五島市民電力のシンポジウムを聴講した感想

  • 2018年12月19日
  • 2019年11月3日
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地域電力

五島市で「地域電力」の事業拡大に向けたシンポジウムに参加しました。

感想としては、「地域電力、採算取るの難しそうー」と思いました。

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本日は、その中身についてご紹介します。

上手く行っても収支はどっこい

一般的に

地域電力は儲からない

というのが、2018年末現在での日本の現状です。(参考事例:みやま市

そうした中で、割と上手く行っている事例として、

地域新電力 森のエネルギー株式会社の紹介がされました。お話の中で印象的だったのは、

もともと、儲けのために行っている事業ではない。

という部分です。地方創生という文脈の中で、地域貢献を考えたメンバーの方々は、

  • 少ない出資金(出資金200万円)を元手に
  • 経費(運用コスト)を極力抑え
  • 地域に恩恵を還元する

という事で継続されているらしく、現在は会社の収支がとんとんくらいで回っているとのことでした。

多くの「地域電力」が失敗し撤退している中では、そもそも「地域電力」という事業自体、儲けを出すのが難しく、上手く行っても収支がとんとん、というのが今の現実である気がしました。

外貨の流出が止まらない地域

そもそもどうして、「儲からない」事業に参入する自治体が多いのでしょうか?

その背景にあるのが、地域の抱える「電気代の域外流出」という構造的な課題です。

例えば五島市では、年間で30~40億円くらいが、電気代として島外に流出しているらしいです。全国的に見ても、電力は「大手の独占」となっていたこともあり、その課題を解消する起爆剤として、規制緩和(電力の自由化)がされました。

そうした背景もあり、五島でも地域で循環するお金の量を増やし、雇用の場を確保するために、地域電力の会社が発足したそうです。

五島市の支援は?

今後、五島市民電力が事業を継続的に運営していくためには、「市役所の後押し」が必要不可欠になると考えられます。具体的には、

  • 市役所庁舎の電源を地域電力に切り替え
  • 市役所のHPや広告で、地域電力を積極的にPR

など。こうした「五島のエネルギーのブランド化」には市役所の後押しが必要ですが、私の予想としては、中々及び腰ではないでしょうか。

その理由の一番は財政的な問題。

自主財源比率が恒常的に2割以下であり、且つ今後2年間で交付金の額が減らされる五島市にとっては、「いかに安く公費を抑えるか?」が最重要のテーマとなります。

そうした観点から、公費の増加に繋がる新電力への切り替えは、経済合理性がなく、市議会を始めとして反対が強くなるでしょう。

求められる政治判断

とは言っても、五島市の方針は基本的に国に倣えですので、自民党率いる上層部の政治的判断で、「再生可能エネルギーを使う事」に対する後押しがあれば、判断が変わる可能性が高いです。

例えば国の方で、FITに代わる補助的な政策として、

エコ電源を選ぶことに対するインセンティブ

が新たに導入されれば、風向きは変化します。逆に言うと、こうした政治的な支援がない限り、結局電力は安さ(経済合理性)で選ばれます。

そうでない限り、震災後の電力の自由化の帰結(2020年以降)は

資本力に勝る既存発電業者が勝利する

形になりそうです。