【令和6年3月/五島市議会】施政方針(主要政策以外の部分)

【市制施行20周年記念事業の実施】

令和6年度、五島市は市制施行20周年を迎えます。この節目となる年を市民の皆様と一緒に祝い、五島市の魅力を全国に発信し、未来へ向けて飛躍する新たな出発点とするため、記念式典をはじめ記念誌の発行やラジオ体操、スポーツ教室などの記念事業を実施します。また、既存事業や市民団体が実施するイベントなどに「市制施行20周年」の冠を付け、市民の皆様と一緒になって五島市を盛り上げたいと考えております。

 

【行政のデジタル化の推進】

行政のデジタル化については、市民サービスの向上及び業務の効率化、さらにデジタル社会の実現を念頭に置きながら、五島市が抱える業務課題に対して、AI・RPAなどのデジタル技術を積極的に活用してまいります。各種申請手続きのオンライン化や支所窓口において本庁の職員がオンラインで対応する支所・本庁間遠隔相談窓口のほか、紙の申請書等に記入する手間をなくす「書かなくていい窓口」といった取組を着実に推進します。

また、住民記録などの業務を国が作成した標準仕様に基づいたシステムへ移行する、いわゆる自治体の情報システムの標準化・共通化に向けた準備を進めるほか、会計処理や文書管理における電子決裁の運用により、さらなる行政事務の効率化を図ってまいります。

今後も行政のデジタル化を推進し、多くの市民がデジタル化のメリットを享受できるよう取組を加速してまいります。

 

【マイナンバーカードの普及と利活用】

1月末現在の五島市のマイナンバーカード保有枚数率は73.2パーセント(全国73.1パーセント、県75.1パーセント)で、全国平均を若干上回っておりますが、県平均を下回っております。

マイナンバーカードについては、本人確認としての利用はもとより、オンラインでの確定申告や健康保険証としての利用、また、各種証明書のコンビニ交付サービスや図書館における図書貸出カードなど様々な場面で利活用いただいています。また、昨年12月から、暗証番号の設定を行わない「顔認証マイナンバーカード」が導入され、暗証番号の設定や管理に不安がある方も、カードを保有しやすくなりました。

今年の秋にはマイナンバーカードと健康保険証が一体化されます。また、運転免許証など各種カードとの一体化も予定されており、これから利活用の場面は拡大していくこととなります。

今後も、マイナンバーカードによる行政手続のオンライン・デジタル化など利活用の拡大を図り、市民の皆様がマイナンバーカードの恩恵をより多く受けられるよう取組を推進するとともに、必要な方、希望する方全員がマイナンバーカードを保有できるよう、各家庭や施設への出張申請などを行いながら、普及に取り組んでまいります。

【消費者行政】

長崎県警察本部の発表によりますと、令和5年に県内で発生したニセ電話詐欺の件数は、前年比30件増の143件、被害総額は約1億7,

250万円増の約3億7,411万円と、前の年を大幅に上回りました。令和5年度、五島市消費生活センターには、1月末までに通信販売のトラブルなどを含め211件の相談が寄せられ、中には被害額が数百万円に上るケースもありました。また、被害には遭っていないものの、不審な電話やショートメールメッセージに関する情報も多く寄せられており、相談業務はもとより、被害防止の為の啓発活動の重要性を強く感じております。

今後も引き続き関係機関及び地域の皆様と連携しながら、ニセ電話詐欺や悪質商法の被害を未然に防止するための自動通話録音装置の貸出しや啓発活動をより一層強化してまいります。

また、これから社会に出ていく高校生を対象とした消費者教育などにも力を入れ、若者がトラブルに巻き込まれないよう、効果的な啓発活動を行ってまいります。

【第5次行政改革大綱の策定】

五島市を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少などを背景に依然として厳しい状況が続くことが予想されます。

現在の第4次行政改革大綱に基づく実施計画が令和6年度をもって終了することから、第5次行政改革大綱の策定に向け、3月に有識者で構成する行政改革推進委員会を立ち上げることとしております。

今後もDXの取組など時代にあった行財政改革を推進することで、最重要課題である人口減少対策をはじめ、様々な課題に対応する基盤を強化し、健全で持続可能な市政の運営に努めてまいります。

