地方議員の給料/年収で生活は成り立つか?

ねこ
地方議員の給料で生活は成り立つの?

本日はこの疑問に答えます。

結論から言うと、

自治体の規模で異なるが、生活を成り立たせる事は可能。

と言うのが私の回答です。

その理由について紹介します。

前提として

給料ではなく報酬

地方自治法では、地方議員に支給されるのでは給料ではなく報酬です。

報酬は「労働や物の使用などに対する対価としての金銭や物品」をいいます。

一方、給与は「雇用契約を結んでいること」を前提として、

その働いた対価に対して金銭を受け取ることいいます。

報酬は定額

ただ、個人的には地方議員の「労働」が正確に測られているかどうかは疑問です。
地方議員には
  • 議会への出席回数
  • 本会議での発言や一般質問の回数
  • 委員会での提案の回数
に関係なく、毎月定額の報酬とボーナスが支給されます。
議員報酬は「労働や評価に関係なく安定的に支給される」点で、むしろベーシックインカムです。
議会に出席しなくても、お地蔵様でも、報酬額は変わりません。
市民の要望を小まめに聞いたり、広報活動をすることは、議員の裁量に委ねられています。

報酬は自治体ごとに異なる

私は2021年2月の市議選に当選し、3月分の議員報酬が振り込まれました。

人口3万6千人規模、議員定数18名の五島市議員の給与は
額面で325,000円、所得税、互助会費、会派会費を差し引いた振込み金額は241,000円でした。
ここから更に国民年金、国保税、住民税等の支払いがあるため、場合によっては手取り10万円台です。

4年に1度の選挙

地方議員の身分は選挙によって担保されているので、落選すれば「ただの人」です。
そのため、議員は他に収入減がなければ銀行からの融資も受けづらいみたいです。
一度当選すれば再選の確率は高くなりますが、常に競争環境に晒されているため、
決して安定した職業とは言えず、逆に不安定であるとも言えます。

最高水準と最低水準

全国の事例を紹介します。
地⽅議会議員の報酬・⼿当等の待遇(2019年)

都道府県議会議員

  • 最高:977,000(愛知県)
  • 最低:651,000(大阪府)
  • 平均:810,183

この水準の報酬があれば、生活は十分に成り立つでしょう。

指定都市議会議員

  • 最高:953,000(横浜市)
  • 最低:648,000(浜松市)
  • 平均:792,325

都道府県議員と同じく、生活は十分に成り立つでしょう。

特別区議会議員

  • 最高:619,000(足立区)
  • 最低:588,300(中野区)
  • 平均:609,000

特別区は生活コストが高そうですが、何とか生活は成り立つでしょう。

市議会議員(指定都市以外)

  • 最高:700,000(石川県金沢市・大阪府東大阪市)
  • 最低:180,000(北海道夕張市)
  • 平均:406,134

市議会議員は格差が非常に大きい点がポイントです。夕張市は悲惨な状況です。

町村議会議員

  • 最高:400,000(神奈川県葉山町)
  • 最低:100,000(東京都御蔵島村)
  • 平均:213,738

町村議会は市の半分程度の報酬になるため、議員一本での生活は厳しそうです。

出費の機会は多い

地方議員には社会保障としての議員年金や厚生年金、雇用保険もありませんが、
なにかと「交際・飲食費」が嵩み、出費も多くなりがちです。
コロナで出費の機会は減りますが、それでも行事やお誘いは多くあります。
それに加え、事務所やリーフレット作成など、選挙に向けた様々な出費が伴います。
こうしたことを考えると、議員は「言われるほど余裕ある生活」ではなく、
任期後の選挙で人気がなければ「一文無し生活」というリスクも抱えています。

副業は可能

ただし、議員は特別職公務員であるため、「副業(複業)」が認められています。
議会の会期外の時間を活用し、副業で生計を立てている方が殆どではないでしょうか。
実際、五島市議会の定例会は毎年4回あり、約1か月の会期となりますが、
もっと無駄を省いて集中的・効率的に取り組めば、実質2週間前後で必要な審議は終了すると思います。
実労働時間は、通常のサラリーマンと比べて圧倒的に少ないと感じます。

地方議員は後継者不足

前述の通り、特に町村議員の報酬は低い傾向にあります。
その割に、出費は多いため、中々生活がしづらく、後継者不足という問題に陥っています。
現状の問題点として私が感じるのは、
  • 「議会の仕事」に対する情報発信不足と、有権者の認識不足
  • 若者の参加意欲を萎えさせる「アナログ制度」(ICTの利活用がなぜか制限される)
  • 報酬面のインセンティブ不足(労働量に関係なく定額報酬)
といった点です。

まとめ

地方議員の懐事情については、
  • 年収・報酬の格差が大きい
  • 出費が多い
  • 副業は可能
という状態です。
政治はまだまだ新陳代謝が必要だと感じますので、
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