長崎3区補欠選挙の解説~自民党が候補者擁立を断念した3つの理由

長崎3区補欠選挙

自民党派閥の政治資金規正法違反事件で、谷川弥一氏が議員辞職したことに伴う衆院長崎3区補欠選挙(4月28日投開票)が行われます。

1月22日に辞任された谷川氏ですが、10日以上経っても自民党では次の候補者が決まらない状況でした。

2月27日、「自民党は候補者選びが難航し、擁立を断念する方向で調整している」と報じられました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/46cf0de451f2faa7481ee162c02eba9e1830875b

(2024年2月27日時点)での候補者の顔ぶれは以下の通りです。

  • 立憲民主党 山田勝彦衆院議員(44)
  • 日本維新の会 平戸市で塾を経営している井上翔一朗さん(40)

今回は、自民党が候補者を擁立しづらい理由と、地域特有の事情を開設します。

理由1.自民党への逆風

政治資金規正法を巡り、国会でも各党から様々な批判、怒り、改善の提案が出されています。

こうした中で、国民の自民党政治に対する不信感が高まり、選挙でも大きな逆風になると考えられます。

そのため、この状況で勝てそうな候補者を擁立するのが難しいという側面があります。

理由2.期間が短く、次がない

就任期間は、解散がない場合、任期満了となる2025/10/30までのため、最大でも1年半しかありません。

解散があれば更に短くなりますが、いつあるかは誰も分かりません。

更に、長崎は10増10減により、現在の4議席から、次の選挙では3議席に減らされます。

各区の小選挙区での当選者と政党は以下の通りです。

長崎1区:西岡 秀子 議員【国民】

長崎2区:加藤 竜祥  議員【自民】

長崎3区:谷川 弥一 氏【自民】(辞職)→補欠選挙2024.4.28

長崎4区:北村 誠吾 氏【自民】(死去)→ 補欠選挙 金子 容三 議員【自民】

自民議席で現職が優先される場合、新2区、新3区は続投の見込みが大きいです。

https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2022/12/1669871247.pdf

そのため、「旧長崎3区」の候補者が仮に当選しても、次の議席がなく、谷川弥一氏は比例名簿での当選を見込んでいました。

今回の場合も、補欠選挙に出馬する条件として、比例名簿での当選が確約されない限り、名乗りを上げる候補者を見つけるのは困難だと思います。

理由3.全国で1番カネがかかる

長崎3区の区域は以下の黄色部分です。

写真からも分かる通り、島だらけの選挙区です。

  • 大村市
  • 佐世保市(一部)
  • 対馬市
  • 壱岐市
  • 五島市
  • 東彼杵郡
  • 南松浦郡
  • 小値賀町

こうした地理的な状況もあり、ポスターやビラの配布、街宣活動も本土以上の大変さがあります。

当然、その分交通費や宿泊費もかかります。これほど複雑な地形に有権者が点在する選挙区は全国に他にないと思います。

そして旧3区では、谷川氏が20年にも渡り議席を占有していたため、他に知名度がある候補者がいない状況です。

 

誰が出馬したとしても、自民党に対する世間の見方は厳しく、勝てる見込みは低そうです。

こうした厳しい状況の中で、捨て身の覚悟で出馬を決意する候補者を見つけるのは中々難しいのではないかと思います。

自民党の候補者が現れたとしても、こんな状況で何を訴えるのでしょうか??

全国に注目されている分、自民党としては負け戦で耳目を集めるよりも、世論の批判が収まるのを待ちながら不戦敗を選択した方が傷は浅いのかもしれません。

https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20240124-OYT1T50039/