【スマートアイランド構想の実現に向けた取組】

「五島スマートアイランド構想」のもと、五島市が抱える地域課題の解決を図るため、国土交通省のスマートアイランド推進実証調査業務等を活用し、ICTやドローンなどのデジタル技術を活用した実証事業に取り組んでおります。

令和6年度においても、引き続き実証事業を進めるほか、これまでの実証事業において得られた結果を踏まえ、将来にわたって住民の暮らしや経済・地域が豊かな五島市となるよう、社会実装に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。

 

【令和6年度の保健師の配置】

保健師は、健康相談・教育、訪問指導といった健康増進のための取組や、子育て支援などを行うため、本庁及び各支所に配置しておりますが、退職や育児休業等に伴う新たな職員の採用や代替職員の確保が困難な状況にあります。

限られた職員で保健師業務を継続するため、令和6年度は奈留支所を除き、各支所に配置していた保健師を本庁に配置します。

業務の効率化により、住民サービスの低下を招くことがないよう努めてまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

次に、12月定例会以降の市政の主な動きについて、ご報告いたします。

 

【阪急百貨店での五島フェア開催について】

2月14日から20日にかけて、五島市産品の販路拡大を目的に、阪急百貨店うめだ本店にて「五島フェア」を実施しました。

同店で自治体単独のフェアが開催されたのは今回が初めてということで、2月16日に私も現場に伺い、PRを行ってまいりました。このフェアには、五島市内の8事業者が参加し、7日間の総売上額は、約60

0万円となりました。

 

【福江港大津埋立地について】

令和5年9月市議会において、福江港大津埋立地のうち、約58,000平方メートルを長崎県から取得し、そのうち約43,000平方メートルについては、現在、この埋立地で浮体式洋上風力発電事業の浮体部の建造・組立を行っている戸田建設株式会社に売却する予定で関係予算を計上し承認をいただきました。

これまで県及び戸田建設と具体的な土地の売買契約について協議してまいりましたが、市と戸田建設の契約についてはほぼ合意できたものの、市と県の契約については合意に至りませんでした。

問題となったのは、この土地で今後、土壌汚染や地下埋設物が確認された場合の取扱いで、県は国から示されている標準的な契約書に沿って、責任を負う期間は売却後2年まで、またその対応は売却額の範囲内という主張であります。市としては、売主である県が責任を持って対応するべきとの考えから、県の契約書案に記載されている期間や上限額を削除するよう求めてきました。しかし、県は今後の契約事務に大きな支障を及ぼすため、例外的な取扱いは認められないとして、市の主張は受け入れていただけませんでした。市としては、この土地を取得することにより、将来、リスクを負う恐れがあるため、購入できないと判断したところであります。

県及び戸田建設に対しては、市の考え方を説明し、この土地の購入を断念することをお伝えしたところであります。

【「ロケーションジャパン大賞」特別賞の受賞について】

2月15日、株式会社地域活性プランニングがその年で一番地域を盛り上げた作品と地域を表彰する第14回ロケーションジャパン大賞において、五島市が「特別賞地域の変化部門」を受賞しました。

この賞は、令和4年11月から令和5年10月までに公開・放送された映画、ドラマ、アニメ作品を対象に、地域を盛り上げた作品と、撮影受入れやその後の地域活性化に尽力した地域に与えられるものです。五島市は連続テレビ小説「舞いあがれ!」のロケ地として撮影を支援し、地域の観光振興に貢献したことが評価されました。

ロケにご協力いただきました多くの市民の皆様に、改めて感謝申し上げます。

【富江温泉センターの温泉の再開について】

給湯ボイラーの故障に伴い、昨年4月6日から休止しておりました「富江温泉センター」の温泉を、2月24日から再開いたしました。利用者の皆様には、長い間ご迷惑をおかけしまして、大変申し訳ございませんでした。

