【地方議会】予算修正案に対する正しい討論と採決の在り方は?

3月23日、五島市議会が閉会となりました。

本日はその中で,修正議案を提出しましたので、その中で討論と採決の在り方を巡り、様々な意見が出ましたので、紹介します。

修正議案とは?

今回の修正議案は、「予算の減額」です。

デジタル田園都市国家構想推進交付金の減額提案

全体の規模として見れば小さな金額(当初予算の0.1%程度を減額)ですが、一次が万事です。

金額の規模の問題でなく、議員は批判的な立場で事業の必要性を審査すべきです。

正しい討論の仕方は?

そこでまず問題となるのが討論の仕方です。

  1. 修正案と当初予算を一括で討論する
  2. 修正案と当初予算を別々で討論する

2つの方法のどちらかを決めるのが「議会運営委員会」でして、私は市民への分かりやすさを重視した場合、②の方が分かりやすいから良いのではないか?と提言しましたが、結局①になりました。

その辺は大した議論もなく、暗黙の多数決で決まってしまうのが釈然としない所です。

正しい採決の在り方は?

次に問題となるのが採決の在り方です。

採決は「修正案の採決」→「否決された場合、当初予算案の採決」となります。

修正案を出す以上、それが否決されても当初予算案には反対するのが筋ではないか?

という声が他の議員からも聴かれましたので、私の見解を示しておきます。

修正案を出す議員の立場から見れば、当然それが可決される事を期待しています。

ところが、それが否決された場合、当初予算案を否決するかと言うと、話は別です。

なぜなら、当初予算には、修正案で提案した以外の予算(金額の99.9%)が含まれているからです。

これを分かりやすく例えると、

1億円の家を買う場合を想定してみます。

100万円の倉庫は要らないな~

と思ってメーカーさんと交渉し、残念ながらその倉庫は外す事が出来なくなったとします。

その場合、1億円の家を購入する事(当初予算)を止めますか?

という事です。

これは条件付きの採決でもなく、あくまで交渉が決裂し(修正案が否決)た時、どう意思決定をすべきかという問題です。

これは手続き上、「採決の意思表示をする機会」が与えられているのであれば、議員の自由意思に委ねられるべき問題です。

それが納得できないのであれば、議会運営のルールとして、「修正案を出す場合、予算案には賛成できない」と定めれば良い話です。

まとめ

五島市の令和4年度3月議会においては、

  • 修正案と当初予算の討論が一括討論だった事
  • 採決の意思表示に対する考え方が十分に整理されていなかった事

が原因で、一見すると分かりづらい立場が様々生まれてしまったと思います。

  1. 修正案に賛成&当初予算に反対
  2. 修正案に賛成&当初予算に賛成
  3. 修正案に反対&当初予算に賛成

①と②を区別するために、討論の方法を整理し、その議員が何に賛成し何に反対しているのか、分かりやすくする工夫が必要と感じました。

いずれにせよ、音読大会ではなく、活きた議論がもっと生まれやすくなる議会を目指していく必要性があると感じました。