これからの防災の話をしよう

本日は防災の日ですので、防災関連のお話です。

五島市では、2019年3月の五島市市議会で、公的な情報発信の手段や、ハザードマップについての質問がありました。

https://nakanishidaisuke.com/2019/03/06/kyouujo/

本日は、もう少しマクロな視点から、地域の現状と国家の取り組みを見ていきます。まずは環境と社会の変化から。

環境と社会の変化

近年は、〇〇年に1度の災害が常態化し、日本列島、世界でも大規模な災害が頻発しています。

そして日本では、人類史上かつてない水準で社会の高齢化を迎えようとしています。特に過疎地では、高齢化と人口減少により、地域の衰退が著しいです。そのため、

災害の凶暴化 × 地域活力の低下 = 災害リスクの深刻化

という状況が生まれています。

自助、共助、公助のあり方

平成の時代は、公的な部分で請け負っていた社会保障機能が、徐々に個人の責任へと転化されていった時代です。

個人の時代

来年度の予算では、就職氷河期世代への支援を手厚くするとの報道がありましたが、政府は今まで、自己責任的な社会政策を推進してきました。

https://mainichi.jp/articles/20190830/k00/00m/010/230000c

防災面でも、個人が受け取る情報を分かりやすくして、避難を促すために、災害レベルが導入されました。

http://www.news24.jp/sp/articles/2019/07/12/07464866.html

これからの防災は、

自分で情報を収集して、自分で行動をする事

が求められています。五島市の市長も、自主避難に繋がる危機意識への訴えかけをしています。

9月1日に発表された「市長の目」によると、

台風が近づいたら市役所からもお知らせしますが、市民の皆様も、テレビやラジオ、スマホなどで自ら情報を集めるようにしてください。

とあります。

https://www.city.goto.nagasaki.jp/s014/020/020/010/010/2019/201909/20190823145027.html

令和元年の大雨では、市役所からの情報が十分ではないと感じましたが、市役所のスタンとしては、「お知らせはしている」との認識です。

https://nakanishidaisuke.com/2019/07/20/how-to-collect/

公助は追いつかない

消防や警察による公助は、どの自治体でも適用されますが、離島や山間部では、物理的な制約で機動力が削がれ、時間がかかってしまいます。

近年は、常態化、大型化する自然災害に備える省庁として、防災庁の新設が議論されています。

ただし、これも議論が進まないうちに、災害の深刻さのレベルが上がっていく可能性が高いと感じます。

国土強靭化を計画したとしても、ハード面の対策における予算制約や、着工段階での災害は防げないという課題があります。

そのため、山間部へき地は、公助の強化を期待しても、あまり大きな成果は見込めないでしょう。

共助の役割

特に公助の手が及ばない山間部での共助が0の場合、自助力の乏しい高齢者が取り残されるリスクが高いです。

逆に、地域の繋がりが強ければ、行政以上に柔軟な情報収集や、要支援者に対する迅速な措置が取れます。

そのため、過疎自治体では、共助力の強化が必要です。

共助力の強化を

五島を含む長崎県でも、防災リーダーの育成講座が開かれています。

https://www.pref.nagasaki.jp/sb/preparation/004/%E5%8B%9F%E9%9B%86%E6%A1%88%E5%86%85.pdf

とはいえ、現在の共助では、

「人口減少 × 高齢化 × 物理的に遠い」

というハンデを抱える中で、防災リーダーを始めとする活動には限界があります。

行政の役割

これからの甚大な災害に対して求められる共助力とは、言い換えると、集落単位での「地域力」です。

たしかに、現在の行政が言うように、

自分の身の安全は、自分で確保してください。

は正論です。ただ、それだけでは「行政は何もしませんよ。」と言っているのと同じです。行政の役割は、

共助力を高める地域の活性化を、いかにサポートするか?

という事です。

「集落活性化」の予算を付けるのが一番簡単なやり方ですが、例えばそこに新しい風を加えるのもアリだし、新しい技術を導入するのもアリです。

行政としては、この「共助力」の強化に向けた取り組み・工夫が求められます。

 

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