今後とも、富江温泉センターのご利用をよろしくお願いいたします。

【住みたい田舎ベストランキングについて】

宝島社が出版している「田舎暮らしの本」2月号において、2024年版「住みたい田舎」ベストランキングが発表され、五島市は人口3万人以上5万人未満のまち103自治体中、子育て世代部門で2位に、若者世代・単身者部門で4位に、シニア世代部門で5位に入りました。全国の離島自治体、県内の自治体の中で唯一10位以内に入っており、五島市の取組や支援策が評価されたものと考えております。これからも各世代の移住先として選ばれるよう努めてまいります。

【プロスポーツクラブとの連携事業について】

1月6日から7日にかけて、プロバスケットボールチーム「長崎ヴェルカ」の観戦ツアーを実施し、市内のバスケットボールクラブに所属している小学生35人が参加しました。

参加した子ども達は、プロ選手の華麗なテクニックや、迫力あるプレーを間近で観戦し、バスケットボールの楽しさやおもしろさを再認識していました。また同日、長崎ヴェルカは、県内離島の中学生を対象とした招待事業を実施し、交流試合の開催や長崎ヴェルカ公式戦の観戦、現在建設中である長崎スタジアムシティの見学ツアーなどが行われました。普段プロ選手のプレーを間近で見る機会が少ない離島の中学生には、貴重な経験になったと思います。この事業を開催していただいた長崎ヴェルカに深く感謝を申し上げます。

引き続き、プロスポーツクラブと連携して、子ども達が様々な経験ができるよう支援してまいります。

【五島市出身選手のスポーツ大会での活躍について】

1月21日、広島県で開催された全国都道府県対抗男子駅伝大会に、五島南高校の川原琉人さんが長崎県代表として出場しました。

川原さんは、全国トップクラスの高校生が出場する第1区に2年連続で出走し、従来の区間記録を8秒更新して見事区間賞を獲得しました。

1区での区間賞獲得は、県勢初の快挙となりました。練習相手がいない中、練習メニューを自分で考え、祖父と2人で練習を積み重ね、春からは陸上の名門校、順天堂大学へ進学すると伺っております。川原さんの全国、そして世界での活躍を期待しております。

【五島日本語学校の地域再生大賞優秀賞受賞について】

1月27日、全国の地方新聞とNHK、共同通信が地域活性化の取組を表彰する第14回地域再生大賞で、五島日本語学校が優秀賞に選ばれました。人口減少が進む中、ベトナム人留学生を受け入れ、新たな地域人材として良好な関係を築いていることなどが評価されたと伺っております。

五島日本語学校は、学生にしっかりと寄り添い、まじめで礼儀正しい学生を育成していただいており、深く感謝しています。学生の皆さんには、ぜひ五島市を第2の故郷(ふるさと)と思ってもらい、「五島市とベトナムの懸け橋」となっていただきたいと願っております。

【まちづくりフェスの開催について】

2月18日、福江文化会館において、「まちづくりフェス」を開催しました。ステージでは、総務省の平成30年度ふるさとづくり大賞を受賞した鹿児島県鹿屋市柳谷自治公民館長の豊重哲郎氏を迎え、「感動と感謝の地域づくり」と題して講演をいただきました。また、伝統文化の継承をテーマに、岐宿の鬼神太鼓、高田のチャンココ、玉之浦の神楽も披露され、ステージを彩っていただきました。ロビーでは、市内13地区のまちづくり協議会がブースを設置し、それぞれの活動のお知らせや、郷土料理の提供等が行われました。会場には約600人の市民の皆様が訪れ、地域の良さを再確認し、地域課題をワガゴトとして考える良い機会となりました。

 

【支所庁舎の整備について】

令和4年11月に着工した富江支所庁舎については、3月末を完成予定としておりましたが、天候不良により一部外構工事に遅れが生じていることから、完成を4月下旬まで延長したいと考えております。ただし、建物については、3月末に完成する見込みであるため、部分引渡しを受け、新しい支所及び公民館での業務は4月15日から開始する予定としております。

また、昨年6月に着工した岐宿支所庁舎は、予定どおり3月の完成見込みであり、3月25日から改修した庁舎で業務を開始する予定です。

令和6年度は、富江支所、岐宿支所の旧庁舎の解体工事を予定しており、これをもって支所庁舎整備の全ての工事を完了する予定です。

今後とも、工事期間中の市民サービスの低下を招くことのないよう万全の体制で取り組んでまいります。

 

