令和8年度 五島市まち・ひと・しごと創生推進会議|人口減少、産業、観光、医療・介護、教育などを議論
7月29日の13時半~16時、令和8年度の「五島市まち・ひと・しごと創生推進会議」が開催され、第3期五島市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略に基づく令和7年度の取組状況や、各種KPIの達成状況について検証が行われました。
会議では、人口減少対策、若者のUターン、産業振興、観光、医療・介護、公共交通、出産・子育て、教育など、五島市が抱える幅広い課題について、委員から意見や提案が出されました。
本記事では、会議の主な議事内容、委員からの質疑、市側の回答、今後の方針を整理して紹介します。
会議の目的
本会議は、第3期五島市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略について、令和7年度の進捗状況を外部委員が検証し、今後の施策や予算編成に反映させることを目的としています。
会議では、数値目標やKPIの達成状況だけでなく、目標と実施事業との関係、未達成となった原因、社会情勢の変化を踏まえた指標の見直しなどについても意見交換が行われました。
市長挨拶|最大の課題は人口減少
市長からは、五島市にとって人口減少対策が最重要課題であるとの認識が示されました。
五島市の人口は速報値で約3万1,456人となり、直近5年間で約3,000人減少しています。今後、人口が3万人を下回る可能性も高まっており、出生数の減少や高齢化の進行に強い危機感が示されました。
特に重要な取組として、次の3点が挙げられました。
- 高校卒業後も五島市に残る若者を増やすこと
- 進学などで島外に出た若者の早期Uターンを促すこと
- 五島市に新たに移住するIターン者を確保すること
また、改正された有人国境離島法や国の地方創生施策を活用し、雇用、移住、子育てなどの取組を強化していく方針が示されました。
人口ビジョンの検証
若い世代の人口減少が大きな課題
年齢階層別の人口を分析した結果、15歳から19歳では、日本語学校の学生や外国人就労者などの影響もあり、一定の人口増加が見られました。
一方、20歳から24歳については、大学や専門学校への進学、就職などによる島外転出が多くなっています。
特に25歳から29歳の人口が目標を大きく下回っており、島外へ出た若者が十分にUターンしていないことが課題として示されました。
また、30歳代女性の人口減少は出生数にも直接影響するため、若い女性が五島市に住み続けられる環境づくりが必要とされました。
自然減と社会減への対応
五島市では、死亡数が出生数を上回る自然減に加え、転出者が転入者を上回る社会減も続いています。
市は今後、特に次の2点を重点課題として取り組む方針を示しました。
- 20歳代を中心とする若者のUターンを増やすこと
- 30歳代女性の転出を抑制すること
地区別・男女別の人口分析を求める意見
委員(中西)からは、地区別人口について単純な人数だけでなく、人口全体に占める割合や、男女別、年齢別の構成を示すべきとの意見がありました。
特に、婚活や子育て支援を検討するうえでは、地区ごとの結婚適齢期人口や男女比を把握し、地域別の課題を可視化することが必要との提案がありました。
市からは、国勢調査の確定値など、より詳細なデータが公表された段階で、地区別・年齢別の分析を進めたいとの回答がありました。
UターンとIターンを分けて分析すべき
委員からは、五島市出身者が戻るUターンと、市外出身者が移住するIターンでは、移住理由や定住率、必要な支援が異なるため、分けて分析すべきとの意見が出されました。
市の説明では、移住者全体の定着率はおおむね8割程度で、一般的にUターン者の方がIターン者より定着率が高い傾向があるとされました。
また、Uターンを決断する際の大きな要因は仕事であり、若者が戻ることのできる雇用の確保が重要との認識が示されました。
基本目標1|地域産業を育て、安定した雇用をつくる
雇用と所得の向上
産業振興分野では、雇用の創出、市民所得の向上、農林水産業の担い手確保、企業誘致などの取組状況が報告されました。
市は、地域内の事業者支援や新規就業者の確保に加え、地域資源を活用した付加価値の高い商品・サービスづくりを進める方針です。
農業・畜産業
農業分野では、新規就農者の確保、農業所得の向上、担い手への農地集積、畜産農家の規模拡大などが進められています。
若者に選ばれる畜産産地づくりに向け、繁殖雌牛の導入負担を軽減し、規模拡大や新規参入を支援する事業も実施されました。
水産業
水産業については、新規漁業就業者への支援だけでなく、既存の漁業者が事業を継続できる環境を整える必要があるとの意見がありました。
燃料費や資材費の高騰、人手不足、漁獲量の変化などにより、既存漁業者の経営も厳しくなっています。
委員からは、新規就業者数だけをKPIとするのではなく、現在の漁業者の所得や廃業件数、事業継続状況も確認すべきとの指摘がありました。
KPIと個別事業のつながりが分かりにくい
委員(中西)からは、基本目標に掲げる最終的な成果指標と、各KPI、個別事業のつながりが分かりにくいとの意見がありました。
例えば、所得向上という最終目標に対して、どの事業がどの程度寄与したのかを明確にしなければ、事業の効果を正確に評価できないとの指摘です。
市からは、最終指標は複数の事業の総合的な結果として設定しているとの説明がありました。
一方、委員長からも、政策、KPI、個別事業の関係がより分かりやすくなるよう、資料の示し方を工夫すべきとの意見がありました。
