【2026年6月五島市市議会メモ】草野久幸議員

五島市議会は正式な議事録が出るまでに時間がかかります。

そのためAIで議事メモを作成しています。必ずしも正式な議事録ではありませんのでご理解ください。

奈留医療センターの入院病床休止について

◆16番(草野久幸君) 先日、国勢調査の速報値が公表されました。五島市の人口は3万1,456人で、前回調査の令和2年度よりも2,935人、率にして8.5%減少しております。

人口減少は五島市だけの問題ではありませんが、確実に進んでおります。その結果、さまざまなところに影響が出ており、今回の質問項目である奈留医療センターの入院病床休止の問題も、その一つだと思います。

しかし、人口減少を理由に、島民の安心安全な生活を脅かすことがあってはならないと思います。

この切実な問題について、平成20年9月議会で、私はこのように発言しております。

「医療、福祉、教育に関しては、国が全面的に支援すべきだと私は考えております。現在、政府が進めている財政改革で医療費が毎年2,200億円削減されております。日本の医療はどんどん衰退しております。五島市においても、2007年12月に示された公立病院改革ガイドラインでは、すべての公立病院は3年後に黒字を目指すと書かれております。公立病院は、採算が合わないところでも維持していくのが役目です。しかし、現在の動きはそれに逆行しているのではないでしょうか。今回の企業団設立問題も、その国の一連の動きで、私たち地方に苦しい選択が迫られております。」

このように、当時の議会で発言してまいりました。振り返ってみれば、この危惧した方向に、現在の状況が進んでおります。

今回、奈留医療センターの入院病棟の休止について取り上げましたのは、以前からお世話になっていた奈留の高齢者に、久しぶりに電話をしたことがきっかけでございます。

その方は、奈留医療センターの入院病床休止について、「病院の入院がなくなれば、奈留で最期を迎えることはできない」と話されました。

この話を聞いて、ぜひとも今回、この入院病床の問題について質問しようと決めたわけです。

先ほどの出口議員の質問にもありましたように、奈留の方々、島民は、入院病棟の継続を望んでおります。その声を聞き、市長として今後どのような行動をしていくのか、質問いたします。

◆市長(出口太君) 16番、草野議員の質問にお答えいたします。

長崎県病院企業団が運営する奈留医療センターの入院病床の休止についてのお尋ねがございました。

奈留医療センターは、奈留地区における唯一の有床医療機関として、長年にわたり地域医療の核としての役割を果たしているところであります。

今回の、令和9年4月からの入院病床休止という長崎県病院企業団の意向につきましては、五島市といたしましても非常に重く受け止めております。

現在、どの地域でも同じだと思いますが、各地において医師不足や看護師確保の難しさ、さらには人口減少に伴う病床利用率の低下など、地域医療を取り巻く環境は全国的に極めて厳しい状況にあると認識しているところです。

長崎県病院企業団におきましても、持続可能な運営と医療の質を確保するために、苦渋の検討を重ねてこられた結果であろうと受け止めております。

私の思いとしましては、住民の皆様の不安を最小限にとどめること、そして、いつまでも住み慣れた地域で安心して長く暮らしていただくことが最優先であると考えております。

入院機能の休止につきましては、住民の皆様にとって、住み慣れた地域での療養が難しくなるということで、大変大きな不安を抱かせてしまっているのではないかと思っております。私としましては、その皆様の思いをしっかり受け止めなければならないと思っております。

一方で、現状のまま今の体制を維持したとき、結果として医療の崩壊を招くのではないかということも心配しております。それだけは避けなければならないとも思っております。

大切なことは、奈留地区において、どうやって安全な地域医療、医療だけではありません、介護もそうです。医療、介護の体制、ネットワークを維持していくかということになるかと思います。

今回の企業団の意向は、あくまでも現時点のものであり、正式決定ではございません。緊急搬送の体制などと合わせまして、住民の皆様への丁寧な説明と対話は、しっかり続けたいと思っております。

時代の変化や厳しい現実を直視して、将来にわたって奈留地区の住民の皆様が安心して暮らしていけるようにするには、どうしたらよいかということをしっかり考えていきたいと思います。

奈留の皆様だけではなく、市議会の皆様のご意見もしっかり踏まえたいと思います。その上で、病院企業団や関係機関の皆様と協議を進めていく必要があると考えているところであります。

