平成30年は昭和94年
みなさんこんにちわ。本日は「昭和ノスタルジー」のお話をしたいと思います。
若い人にはピンと来ないかも知れませんが、多くの人(30代以上)は大なり小なり、この「昭和ノスタルジー」に縛られて生きていると感じます。
一言で言えば、「あの頃は良かったなあ」という思い出に対する執着・憧れです。
日本の安倍首相の言葉を借りれば、
- 日本を取り戻す(=昭和の強い時代への懐古)
- 三丁目の夕日(=昭和の家族感・地域感への懐古)
しかし考えなければ行けないのは、今後の世界では未来永劫、「昭和のあの頃」は返ってこないという事です。
当たり前のことかもしれませんが、「昭和ノスタルジー」に囚われている人たちは、どこかでそれを誤解している気がします。
前置きが長くなりましたが、具体的な事例も交えて、「昭和ノスタルジー」の話をしたいと思います。
商店街を活性化しよう
これが典型的な事例ですが、行政も市民も、過去の栄光に囚われすぎています。
地方の商店街は、マーケット機能をAmazonやメルカリに奪われています。もっと正確に言えば、市民が自らの意思で、商店街を選択して変えている状態です。
そうした劇的な構造変化を前にして、何時までも
昭和の頃のように、人が賑わう商店街
を目指してお金や労力を費やすことは、割れたコップの破片を集めて、セロテープで繋ぎ合わせるようなものです。
継ぎはぎだらけでいびつな形になってしまうのは、商店街がインターネット普及以後の「マーケット機能」に対する賞味期限を切らしているからです。
それでも、例えば五島市の市議会では、
五島市は商店街の活性化に向けて、どのように考えているのか?
もっと対策を講じて、商店街を活性化すべし!
という声が聞かれます。商品を大型店舗で購入する消費者と、行政(市議会議員)との温度差を感じる場面ですね。
住みなれた我が家にいつまでも
これも典型的なノスタルジーです。
これには「夢のマイホーム」という昭和の幻想が、移動への足を引っ張っているのも影響しています。
しかし『無常』という仏教の教えからも分かるとおり、同じ状態で留まるものは、何一つとしてありません。
人も家も、時代の流れと共に移り変わっていきます。
国の緊縮財政が続く限り、地方に対する予算はドンドン減らされるので、地方に住む高齢者の方にとっては厳しい時代になって行きます。
そういった変化に対する圧力(地方のインフラ老朽化・交通の不便さ増大)は、好むと好まざるとに関わらず、増えていきます。
「結婚・子供・幸せ」の幸福3点セット
都市部では晩婚化と未婚率がドンドン上昇していると聞きますが、その原因は若者の草食化ではなく、単純な経済的問題です。
収入は不安定&低賃金であり、子供の養育費は高止まりしているので、結婚をする若者が減っています。
その一方で、「結婚・子供・幸せ」の3点セットが、「幸せの等式」として頭に残っている昭和世代の親は、割と高い確率で子供の結婚を願っています。
それは自分たちが育ってきた環境(兄妹が多い・家族間の繋がりが多い)からも考えられる事でしょう。
若い人は、そうした親(及び社会)からの圧力と、経済事情の問題で、板ばさみになっているのではないでしょうか。
国も少子化対策として、教育負担の軽減に繋がるような政策を打っていますが、どうも今ひとつ効果が上がっていません。
まとめ
「昭和ノスタルジー」は、日常生活の規範や国の政策にも反映されていますが、「あの頃」はもう二度と戻ってきません。
「あの頃」を目指す方針の誤りは、
現在起きている構造的な変化を見落とし、判断を誤る
事ではないでしょうか。
パワハラやセクハラ問題で、毎日ニュースが報じられていますが、私たちの道徳観・価値観も、多くはこの「昭和ノスタルジー」に足を引っ張られています。
皆様の周りにも、こういった事例はないでしょうか?