五島市のゴミ問題と施設の有効活用

  • 2018年6月25日
  • 2018年6月26日
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その昔、(と言っても15年ほど前ですが)五島市がまだ複数の町に分かれていたとき、「福江市清掃センター」というものが出来ました。

これはH30年現在でも稼働中の施設ですが、翌年の12月からは大浜という地区に新しい焼却処分場が出来るため、その役目を終えるそうです。

本日、その施設の中を見学しましたが、

(ここ、病院??)

って思うくらい、衛生的でバリアフリーな施設でした。そっくりそのまま宿泊施設や会議場として使えそうな施設です。

それもそのはずで、清掃センター自体はまだ竣工してから15年しか経っていないのです。担当者に聞いたところ、その後の活用計画は決まっていないそうです。なんてもったいない。

集中管理室。24時間体制で見張っています

15年しか使われず、新しい焼却場を建てるのはどうしてでしょう?

そこにはちゃんとした理由がありましたので、ご紹介します。

多額の維持管理費と財政難

当時(15年前)は「ダイオキシン」が全国的な問題となっていて、2000年にはダイオキシン対策法が成立しています。

そのため、施設を建てた日立造船も、

国内で最も厳しい公害基準値
(1)排ガス、排水、飛灰、溶融残さなど施設から排出されるダイオキシン排出総量1マイクログラム/ごみトン 以下保証
(2)排ガス中のダイオキシン類濃度0.05ng/m3N以下保証

と謳っています。ただ、公害対策を万全に備えた最先端の(当時)施設だけあって、その維持管理費用は高くついたそうです。

何しろ、この施設が価値を発揮するポイントは、「高温処理」ですので、年間で5億円の維持管理費が必要だそうです。

その後、平成の大合併を迎えてからは、この「ランニングコストの高さ」が裏目に出る形となります。五島市としても、

もっとコスパの良い焼却施設はないのか?

と言う思惑や、合併特例債(期限内であれば負担の少ない借金)の期限もあって、

もっと維持管理費の少ない施設に切り替えよう!

と決定した感じです。

新焼却場の課題

H31年の末から稼動する新しい焼却場は、維持管理が年間で2億3千万円と、負担を半減以上に出来るらしいです。

しかしながら、新しい処理場では、1日に捌けるゴミの「処理能力」も低下するという問題があります。

  • 現在の焼却場(旧福江市センター):58トン/日
  • 新しい焼却場(大浜):41トン/日

今までと同じ量のゴミを出していては処理が追い付かなくなってしまいます。そのため市役所では、

焼却ゴミの量を減らそう!

という取り組みをしているそうです。

リサイクルセンターの粗大ゴミ

焼却ゴミを減らす=リサイクル

驚くべきことに、焼却ゴミの約半分は「紙やダンボール」だそうです。数年前までは、8割のゴミがそうだったというのだから凄い量です。

市役所では、今までのゴミの仕分け方法を変更し、以前は「燃えるゴミ」として出されていた「紙やダンボール」を積極的に改修し、「燃えるゴミ」の量を減らそうとしているそうです。

この辺りは、仕事をドンドンIT化していけば、ペーパーレス化して削減可能だと思います。

ゴミ問題のまとめ

15年前と現在では、状況が大きく変わってしまっています。

  • 当時:ダイオキシン対策が大事!
  • 現在:財政負担の軽減が大事!

という訳で、現在24時間体制で稼動している焼却場は、使用目処の立たない「負の遺産」になろうとしています。

これはゴミ問題だけに限らず、市役所の持つ施設全般や、空き家についても同じことが言えます。

劇的に変わる社会情勢(人口減少と税収減)と、空洞化していく「大きな箱」。

これも空き家と同様にドンドン開放して、「有効活用できる枠組み」を整備することが、地方活性化に繋がります。

「空き家バンク」ならぬ、「空き施設バンク」に対するニーズは、地方に益々高まっていくと考えられます。

 

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