草野議員から人口減少の話がございました。奈留の人口を私も昨日見てまいりましたけれども、厚生病院ができた当時、昭和32年でありますが、人口は9,000人近くおりました。そして、医療圏組合奈留病院【要確認】となり、一般病床が52床となった昭和53年頃には5,800人台となっております。

そして、奈留病院が現在の診療所、奈留医療センターに名前が変わった頃、平成26年には準有床診療所【要確認】となるわけですけれども、その頃の人口が2,200人ほど、現在は2,000人を下回っております。

このような状況ではありますけれども、私も各地を歩いておりますと、交通手段もなくて病院に行くのも大変になり、暮らせなくなったというお年寄りの姿をたくさん目にしました。そして、もう本当に暮らせなくなったからと、悲しそうな顔をして島を離れていくお年寄りの姿も見ました。

このようなお年寄りの姿を、私はもう見たくはございません。私は、市民の皆様がどの地域、どの島に暮らしていたとしても、その地域で、住み慣れた我が家で、いつまでも安心して長く暮らしてほしいと思います。

行政としてできること、できないことはあるとは思いますけれども、国や県の力をいただきながら、奈留の皆様の暮らしをしっかり守っていきたいと考えております。

◆16番(草野久幸君) 今、市長から答弁していただきました。先ほどの出口議員の質問でも、部長は、まだこれは企業団が決定したわけではないという説明でした。

市長からも答弁をいただきましたけれども、要するに奈留の方々が心配して不安を抱えているのであれば、まだ決定していないのだから、五島市長として、このことに対して、今の段階で「私は反対です」と県や企業団に発言してくれることを、奈留の方々は望んでいると思うんです。

今、いろいろ答弁していただきましたが、病院を続けてほしい、入院を続けてほしいということを県に要望していくのかどうか、そこだけを簡潔にお聞かせください。

◆市長(出口太君) 病院の休止につきましては、先ほども申し上げましたとおりでございます。

これから住民説明会も開催されると伺っております。その中で、さまざまなご意見も出てくると思います。4月の町内会長会議の際にも、私も意見は伺っておりますけれども、まずはもっともっと皆様の意見を伺ってみたいと思っております。

その上で、市議会の皆様のご意見も踏まえて、私がどう対応するべきかを考えたいと思っております。

◆16番(草野久幸君) これからの質問の中で、そこはさらに質問していきたいと思います。

先ほど申し上げました。「奈留で生まれて、奈留で最期を迎えたい」。私はこの電話を聞いて、非常に胸が苦しくなったんです。市長も同じような答弁をしていただきましたけれども、この言葉を、市長はどのように受け止めますか。

◆市長(出口太君) 直接の答弁になるかどうか自信はありませんが、今、私が思っていることを素直に申し上げます。

私は、ふるさとを思う気持ちは大事にしたいと思っております。ふるさとがあってこそ、今の私たちがあるものと認識しております。

だからこそ、この島で生まれて、この島で最期を迎えるという奈留の皆様、おそらく多くの五島市民の皆様も同じ思いの方が多いと思いますけれども、それは当たり前のことですし、私たちはそれをしっかり支えなければならないと思っております。

そのために、私もUターンして帰ってまいりました。やはり五島のことは忘れられませんでしたし、私のふるさとです。しっかりこれからも五島のことを思っていきたいです。

五島で暮らす人々、誰一人取り残すことなく、しっかり守っていきたい。そういう気持ちで、しっかりと頑張ってまいります。

◆16番(草野久幸君) 私と同じ気持ちだと確認しました。

なぜこういうことになるのかというのは、政治の責任だと思うんです。後ほど他の自治体の例も挙げさせてもらいますが、長崎新聞の5月29日の記事に、「宇久で最期を迎えたくても」【要確認】という見出しの記事が載っていました。要するに、そこは特別養護老人ホームがなくなってしまい、最期には島を出なければならないという内容です。

多くの人にとって、島が「終の住処」とはなり得ないというような記事でした。もちろん、奈留では今、老人ホームをしっかり運営していただいております。しかし、入院病棟がなくなるというのは、やはり大きな不安であろうと思います。

これは、政治に関わる私たちの責任だと思います。今までの市長の答弁を聞いて、県や企業団に対して一緒に要望していくという方向で進めていきたいと思いますので、質問を続けます。

奈留医療センターをめぐるこれまでの経過

◆16番(草野久幸君) 奈留の病院について、五島市議会で私はこれまで何回も何回も質問してまいりました。

ここに、同僚である中西議員の協力を得て、これまでの私の一般質問の要約をまとめていただきました。そうしたら、なんと12ページになります。それだけ、奈留の病院には大きな歴史があります。

