が特に欠かせない重要案件について、市議会のご協力をいただきながら、要望活動を行ってまいります。

【マイナンバーカードについて】

マイナンバーカードについては、これまで発行累計による交付率を報 告しておりましたが、国が死亡や有効期限切れなどにより廃止されたカードの枚数を除いた、より実態に即した保有枚数率を公表しております。 8月末現在の五島市の保有枚数率は71.6パーセントで、全国平均(71.7パーセント)、県平均(73.4パーセント)を共に下回っている状況です。

8月から開始した「書かなくていい窓口」においても活用しており、出生・死亡・転入・転出・転居の届出の際にマイナンバーカードを窓口で提示することで、申請時間が短縮されます。

また、昨年10月から開始しているコンビニ交付サービスについては、 7月末現在で累計1,167件の利用があっております。マイナンバー カードを使うことで、午前6時半から午後11時まで、土日も含めて全国のコンビニで住民票の写しなどが取得できますので、是非ご利用ください。

健康保険証や公金受取口座など、他人の情報が誤って登録されている事案が相次いで確認されたことを受け、国は、マイナポータルで閲覧できる29項目の情報についてデータの正確性の確保に向けた総点検を実施することとしました。

五島市においては、29項目のうち国から指示があった10項目につ いて、マイナンバーの紐づけ方法やマニュアルの作成状況などを調査し、 8月にその結果を国へ報告したところです。

調査を進めていく中では、他人の情報が誤って登録されている事案は確認されておりません。

カードの交付や総点検の対象となった10項目など、マイナンバーを取り扱う事務については、引き続き、適切に行ってまいります。健康保険証や公金受取口座など、ご自身の登録内容については、マイナポータルで確認することができますので、是非、チェックしていただきますようよろしくお願いします。

【国土調査終了に伴う現況課税について】

富江地区における国土調査については、平成元年度に着手し、一部地区の調査困難による事業中止がありましたが、令和3年12月をもって完了しました。

国土調査実施期間中の土地の課税については、固定資産税評価基準の例外規定により、国土調査前の地目、地積により行っておりましたが、国土調査が完了しましたので、令和6年度から国土調査の成果による課税に変更するため、現在作業を進めています。

10月中旬ごろから富江町内に土地を所有している地権者に対しまして住民説明会を開催し、課税に向けてご理解とご協力を求めてまいります。

【金融商品詐欺について】

7月31日、五島市内において外国為替証拠金取引(FX)投資名目で2,260万円を騙し取られる金融商品詐欺が発生しました。

五島警察署によると、被害に遭われたのは60代男性の方で、投資アドバイザーを名乗る者から「FX投資をすれば利益が出る。」などのうそのLINEメッセージを信じ、5月22日から7月14日まで8回にわたり、指定された銀行口座に振り込んだとのことです。

今年に入り、市内でのニセ電話詐欺の被害は3件目となります。県内では今年1月から7月までで、78件、約1億2,703万円の被害が発生しています。

「絶対に儲かる」などの都合のいい投資話は、詐欺です。

LINEや電話でお金の話をされたら、まずは詐欺を疑い、家族や身近な人、市消費生活センター、警察などにご相談ください。

【五島市に対する損害賠償請求事件について】

昨年9月、神戸地方裁判所尼崎支部において提訴された五島市と市の元職員を被告とする損害賠償請求事件について、6月29日に第4回口頭弁論が開かれました。

今回の口頭弁論では、原告代理人が裁判所に提出した申立書に対する被告代理人への意見の聴取が中心であり、事件についての具体的な審理は行われませんでした。

なお、五島市としては、被害者と元職員の業務関連性について調査した結果や関係職員等への聞き取りを行った結果を書面の形に整理し、8月24日に証拠書類として裁判所に提出しております。

【所有権確認に係る訴訟について】

7月10日に、長崎地方裁判所五島支部において原告の訴えを却下する判決が言い渡された富江地区の市道に隣接する法面の「所有権確認等請求事件」の裁判について、7月18日に原告側が第一審の判決を不服として控訴しました。

10月26日に福岡高等裁判所において第1回口頭弁論が開かれる予定になっております。

以上で市政報告を終わりますが、本定例会に提案いたします議案は、条例案、補正予算案、その他合わせまして47件となっております。

なにとぞ慎重にご審議賜り、適切なるご決定を賜りますようお願い申し上げます。

 

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