五島市が抱える課題に対する向き合い方

市政の課題

本日は、市議会の中で印象に残った「市政の課題」に対して、私なりの方向性をご紹介します。

解決策は、

当面の間はこうする!

という「短期的」方針と、

ゆくゆくはこうする!

という「長期的」方針の2種類を用意します。

まずはこちらから。

①人手不足への対応

全国的な問題となっている人手不足ですが、政府の方針としては

  • 外国人人材の受入

という解決策を取っています。

しかし、日本の中でも賃金格差があり、外国人も生活環境を選べる時代ですので、貧しい田舎は見向きもされない可能性があります。

人手不足と言っても、社会的にみればコンビニの人手不足よりも、介護職員の人手不足が深刻です。

そのため、ここは「社会福祉」の分野に近い人材に対して、市町村独自の給与補助を付ける必要があります。

そしてゆくゆくは、「人手が必要な仕事」自体も、「省力化で回るように」生まれ変わっていく必要があります。

ひと昔前で言えば、田んぼにトラクターが導入されたのと同じ原理です。

  • 短期的:社会保障分野の人材への優遇策を講じる
  • 長期的:業務効率化を最大限に進め人手を減らす

②老朽化した空き家の問題

五島市市議会でも取り上げられましたが、長崎の市町村では、補助を出す自治体も増えているそうです。現在五島市では

  • 空き家の解体を個人負担でお願いする

を基本的なスタンスとしていますが、これも増え続ける空き家に対して、市町村の対応が求められるくらい、深刻な問題になっていきます。そのため、

  • 短期的:解体への補助を出す(上限アリ)
  • 長期的:「所有」から「シェア」の概念へ移行する

という方向性が望ましいです。

「シェア」への移行は空き家だけに留まらず、家屋・車・衣類と言った、「個人の持ち物」全般について言えるパラダイムシフトです。町全体が共有財産として捉えられれば、公的なお金の使い方もがらりと変わります。

➂離島独自の交通問題

市議会ではORCの件や九州商船の件が問題提起されました。これについては、

  • 短期的:現行のサービス水準を落とさないように、監督&陳情をする
  • 長期的:Maasをベースに規制緩和を促し、新規参入を募る

という方向性が望ましいです。現在の商慣習のまま規制緩和をしても、「儲からない」という理由で企業の参入は見込めませんが、

「離島で新しい交通の在り方を研究できる」

という名目があれば、技術力のあるベンチャー企業や、資本を持て余している大企業も参入が見込めます。

まとめ

人材不足、空き家問題、交通網の維持に共通して持つべき発想は、

  • 短期的:現在の水準を何とか維持する
  • 長期的:新しい枠組みをベースに設計しなおす

ということです。

しかし、現在の水準を維持するためには、どの分野でもお金が必要です。

この財源の部分は、「地域の経済循環率を高める」という目的と合わせ、「地域通貨を発行する」という解決策が可能です。

地域通貨は「通貨」でなくても、食料やサービスでもOKです。

例えば、介護職で働く人の家には、毎月5kgの野菜やお米(地元産)が支給されるなど。

現在の政治の問題点は、「短期的な思考体系」から脱却する方向性がないため、

  1. お金が必要な事は出来ない
  2. 10年後の持続可能性が不明確

という点です。

実際、新しい仕組みは既に実用化されているものが多く、その気になれば明日からでも実現可能なモノも多いです。

人口減少と過疎化に歯止めがかからない五島で、今一番足りていないモノは、

(将来は明るいかも)の期待値

ではないかと思います。