そのたびに企業団は説明をします。「サービスは低下しません」と言い続けてきました。しかし、これが現状です。ぜひとも今回の入院病棟の問題についても、私たちは市長と一緒になって、市民、島民の思いを貫いていきたいと思っているところであります。

奈留の病院については、先ほど市長にも少し触れていただきましたけれども、昭和17年に漁協組合の厚生病院【要確認】として開業したと言われております。その後、医療圏組合【要確認】に入り、52床のベッド数がありました。

平成20年には長崎県病院企業団が設立され、平成21年に企業団に奈留病院として入りました。その時が52床体制であったと思います。その後、平成26年に五島中央病院附属診療所奈留医療センターという形に変化してまいりました。

3月議会最終日に、市長の報告で、奈留医療センターの病棟について報告がありました。要するに、いろいろなことを考えて休止したいという報告だったと思います。

そこで、先ほども答えていただきましたけれども、休止をする大きな理由を改めて教えてください。

◆福祉保健部長 病院企業団によりますと、休止に至る理由として、大きく3つの課題が挙げられております。

第一に、深刻な経営状況の悪化です。現在、運営を支えております母体である五島中央病院は、過去最悪の赤字経営に陥っております。奈留医療センターへの支援額は累計で9億円を超えている状況です。このまま支援を継続すれば、地域医療の中核であります両病院の経営そのものが破綻しかねない、非常に厳しい状況にあるとのことです。

第二に、病床利用率の低迷です。人口減少の影響により、入院、外来ともに患者数が減り続けております。その結果、19床ある入院病床の利用率は、近年わずか2割程度にとどまっており、施設が本来の機能を十分に発揮できていない実態があります。

第三に、看護スタッフ確保の限界です。現在12名の看護師のうち、3分の1に当たる4名を派遣看護師に頼らざるを得ない状況です。加えて、看護師の過半数が60歳以上と高齢化が進んでおり、近い将来の退職も見込まれる中で、安全な入院管理体制を24時間維持し続けることは厳しいとの内容でございました。

休止による収支への影響

◆16番(草野久幸君) 理由として3つあるということですね。入院患者の減少、看護師不足、そして経営悪化ということです。

この中で一つ、休止することで奈留医療センターの収支がどのように変わると報告を受けているのか、お聞かせください。

◆福祉保健部長 令和7年度の決算に比べまして、入院病床を休止した場合と、そのまま休止せずに続けた場合では、収支に差が生じるとのことでございます。

1年目に690万円、2年目に900万円、3年目に1,100万円の差が生じる見込みと説明を受けております【要確認】。どちらも1年目に関してはマイナスの収支にはなりますが、差としてはその程度の緩和が見込まれるという推計が出ております。

これに関しましては、入院に関する費用、つまり入院の診療報酬は入ってくるものの、入院病床を維持するためには、看護師の人件費を含み、給食等も発生します。病床管理なども含めて計算しているようです。

◆16番(草野久幸君) 入院病床を持てば、ベッド数に対して交付税が入ってくると思います。その交付税は、その計算の中に入っていますか。

◆福祉保健部長 資料の中に、交付税の算定の枠はないのですけれども、医療費の収支を計算するに当たって、医療収入として見込んでいるものと推測しております【要確認】。

◆16番(草野久幸君) 私が聞くところでは、歳出の計算では、どれだけ少なくなるかという発表をしているようですが、歳入の部分に関して違うのではないかという思いがありますので、これは別の機会に確認していきたいと思います。

入院患者減少の要因について

◆16番(草野久幸君) 3つの理由があるということでした。そのうち、入院患者が少なくなったということです。

このことに関して、病院側はどのような努力をしてきたのか。入院患者が少なくなったのは、人口減少だけではないと思うんです。その要因をどのように考えているのか、お聞かせください。

◆福祉保健部長 まず、先ほどの数値について修正させていただきます。1年目にどれくらいの差が出るかというところで、6,900万円ではなく690万円、2年目も9,000万円ではなく900万円、3年目は1,100万円という差でございます。大変失礼いたしました。

入院患者数が少なくなってきていることについてお答えします。

人口減少の影響を見ますと、平成25年から令和7年までの間に、奈留の人口は35%ほど減少しております。外来に関しましては41%ほど減少しておりますので、おおむね人口減少に合わせて減少しているものと見込まれます。