【創造アイデアロボットコンテスト全国中学生大会について】

1月20日、創造アイデアロボットコンテスト全国中学生大会が東京都で開催され、五島市からは九州代表として3チームが参加しました。基礎部門に出場した翁頭中学校、富江中学校はともに予選を突破し、富江中学校がベスト8、翁頭中学校はベスト16ながらも「審査員特別賞」を受賞しました。

また、計測・制御部門に出場した奥浦中学校も予選を突破し、第10位で「日本産業技術教育学会賞」を受賞しました。

五島市の子ども達が全国の舞台で活躍できたことを大変嬉しく思います。

 

【オラビ崎温泉源の利活用について】

玉之浦町荒川地区のオラビ崎温泉源の利活用については、これまで市議会でもご議論いただきましたが、現在、公募型プロポーザルによる事業者からの提案募集に向けて準備を進めております。

この温泉源につきましては、昭和40年代から国民宿舎「七岳荘」、養護老人ホーム「たちばな荘」の入浴用として利用されておりましたが、施設の廃止や移転により、平成22年以降は利用されておりませんでした。

今回の公募により、オラビ崎温泉源の有効活用を図り、地域振興につなげてまいりたいと考えております。

【市役所におけるハラスメントアンケート調査結果について】

昨年9月から10月にかけて、市役所の職場内における過去1年間のハラスメントの実態を把握するため、全職員(844人)を対象とした無記名によるアンケート調査を実施しました。回答者は645人(回答率76.4パーセント)で、「ハラスメントを受けたことがある」と答えた職員が72人(11.2パーセント)、「ハラスメントを受けているのを見たり、聞いたりしたことがある」と答えた職員が150人(23.

2パーセント)という厳しい結果でした。また、職員以外からの、いわゆるカスタマーハラスメントの被害を受けたことがあるといった職員も確認されました。

ハラスメントは、職員個人の心身面への影響はもちろんのこと、行政に対する市民の皆様の信用にかかわる重大な問題であります。管理職をはじめ職員全員が「ハラスメントは絶対にしない、許さない」という意識の共有を図るとともに、引き続き職員研修や定期的なアンケートを実施するなど、ハラスメントのない職場環境の整備に取り組んでまいります。

【五島市に対する損害賠償請求事件について】

令和4年9月、神戸地方裁判所尼崎支部において提訴された五島市と市の元職員を被告とする損害賠償請求事件について、昨年12月25日と今年2月20日に口頭弁論が開かれました。

12月25日の口頭弁論は、この期日までに原告側が提出することになっていた書面が提出されなかったことから、裁判官から原告側に対し書面提出の意向を確認し、この日の裁判は終了しました。

2月20日の口頭弁論では、2月6日に原告側が提出した書面の陳述が行われました。

五島市としては、現在、原告側が提出した書面に対する反論の書面を提出するよう準備を進めております。

次回の口頭弁論の期日は、5月31日となっております。

【五島市監査委員に対する住民監査請求却下取消請求事件について】

昨年12月、長崎地方裁判所において提訴された五島市監査委員を被

告とする住民監査請求却下取消請求事件について、2月5日に口頭弁論が開かれました。

この事件は、昨年10月12日付けで原告を含む4人が提出した住民監査請求に対し、監査委員がこれを却下したことについて、その取り消しを求めるものです。

住民監査請求の内容は、令和3年2月22日に五島市が締結した「定期借地権設定契約書を無効契約とし、改めて、定期借地権の契約を作成する措置を講ずること」を求めたものです。監査委員は、住民監査請求が契約締結の日から1年を経過しており、地方自治法第242条に規定する要件を満たしていないことから、不適法として却下しております。

口頭弁論では、原告側と被告側がそれぞれ提出した書面及び証拠の確認と、原告側が当日裁判所に提出した書面の陳述が行われました。

判決の期日は、4月23日となっております。

以上で施政方針及び市政報告を終わりますが、本議会に提案いたします議案は、条例案、予算案、その他合わせまして48件となっております。

なにとぞ慎重にご審議賜り、適切なるご決定を賜りますようお願い申し上げます。

 

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