2025年問題~共倒れリスクを避けるには~

「2025年問題」の中身

日本の社会では、今後も加速度的に高齢化が進展し、ますます「支える側」の負担が大きくなると予想されています。

国も従来の働き方を見直すなど、対策を打ち出していますが、状況としては焼け石に水、と言う感じです。

変化の割合に対して、対応が追い付いておらず、全国各地では今後、「介護をする人」と「介護をされる人」の「共倒れリスク」が上昇すると考えられます。

この現象は、経済的にも社会的にも、よろしくない状況であると言えるでしょう。

「共倒れ」を避けるために必要なことは、

  1. 出来るだけ長く、元気でいてもらうこと(予防)
  2. 介護の負担が、子供だけに偏らないこと(介護)

という二つのアプローチが必要です。

2番の介護については、外国人の受け入れ枠を拡充したりとか、対応が取られていますが、まだまだ

「親を施設へ預けること」

に対する抵抗感も高いようです。

今回は、予防に関して、全国的にも最先端の高齢化率を誇る五島のデータを紹介します。

予防は十分なのか?

地域では、十分な予防活動が行われているのでしょうか。

今回は、一つの参考として、「老人クラブの活動状況」を見ていきます。

平成29年4月1日のデータでは、

  • 60歳以上人口:1万7,695人
  • 市内の老人クラブの数:96クラブ
  • 会員数数:4,375人(24.7%)

だそうです。意外と少ないですよね。さらに、市議の意見によると、

中には、終日テレビばかりで、誰とも話せない高齢者もいる

そうです。こうした状況を踏まえ、五島市老人クラブ連合会では、

  • 入会案内のチラシの作成やゲートボールなどでの健康づくり事業に出向いての周知活動

  • 会員増に努めたクラブを表彰するなど、老人クラブ組織の維持向上につながるような支援

をしているそうです。

言うまでもなく、人間はヒトとの関わりがなければボケてしまいます。そうした点から、予防としてのクラブ活動は、今後ますます重要になるのではないでしょうか。

それから介護という点については、やはり人海戦術に頼る(外国人労働者)のではなく、IT技術やAIを活用して、出来る限り省力化していくことが大切です。

これをしなかった場合、日本は「課題先進国」として、他国に輸出できるサービスのモデルを失います。

「技術を活用し、介護の負担を最小化する」モデルは、30年後のアジアの国々で適用されるはずです。