一方、入院患者数の減少率に関しましては約75%ほど少なくなっておりますので、議員おっしゃるとおり、人口減少だけの影響ではないのではないかと推察されます。

長崎県の医療計画の中では、五島市内で医療機関にかかる患者が五島市外に流れている数値が示されております。外来に関しましては、約90%が五島市内の医療機関を受診している。入院に関しましては、約8割以内【要確認】の方が五島市内の入院医療機関を利用しているという数値が出ております。

そこから考えますと、奈留に特化した話ではありませんが、奈留医療センターではなく五島中央病院を利用されているということも推察されるのではないかと思います。

また、一部の大変重篤な患者、あるいはお子様たちが島外にいらっしゃる場合には、ご家族の方から、自分たちのところから病院に通ってほしいという意向もあり、島外の病院に入院しているという話も聞いております。

医療機関が入院患者数を増やす努力という点につきましては、こればかりは医療機関と入院病床によるものですので一概には言えませんが、医療機関の努力としては、例えばサービス向上委員会を通じてアンケートを取りながら改善点に努力しているという点が挙げられると思います。

◆16番(草野久幸君) 後ほど小値賀町などとの医療体制について触れさせていただきますが、人口は大きく変わらないんです。それでも入院病床をしっかり維持して、患者も確保しているということですから、やはり奈留にも何らかの問題点があるのではないかということを指摘させていただきます。

看護師不足への対応について

◆16番(草野久幸君) もう一つ、看護師不足ということですが、この看護師不足に関して、企業団もそうですが、五島市としてどのような努力をし、どのような支援をしてきたのか、お聞かせください。

◆福祉保健部長 看護師不足に関する五島市としての支援につきましては、五島市が病院企業団に負担金を入れております。その負担金の中に、看護師確保のための奨学金の部分などがあり、金銭的、経済的な面での支援となります。

また、看護師不足は奈留医療センターに限ったものではありませんが、市が用意しております住宅の活用【要確認】などにつきましても、奈留医療センターに特化せず利用できるようにしている部分が、市として支援している部分だと思います。

◆16番(草野久幸君) 五島中央病院も富江病院【要確認】も、看護師不足は同じ問題だと思います。しかし、今こうやって議論しているのは、入院病床がなくなる、奈留で最期を迎えることができないのではないかという心配がある、特別な場合だと思います。

介護の答弁でも、公平性があるから奈留だけに特化して云々という話があったと思います。しかし、私はそうではないと思うのです。今、助けるべきは、奈留のこの状況をどうするかです。

簡単に言えば、奈留の看護師だけでも報酬を五島市から少し援助してやるとか、私が考えられることはこれしかないのではないかと思いますが、いかがですか。

◆福祉保健部長 その検討を行ったことはございません。今後、検討に入るかどうかは、今後の協議次第になろうかと思います。

奈留医療センターの努力も当然分かっております。その上で、派遣看護師の上乗せ分相当につきましては、今年も負担金の中に計上しておりますので、その部分を考慮していただければと思っております。協議は今後進めたいと考えております。

◆16番(草野久幸君) 緊急事態です。ぜひそこを考えてほしい。研究してほしいということを要望いたします。

五島市議会の関与と決定権について

◆16番(草野久幸君) 少し質問を変えます。

奈留医療センターの病床休止に対して、五島市議会がどのように関与していくのか。発言権がどこにあるのか。そして議案として出てくるのかどうか、そのあたりの説明をお聞かせください。

◆福祉保健部長 五島市議会がどのように関与できるか、五島市がどのように関与できるかということについてお答えいたします。

市議会の議決を要する事項としましては、病院企業団の規約の変更があります。この規約の変更に係る事項のみとなっております。

今回の入院病床の休止につきましては、病院企業団の規約上の記載事項には該当しておりません。したがって、市議会の議決を要する議案とはなりません。

議会が直接的な決定権を有するものではございませんが、長崎県病院企業団議会議員として、市議会から議員が就任しておられます。また、地域医療構想調整会議や企業団の運営会議の場において、本市は重要な構成員としての立場を有しております。

したがいまして、議会や市民の切実な声を、これら公的な検討の場へ市の意見として確実に伝達することにより、実質的な政策決定のプロセスに関与し、地域の医療ニーズを反映させていくことが可能です。

◆16番(草野久幸君) つまり、規約改正だけが、この五島市議会の同意を得る必要があるということで、その他の部分に関してはないということでよろしいですね。

◆福祉保健部長 長崎県病院企業団には、規約というものと条例というものがございます。規約の改正の時だけが、市議会が関与できる部分であり、条例に関しては市議会としては関与できません。

