地方議員が「無駄」「いらない」と言われる構造的な要因を解説

五島市で政治活動をしている中西です。

本日は

地方議員が「無駄」「いらない」と言われる理由

を紹介します。

いきなりですが質問です。

  • 地方議員が居なくて困る事はありますか?
  • そもそも、地方議員が何をしているか、知っていますか?

 

確かに、近所のコンビニやスーパーがなくなるのは困りますが、地方議員がいなくて困る人は少ないと感じます。

私も市長選挙を通じて、様々な立場の市民からお話を聴きました。

中でも多かったのは、

まずは議会をどうにかしてくれ。

議員は選挙前にしか挨拶に来ず、普段は何もしない。

という、ワリと厳しい意見です。

全国の地方でも同じような状況ではないでしょうか。

本日は、その構造的な要因について解説です。

1.活動が見えずらい

議員さんは様々な活動をしています。

ところが、その活動を市民の方に伝えるのは簡単ではなく、インセンティブも働きません。

もう少し詳しく解説します。

宣伝コストが掛かる

政治家にとって、「知名度」と「信頼」は命綱です。

私も市長選挙を通じて、ビラやポスターなど、「宣伝費」に沢山お金を費やしました。

勿論、ネットの情報発信ツールを活用すれば、宣伝コストは格段に低くなります。

ところが悲しい事に、地方では高齢化率が高く、宣伝効果も限定的です(もちろん、やらないよりはやった方がマシ)。

印刷費だけでなく、印刷物の作成にも時間と労力が掛かります。

正直、結構これが面倒ですし、デザインのセンスも問われます。

議員にとっては、「報告活動」を行う事は、時間とお金が掛かるので、あまりしたくないのが本音でしょう。

とはいえ、何も活動をしていないと次の選挙に落選する可能性があります。

そこで多くの議員は、選挙前になると重い腰を上げて宣伝活動を始めます。

選挙の前だけでなく「定期的に」報告を行うのが理想的ですが、議員の裁量に任されていますので、殆どの議員は「選挙前だけ」になってしまいます。

インセンティブが働かない

議員の活動の主たる目的の一つは「地域住民のために働く事」です。具体的には

  1. 要望活動のヒアリング(地域へ足を運ぶ)
  2. ヒアリングを受けての課題整理(作戦立案)
  3. 課題解決に向けたアクション(実行)
  4. 活動の報告

となります。ところが、議員の立場からすると、こうした活動そのものは報酬には反映されません。

住民からすると、地域代表としての議員に対して様々な要望をぶつけたいと思うでしょう。

ところが議員にとっては、「地域活動」を行う事は、時間とお金が掛かるので、あまりしたくないのが本音でしょう。

それは議員の給与が「歩合制」ではなく「固定給」だからです。

極論を言えば、任期中にずっと家でゲームしていても、給与は同じです。

もしもこれがサラリーマンのように歩合制であれば、より議員の活動も活発化するのではないでしょうか。

2.首長の「追認機関」になりやすい

議員が不要だと言われる理由の2つ目は、その役割です。

こちらの記事でも紹介している通り、議会は首長の追認機関になりやすい傾向があります。

地方議会が抱える問題点を分かりやすく解説~二元代表制の危機~

極論を言えば、議案をまともに審議せず、ナアナアでスルーする事も可能です。

たとえまともに審議をしても、結局は多数決で決まってしまいます。

議員構成の半分以上が「首長側」だと、議会がブレーキになり得ないという構造的な問題もあります。

こうした事を踏まえると、確かに議会が不要であると言われても仕方がありません。

結論

議員は日々の活動が見えずらく、首長の「追認機関」になりやすいため、

議員は不要。いなくても問題ない

と住民が感じやすくなる傾向にあります。

仕事自体の認知度が低く、魅力が生まれないため、全国的に「なり手不足」が生じています。

人口減少が進み、地方が高齢化する中で、地方自治の在り方や存在意義が問われているのだと感じます。

「いっそのこと、議会を廃止してしまえば?」という趣旨で、大前研一氏はその存在自体不要だとも提言しています。

https://www.news-postseven.com/archives/20190314_931042.html/2

前例に捕らわれず、明治から続く「地方自治の制度」を見直す時期に来ているのではないでしょうか。