- 五島市と五島市民電力が脱炭素地域づくりに関する連携協定を締結
令和8年7月16日、五島市と五島市民電力株式会社は、「脱炭素地域づくり及び再生可能エネルギー電気の普及促進に関する連携協定」を締結しました。
この協定は、五島市が掲げる「2050年ゼロカーボンシティ」の実現に向け、再生可能エネルギー由来の電気の普及や、公共施設への導入、市民・事業者への啓発などについて、両者の連携を強化するものです。
協定締結者
- 五島市長 出口 太
- 五島市民電力株式会社 代表取締役社長 橋本 武敏
五島市民電力株式会社について
五島市民電力株式会社は、平成30年(2018年)5月に五島市で設立された地域新電力会社です。
五島が誇る豊かな自然や、洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギーを主要な電源として、五島産のクリーンな電力を地域の家庭や事業者に供給しています。
地域で発電された電気を地域で消費する「エネルギーの地産地消」を推進し、地域経済の活性化と脱炭素社会の実現に取り組んでいます。
市民や地元企業、団体など54者が出資する市民主体の会社であり、自治体からの出資を受けない民間企業として運営されています。
協定の目的
五島市は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」の実現を目指しています。
その実現に向けた計画では、2030年度までに二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量を50%削減することを目標としています。
また、家庭部門、業務部門及び産業部門における電力の再生可能エネルギー導入率を90%とする目標も掲げています。
五島市は、地域特性を生かした先行的な脱炭素化を進める国の「脱炭素先行地域」にも選定されています。
今回の協定では、これらの目標達成を一層加速させるため、五島市民電力株式会社との連携を強化し、五島市全体の脱炭素化を推進します。
公共施設で使用する電気の再生可能エネルギーへの切り替えを加速させるとともに、地域の実情に応じた再生可能エネルギー電気の普及を通じて、持続可能な地域社会の形成と地域経済の活性化を目指します。
協定に基づく主な取り組み
- 再生可能エネルギー電気の全量化を目指した取り組みと電源開発への努力
- 再生可能エネルギー電気に関する市民・事業者への情報提供及び啓発
- 公共施設等への再生可能エネルギー電気の計画的な導入及び切り替え
- 脱炭素に関する普及啓発、人材育成及び地域連携の推進
- 五島市民電力株式会社の取り組みに対する五島市からの環境整備及び支援
両者の役割
五島市民電力株式会社
- 再生可能エネルギー電気の全量化に向けた取り組み
- 再生可能エネルギー電源の開発に向けた努力
- 市民や事業者に対する情報提供及び啓発
- 五島市の脱炭素政策への協力
- 専門的な知見の提供や事業連携
五島市
- 脱炭素に関する普及啓発及び人材育成
- 公共施設への再生可能エネルギーの導入推進
- 五島市民電力株式会社の活動に必要な環境整備及び支援
協定期間は、協定締結の日から令和13年3月31日までの5年間です。
出口太市長の挨拶
出口太市長は、協定締結に当たり、次のように挨拶しました。
皆様、こんにちは。五島市長の出口太です。
脱炭素社会に向けた地域づくりを進め、再生可能エネルギー由来の電気をもっと広く普及させるため、本日、五島市民電力株式会社様と五島市との間で連携協定を締結しました。心からうれしく思います。
五島市民電力株式会社の橋本社長をはじめ、関係する皆様には、日頃から市の行政運営に御理解と御協力をいただいております。改めて感謝申し上げます。
五島市では、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする脱炭素社会に向けた取り組みを、強力に推し進めています。
また、2050年までにゼロカーボンシティを実現するという大きな目標を掲げています。2025年1月には、国から脱炭素先行地域の選定証をいただきました。
脱炭素社会を実現するためには、二酸化炭素を排出する化石燃料由来の電気ではなく、風力や太陽光など、自然の力を使って発電された再生可能エネルギー由来の電気を使用していく必要があります。