ただし、先ほど申し上げましたように、構成員として市議会から選出されているということでも関係しておりますので、意見を申し上げられる立場にはございます。

◆16番(草野久幸君) 私も、2人の議員が外で頑張ってくれているというのは分かっております。しかし、少数の2人です。五島市の意見をそこで通せるのかどうかというのは、また別問題であろうと思います。

それでは、奈留医療センターの休止を最終的に決定するのは、どこの機関なのですか。

◆福祉保健部長 長崎県病院企業団になります。

ただ、市長の答弁にもございましたとおり、五島市としましては、奈留地区の住民の意見や要望をしっかり聞いていただくことを条件として申し入れておりますので、そこは強く意見を申し入れてまいりたいと思っております。

二次離島である奈留を同一基準で扱うことへの懸念

◆16番(草野久幸君) 奈留のここ10年ぐらいの病院改革をずっと見ていると、例えば新上五島町は有川病院に入院病床があり、奈良尾は無床になっています。対馬もそうです。一つの島の中に一つだけ入院病院を作るという考え方のように見えます。

その時に、今回の奈留病院を見た時、上五島も対馬も二次離島がなかったんです。同じように考えられているのではないかと思うので、私はこうやってしつこく質問しているんです。

奈留は船で渡る島です。有川、奈良尾は車で30分圏内です。対馬もそうです。そのような地域と同じような考えで再編がされているのではないかと心配されるんですが、そこはどうですか。

◆福祉保健部長 まず、長崎県があり方検討委員会というものを設けました。それが平成19年7月でございまして、同じ平成19年12月に総務省から公立病院改革ガイドラインが示されました。

それを受けまして、平成25年12月に長崎県地域医療再生計画というものを長崎県は作っております。

その中の記述について、少し手元の資料が多く、すぐに探し出せないのですけれども、確か、その中では医療圏をどのような形にするかという整理がなされておりまして、議員が紹介されました、一つの島に一つの医療というような考え方が記載されていたと記憶しております。

ただ、あり方検討委員会や長崎県の計画ではあるにせよ、当然ながら、地域の住民の意見は聞きながら進めるものと思われます。今から先も決定事項ではないということで、きちんと地域の住民の声は上げるべきだと考えております。

◆16番(草野久幸君) 今の答弁のように、奈留は二次離島であるということを、しっかり五島市も県や企業団に意見として言ってほしいと思います。

そして、今の状況が10年後、今、部長が答えたように一つの島に一つの病院、病棟とされれば、富江病院【要確認】もそうなるのではないかという心配があります。だからこそ、この段階でしっかり私たちの意思を示さなければならないと思います。

小値賀町・宇久地域との比較

◆16番(草野久幸君) 次に伺います。

先ほど、市長が言ったように、奈留の人口は2,000人を切っているということです。小値賀町は2,288人、そして宇久地域は1,645人です【要確認】。

小値賀町には8床の病床があります【要確認】。5月14日に電話して聞いたところ、現在5名の患者が入院しているということでした。宇久には17床あります【要確認】。

同じような人口規模で、なぜこのような格差が出てくるのか。これこそ私は政治力だと思うんです。

ここで小値賀町のことを少し話させていただきます。小値賀町は合併の時、住民投票をして、合併をしないということを町民が選択しました。そして今も、町としてこの診療所をしっかり守っているんです。

宇久は合併いたしました。しかし、佐世保市総合医療センター宇久診療所【要確認】がしっかり運営しております。

それを考えれば、合併して五島市になって、なぜ奈留を守れないのか。この3地区の病院だけを考えた時、人口は同じような規模です。市長はこのことに関して、どう思いますか。

◆市長(出口太君) ただいまの質問でございますけれども、正直申し上げて、ここまでは把握しておりませんでした。

小値賀、宇久、そして奈留、多少の違いはあるものの、人口で見ますと、同じような地域なのかなと思います。

ただ、その中にあって、私たちの五島市は、先ほど部長の答弁にもありましたけれども、五島地域ということで一つにくくられてしまっているのかなという思いもいたしたところです。

ただ、私たちは一つにくくられても困るわけです。なぜなら、有人島が複数ございます。それがそれぞれ、例えば橋などできちんとつながっていて、車で移動できるような状況ではありません。船で行き来するしかないわけです。

