ネット時代の全盛期、これからの自治体が目指すべき地域づくりについて考えてみます。
村と地域の現状
人間は完全に孤立すると、幸福感を感じられなくなります。
地域・社会・友人と、程よい距離感を保つことが大切です。
ところが、その程よい距離感が、失われつつあるのが地方の現状です。
過疎化により集落の社会インフラ(交通・買い物・病院)に綻びが生じ、人口減少によって従来の「付き合い」もめっきりなくなってしまっています。
そうした中では、これから作っていくべきなのは、従来の枠に捕らわれない「むら」なのかと思います。
令和のむらづくり
「村八分」という厳しい制裁が働く従来の村ではなく、
ネット空間を前提に、人々が程よい距離感で付き合う事の出来る「むら」です。
本日は、そんな「むら」の方向性について考えてみます。
以下、箇条書き。
住所がなくても「ただいまー」と言って、暖かく迎え入れてくれるような「むら」
高齢の方でも寂しさを感じず、地域全体で支えてくれるような「むら」
子育て世代が安心して自然の中で子供を育てられるような「むら」
地域で食料とエネルギーを自給できる「むら」
世界中から程よい人の交流が生まれる「むら」
住民が仕事に追われる時間の少ない「むら」
1人1人がやりたい事に打ち込める「むら」
毎晩賑やかに宴会や行事が催される「むら」
多様な価値観の人が住める「むら」
ガソリンがなくても生活が維持できる「むら」
こんな「むら」が理想的ですが、全てを一挙に実現するのは難しいかもしれません。そのため、色々な箇所で同時多発的に「むら」造りを行える環境が良いと思います。
分散型・自立型の社会を目指す上では、蒔く種の種類は多い方が良いはずです。
むら作りの進め方としては、「アップデート型」と「開発型」に分けてみます。
アップデート型
これは、「既に存在する集落」をアップデートする方法です。大まかな方法論は以下の通り。
- 村長を集落の中から選出し、予算と実行権限を与える
- 村長に「むら」の方向性を決めてもらう
- 遊休資産を活用し、「むら」作りを始めてもらう
選出の方法は、ビジネスプランのような形で公募して、投票制にするのが面白いかもしれません。アップデート型は、
いかに住民を巻き込んで行うか?
が肝心となります。
開発型
これは、「誰も住まなくなった土地」に、新たな生活圏を創造する方法です。無人島とかが良さそうです。
ここでは自治体が土地を一括で借り上げ、期限付きで開発を委託する方法が良いでしょう。
契約した期間のラインセンス料として、市の税収向上にも役立てばWin-Winです。
- 村長を世界中の企業や団体から選出し、実行権限を与える
- 村長に「むら」の方向性を決めてもらう
- 「むら」作りを始めてもらう
その際に大切になるのは、SDGsの視点です。
乱獲・乱開発・大量消費をするような開発では、自治体が許可を与えません。
世界に先駆けた先進的なモデルとなるような生活圏を創ってもらえれば、それだけ価値が高まります。
ドローンの実証実験や再生可能エネルギーの実装に興味のある団体・企業なんかは食いつくのではないでしょうか。