地方創生の濃淡~内陸部と沿岸部~

健康長寿国・日本

健康で長生きをしてもらいたい。

それは教科書的な行政の建前です。

しかし一方では、緊縮財政で膨れ上がる医療・介護を抑制しなければならないという、大きなジレンマを抱えています。

https://nakanishidaisuke.com/2018/09/07/finance-issue/

そこで本日は、医療・介護の問題と、地方創生について考えます。

医療・介護がなくなった場合

極端な例として、医療費・介護費の必要な高齢者が全ていなくなってしまったらどうでしょうか?

日本の高齢化率はガクンと下がり、社会保障の問題は解決するように見えます。

しかし一方で、多くの仕事と職場がなくなってしまうのも事実です。

大きく分けると、政治力を持っているグループと、そうでない人たちに分かれます。

【政治力の強い人たち】

  • 医療・介護の物を売る人(医療機器メーカー、製薬会社)
  • 医療・介護で専門性を持つ人(医者)

【政治力の弱い人たち】

  • 医療・介護の実務スタッフ(介護士、ヘルパー)
  • 医療・介護の事務スタッフ

こうした方々は、医療と介護のニーズがなくなると、路頭に迷ってしまいます。

特に政治力の強い人たちは、そうした懸念を国にぶつけ、延命社会に賛成します。

そう考えると、

「高度な医療システム」

は高齢者によって支えられているのかもしれません。

住民と行政

今の世の中では、「人が移動すること」に対するハードルは、とても下がっています。

日本だけに限って言えば、路上で野垂れ死ぬ何ていうことは、発生しません。

例えば長野県にある市町村の一つが財政破綻して、一切の住民サービスが提供できなくなったらどうなるでしょうか?

当然、そこには人が住めなくなるので、住民はどこか別の場所に引越しをしなければいけません。

ただそれだけのことです。

そうなったとき、選択肢は無数にあります。

山梨県、群馬県、岐阜県といった田舎に住むか、或いは都市圏に移動することも可能です。

人口減少対策

国の方からは「消滅可能性都市」という言葉が出され、今後の対象リストに多くの自治体が含まれていることで、危機感が煽られました。

私たちの地域を無人にしてはならない

との思いで、政治家たちはあの手この手で「移住者獲得競争」を繰り広げています。

ただ、残念ながら移民を受け入れない以上、日本人の数は限られています。

そうなる前に、自治体では更なる再編が加速し、コンパクトシティーの実現に向けて国も動いています。

狭い範囲に出来るだけ人を集め、効率的に医療・介護の体制を敷くことで省力化を図ります。

国という枠で「国民の健康長寿」を考えれば、集約型の都市を目指す方が、医療・介護・社会インフラの維持に掛かるコストは少なくできます。

まとめ

国には、都市から地方へ人を送りたい理由が幾つもあります。

  • 国防の観点から、国境付近の無人化を防ぎたい
  • 東京一極集中へのリスク分散として、地方に人を送りたい
  • 地方有権者へのPR材料として、「地方創生」を実現したい
  • 財政負担の軽減として、地方の自主財源を増やしたい

国はそうした背景から、「地方回帰」の流れを後押ししています。

一方、受け入れ側の地方都市は、あの手この手で「移住者獲得競争」を繰り広げていますが、競争である以上、勝者と敗者が生まれます。

敗者向けの対策として、国はコンパクト化をさらに押し進め、新たな行政単位としての統合を図るでしょう。

そこで生まれるのは、「地方」の濃淡です。

  • 内陸部:コンパクト化、集中化
  • 沿岸部:省力化、分散化

不安定化する東アジアの政治情勢を考えると、内陸部よりも沿岸部に対するお金と人の投入が加速しそうです。

 

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