チョイソコが地元交通事業者へ与える影響への懸念

チョイソコとは

トヨタ自動車の子会社、アイシン精機株式会社が提供する

健康増進のための乗り合い送迎サービスです。

https://www.choisoko.jp/

2021年3月末時点では、12の自治体が導入事例として紹介され、

過疎地や交通空白地帯での新たな交通サービスとして期待が高まっています。

LIGARAによると、

乗り合い送迎サービス「チョイソコ」は、高齢者を中心とした利用者の健康維持・増進をめざした移動支援サービス。高齢化が進む中で、「買い物難民」や自力での通院が困難である「医療難民」の増加が社会問題となっている。

アイシングループ、乗り合い送迎「チョイソコ」全国10カ所に拡大

今後もエリアが拡大されると予想されます。

五島市の事例

五島市では、令和2年10月1日~令和3年3月31日で実証実験が行われました。

https://this.kiji.is/684402381645317217

五島市によると、富江町では昨年11月、地元に営業拠点があったタクシー事業者が廃業。町内でタクシーを利用する場合は、福江地区から呼ぶための回送料金が必要になり、住民から不便さを訴える声が上がっていた。

富江地区は交通空白地帯となっていたので、導入の効果は非常に大きかったようですが、

今年度は新たに、「交通事業者がいる地域」への展開が予算計上されています。

そのことへの懸念点を2つ紹介します。

懸念点1. 既存事業者の経営への打撃

先日、チョイソコ対象エリアとなるタクシー事業者から、

チョイソコが利用可能になったら、経営的に立ち行かなくなる

という陳情を伺いました。考えてみれば当然のことで、

300円で利用可能な移動手段(チョイソコ)があれば、割高なタクシーを利用する人はいません。

行政がチョイソコサービスを支援する(1台600万円)という事は、裏を返せば行政による民業圧迫です。

エリアの拡大について、五島市の担当者は

利用者の利便性を高め、持続可能なサービスを維持、平準化に向けた取り組みです。

と説明されていましたが、既存事業者の経営が悪化する事は避けられません。

行政から事業者に対して、導入に向けた説明が不足していたことも、不安要素として挙げられました。

何らかの経営補填策が必要かと考えますが、行政側としては、補填の考えはないそうです。

懸念点2. 突然のサービス変更

冒頭の説明の通り、チョイソコはアイシン精機株式会社が「全国的に」サービス展開しています。

乗り合いサービスとは言え、1人300円で採算が取れる訳がありません。

行政も課題解決の救世主として、大手企業にすがりたい気持ちもあるのでしょう。

ただし、

  1. 安値競争で市場を独占
  2. 競合他社が潰れてから徐々に値上げ

というのは、大手が仕掛ける「よくあるパターン」です。

今後、サービス料金や利用の範囲が住民の意向に沿ったものになる保証はどこにもありません。

結論

最悪の場合、

  1. チョイソコ導入
  2. 地元事業者の経営悪化
  3. 地元事業者の撤退
  4. チョイソコの撤退やサービス変更
  5. 交通の担い手がいなくなる

という事が予想されます。チョイソコが撤退しなくとも、現行のまま300円のサービスとして、行政負担が0で持続できる保証はありません。

チョイソコサービスの導入に際しては、

「地元への説明を省いたスピード重視」

で進めるのではなく、住民が持続的にサービスを利用できるよう、

「地元の不安を払しょくする丁寧な導入」

が求められます。

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