このことにつきましては、企業団の方とも、私も気持ちはお話ししております。これからもそのようなお話はしていかなければいけないと思います。

一方で、私たちは緊急搬送の船の準備も進めていきたいと思っているところであります。

先ほど部長も答弁いたしておりましたけれども、病院企業団には条例などを改正するための議会がございます。その中には、五島市議会からも2人の議員に参加していただいております。

それから、企業団の経営方針ですとか、いろいろな重要なことを決める場として、もう一つ運営会議というものもございます。この委員につきましては、関係市町の長も入ることになっておりまして、私もそのメンバーであります。

ですから、企業団議会の議員のお二方と私が、同じ方向を見て一緒にやっていかなければいけないわけです。そのためには、五島市と市議会が同じ方向を向いてやっていかなければいけないと、私は思っているところであります。

奈留の皆様の意見も踏まえながら、私たち、そして市議会がどうあるべきなのか、しっかり考えなければいけないと思っております。

◆16番(草野久幸君) 今の答弁をぜひ実行してほしいと思います。

合併という話を少ししました。五島市合併当時、私は奈留の議員さん、町会議員さんとお付き合いがあったので、奈留の中では、合併特例として一つの島に一町という選択肢もあったわけです。その話も聞きました。しかし、五島市は合併したわけです。

合併の弊害で、今回のように入院病棟がなくなるということは、絶対に避けなければならないと思います。周辺の自治体は、先ほど挙げたように、きちんと病院があり、入院病棟があります。

ぜひとも五島市議会としても、皆さんの力でこのことをしっかり共有して、「奈留で最期を迎えることができない」という高齢者の思い、その不安をどうにかして取り除きたいと考えております。

以上で、私の一般質問を終わります。

要点整理

今回の一般質問では、草野久幸議員から、奈留医療センターの入院病床休止について、人口減少を理由に島民の安心安全な生活が脅かされてはならないとの立場から質問が行われました。

市長は、奈留医療センターが奈留地区における唯一の有床医療機関として地域医療の核を担ってきたことを認め、令和9年4月からの入院病床休止という病院企業団の意向について、五島市としても重く受け止めていると答弁しました。その上で、住民の不安を最小限にとどめ、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、住民説明会や市議会の意見を踏まえ、病院企業団や関係機関と協議していく考えを示しました。

草野議員は、「奈留で生まれて、奈留で最期を迎えたい」という住民の切実な声を紹介し、市長として病床休止に反対する意思を県や病院企業団に示すべきではないかとただしました。市長は、まずは住民の意見をさらに聞き、市議会の意見も踏まえた上で対応を考えると答えました。

病床休止の理由について、福祉保健部長は、病院企業団の説明として、五島中央病院を含む経営状況の悪化、奈留医療センターの病床利用率の低迷、看護スタッフ確保の限界の3点を挙げました。また、休止した場合と継続した場合の収支差について、1年目690万円、2年目900万円、3年目1,100万円程度の差が見込まれるとの説明がありました【要確認】。

草野議員は、入院患者の減少は人口減少だけでは説明できないのではないかと指摘しました。福祉保健部長は、奈留の人口減少率や外来患者減少率に比べ、入院患者数の減少率が大きいことから、人口減少以外の要因も推察されると答弁しました。

看護師不足への対応について、福祉保健部長は、病院企業団への負担金の中で看護師確保のための奨学金等を支援していると説明しました。草野議員は、奈留の入院病床を守るためには、奈留医療センターの看護師に対する特別な支援も検討すべきではないかと提案しました。

五島市議会の関与について、福祉保健部長は、病院企業団の規約変更については市議会の議決対象となるが、今回の入院病床休止は規約上の記載事項に該当せず、市議会の議決を要する議案にはならないと説明しました。ただし、病院企業団議会、地域医療構想調整会議、企業団運営会議などを通じて、議会や市民の声を伝えることは可能であると答えました。

草野議員は、奈留は船で渡らなければならない二次離島であり、上五島や対馬のように車で移動できる地域と同じ基準で病院再編を考えるべきではないと指摘しました。市長も、五島市には複数の有人島があり、橋でつながっているわけではなく、船で行き来するしかないという特殊事情を企業団に伝えていく必要があると述べました。

最後に草野議員は、小値賀町や宇久地域との比較を示し、同規模の人口でも入院病床が維持されている地域があることを挙げ、合併したことによって奈留の入院病棟が失われるようなことは避けなければならないと訴えました。市長は、企業団議会の議員や市議会と同じ方向を向き、奈留の住民の意見を踏まえながら、五島市としてどうあるべきかを考えていくと答えました。