デジタル円の発行方法
本日はこのテーマについて考えてみます。10月24日の共同通信によると、
機械の操作に不慣れな高齢者や子どもに配慮しつつ、スマートフォンやICカードなどの候補から最適な方法を選ぶ。
との事です。
どちらの方法が相応しいのでしょうか?
本日はこの2つに加え、指紋や光彩を利用した「生体認証」についても比較してみます。
結論としては以下の通りですが、一つずつ考察していきます。
観点 | スマホ | ICカード | 整体認証 |
盗難・悪用 | 中 | 高 | 低 |
発行コスト | 低 | 高 | 低 |
利用可能な人 | 中 | 多 | 多 |
共通して必要な仕組み
どの方法を取るにしても、共通して必要な仕組みは以下の通りです。
- 個人の「口座情報」と紐づけ
- 小売店での読み取り装置(リーダー)の導入
- 「デジタル通貨」システムの維持管理
こうした導入コスト以外の面で、それぞれの方式にはメリットやデメリットがあります。
ICカードの場合
行政側で見た時、一番大きな問題は、カードの発行、配布のコストです。
マイナンバーカードの事例をみれば一目瞭然ですが、未だに普及率は2割台です。
既に財布の中に大量のカードが山積している現状をみれば、利便性も高いとは言えません。
紛失した場合の再発行もコストや、悪用への対策も必要です。
ICカードに「デジタル円」の情報を搭載するのは、「アナログの上にデジタルを載せる」形となるので、
デジタル化の本来の理念に逆行する方針であると言えます。
スマートフォンの場合
これはおそらく、スマホに政府公認のアプリをインストールする方法です。
その場合は、アプリの維持管理費とセキュリティのリスクはありますが、物理的なカードの発行コストを抑える事が出来ます。
スマホ自体を紛失するリスクもありますが、生体認証と連動させれば悪用のリスクを防ぐことも出来ます。
ネックとしては、スマホを持たない子供や高齢者が利用できないという点です。
この問題を解決するのが、生体認証です。
生体認証の場合
生体認証の場合、スマホもカードも持つ必要がありません。
イメージとしては、財布を持たずに手をかざすだけで決済が完了するイメージです。
個人の生物学的な情報は、盗難やコピーが困難です。
これが最もユニバーサルな方法であり、デジタル化のメリットを発揮できる方法ではないでしょうか。
まとめ
いずれにせよ政府は、デジタル円を「段階的に導入する」との方針です。
そうであるならば、アナログなカードは絶対に避けるべきで「100年後を見据えた方式」の導入を目指すべきです。
現在は生体認証技術を用いたリーダーのコストは高いですが、将来的にはAI技術も活用し、コストは下がっていくと考えられます。
生体認証を用いれば、スマホも財布も持つ必要がありません。
いずれにせよ、時代遅れな方針にならないと良いですね。