多くの皆様にその意義を理解していただき、再生可能エネルギー由来の電気を広く普及させたいと考えています。
五島で生まれた再生可能エネルギーの電気を、五島の家庭や事業所で消費する、エネルギーの地産地消を進め、将来的には「島まるごとカーボンニュートラル」を実現したいと考えています。
これまでも五島市民電力の皆様とは連携してきましたが、今回の協定をきっかけとして、さらに協力関係を深めてまいります。
五島市役所においても、既に市役所本庁舎、各支所、小中学校、公民館、給食センターなどで、再生可能エネルギー由来の電気を使用しています。
今後は、その他の公共施設についても導入を進めるとともに、県や国の施設に対しても再生可能エネルギー由来の電気を使用していただけるよう、働きかけてまいります。
五島市では、2016年に浮体式洋上風力発電施設「はえんかぜ」が運転を開始しました。また、今年1月には、同じ海域において8基からなる洋上風力発電所が運転を開始しました。
五島市は、これからも再生可能エネルギーをしっかりと推進してまいります。そして、浮体式洋上風力発電事業や、それに関連する産業が、五島市にさらに根付いていくことを期待しています。
五島市では、今後、人口減少がさらに厳しくなることが予想されています。そのような状況にあって、何もしないわけにはいきません。
五島の高校を卒業した子どもたちに、そのまま五島に残って働いてもらいたいと思っています。また、進学や就職で一度五島を離れたとしても、早い段階で五島に帰ってきてほしいと思います。
さらに、島での暮らしに憧れる全国の若者の皆様にも、五島市を選んでいただきたいと心から願っています。
そのためには、雇用の場が必要です。浮体式洋上風力発電事業や関連産業が、雇用の受け皿の一つとなり、一つでも二つでも新たな雇用が生まれることを期待しています。
これからも五島市民電力の皆様と協力し、五島市をしっかりと発展させてまいります。
結びに、五島市民電力株式会社が今後ますます発展されることと、本日御出席の皆様の御健勝を心からお祈り申し上げます。
令和8年7月16日
五島市長 出口 太
橋本武敏代表取締役社長の挨拶
続いて、五島市民電力株式会社の橋本武敏代表取締役社長が、次のように挨拶しました。
改めまして、五島市民電力株式会社の橋本でございます。
本日は、このような形で協定調印式を開催していただき、大変うれしく思っています。
五島市民電力は、一般的な地域新電力会社とは少し異なり、市民の出資によって設立された会社です。一般的にいう第三セクターとは異なり、自治体からの出資を受けていない会社です。
そのため、五島市の脱炭素政策に協力するに当たっては、今回のような協定を締結することで、公共性、公平性、透明性を確保することが必要であると考えています。
五島市民電力は、戸田建設株式会社による洋上風力発電施設の建設に当たり、五島市民にもその恩恵を享受していただきたいという思いから設立した会社です。
現在、五島の洋上風力発電施設は、世界に誇ることのできる設備となっています。私たち五島市民も、世界に誇ることのできる市民になるべきではないかと考え、五島市の関係者の皆様と協議を重ねてきました。
そのためには、五島市民一人一人が、再生可能エネルギーを自分自身の問題として捉え、自ら選択して使用するという行動に移すことが大切です。それが、世界に誇ることのできる市民の姿ではないかという結論に至り、今回の協定締結につながりました。
私たちは民間企業であり、利益を追求するという使命もあります。その中で、公共性、公平性及び透明性を確保しながら、五島市とともに脱炭素政策の実現を目指してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
再生可能エネルギーの地産地消を推進
今回の協定締結により、五島市と五島市民電力株式会社は、公共施設における再生可能エネルギー由来の電気への切り替えを進めるとともに、市民や事業者への情報提供、普及啓発、人材育成などについて連携して取り組みます。
五島で生み出された再生可能エネルギーを五島で使用する「エネルギーの地産地消」は、二酸化炭素の排出削減だけでなく、地域内での経済循環や新たな雇用の創出にもつながることが期待されます。
五島市が目指す「島まるごとカーボンニュートラル」の実現に向け、今後の具体的な取り組みが注目されます。