基本目標2|交流人口を拡大し、移住・定住を促進する
観光消費額と観光客数
観光分野では、観光消費額、観光入込客数、宿泊者数、平均宿泊日数、リピーター率などの達成状況が報告されました。
市は、体験型観光、スポーツ合宿、インバウンド、ワーケーション、デジタルノマドなど、新たな客層を取り込む事業を進めています。
観光ガイドが仕事として成り立つ環境を
委員からは、若い観光ガイドや体験事業者が、ガイド業だけで安定した収入を得ることが難しいとの意見がありました。
観光客数や体験参加者数を増やすだけでなく、観光事業者の所得や雇用の安定につながっているかを確認する必要があります。
滞在期間の延長だけでなく新規客の獲得を
市は、観光客の滞在期間を延ばし、観光消費額を高める取組を進めています。
一方、委員からは、現在訪れている観光客の滞在日数を延ばすだけでなく、五島をまだ訪れたことのない新規客を獲得することも重要との指摘がありました。
公式ホームページから予約までの導線改善
観光情報を発信するホームページについて、情報を見るだけで終わるのではなく、宿泊施設や体験プログラムの予約までスムーズにつながる仕組みが必要との意見が出されました。
情報発信の閲覧数だけでなく、実際の予約件数や観光消費額につながったかを検証する必要があります。
ふるさと納税と観光振興
委員からは、ふるさと納税を観光振興に一層活用すべきとの提案がありました。
市からは、近年のふるさと納税では、全国的に米や日用品などの生活必需品が選ばれる傾向が強まっており、地域産品だけで寄附額を伸ばすことが難しくなっているとの説明がありました。
今後は、五島市ならではの返礼品や体験型返礼品を開発し、デジタル媒体を活用した情報発信を強化する方針です。
UIターン施策
市は、40歳未満を中心とするUIターン者の確保に取り組んでいます。
委員からは、UターンとIターンでは必要な支援が異なるため、実績や定着率を分けて示し、施策を設計すべきとの意見が改めて示されました。
基本目標3|安心・安全な魅力ある島をつくる
地域コミュニティの維持・活性化
地域コミュニティ維持・活性化プロジェクトでは、達成したKPIは1項目、未達成は5項目と報告されました。
地区座談会などの話合いの場を設けたことや、地区間の情報共有を進めたことにより、新たな地域課題の解決に向けた取組件数は増加しました。
今後は、次の取組を継続する方針です。
- 地域住民による課題解決の支援
- 地域おこし協力隊の定着支援
- 五島日本語学校の継続的な運営支援
- 地区内・地区間の情報共有
- 地域活動の担い手確保
健康で長く暮らせる環境づくり
健康・医療・介護分野では、達成したKPIが9項目、未達成が8項目と説明されました。
モバイルクリニック
通院が困難な高齢者等のうち、病状が安定している患者について、医療機関の協力を得ながら、モバイルクリニックを活用した受診への移行を進めます。
調剤情報システム
調剤情報システムの利用促進に向け、調剤薬局の窓口などで利用者からの同意取得を継続します。
地域ミニデイサービス
生活支援コーディネーターと連携し、地域ミニデイサービスを運営する新規団体の立ち上げを支援します。
障害者基幹相談支援センター
相談員を増員し、障害のある人や家族が安心して相談できる体制を強化します。
住みやすいと感じる市民の割合が低下
市民アンケートでは、「住みやすい」「どちらかといえば住みやすい」と回答した市民の割合が66.7%となりました。
地区別では、奈留地区において「住みにくい」「どちらかといえば住みにくい」とする回答が比較的多い結果となりました。
市は、買物、交通、医療などの生活利便性が影響している可能性があると分析しています。
委員長からは、交通や生活環境だけでなく、物価高騰などの外部要因も影響しているのではないかとの指摘がありました。
介護サービスの維持に関する議論
介護事業者の経営環境が急速に悪化
介護事業者の委員から、介護サービスを取り巻く経営環境が非常に厳しくなっているとの意見がありました。
特に奈留島など人口規模の小さい地域では、介護サービスそのものを維持できるかどうかという段階に来ている事業者もあります。
二次離島では、入所施設がなくなったことで、住み慣れた島で生活を続けられず、佐世保市など島外の施設へ移らざるを得ない事例もあると報告されました。
介護サービス維持を測るKPIが必要
現在のKPIでは、「介護サービスを地域に維持する」という視点が弱いため、より具体的な指標を設定すべきとの提案がありました。
市の回答
市からは、KPIは一度設定したら5年間変更できないものではなく、社会情勢に応じて変更できるとの回答がありました。
具体的には、次の対応が可能と説明されました。
- 目標値の上方修正・下方修正
- 新たな指標の追加
- 不要となった指標の削除
- 指標そのものの見直し
介護に関するKPIについても、担当課と協議し、委員の意見を踏まえて検討する方針です。
人口減少社会への「ソフトランディング」
保健・医療分野の委員からは、人口減少、高齢化、医療・介護従事者の減少を前提とした地域づくりが必要との意見がありました。
単純に「現在のサービスを維持する」「人を増やす」という目標だけではなく、人口構造に合ったサービスへ段階的に移行する必要があります。
住民、行政、医療・介護関係者が将来の見通しを共有し、急激なサービス変更による混乱を避けながら、新たな仕組みに移行する「ソフトランディング」の視点が提案されました。
交通・インフラ整備
航路利用者は前年を上回る
基幹航路および二次離島航路の利用者数は、全体で前年比約105%となりました。
空路は福岡線が増加、長崎線が減少
福岡路線の利用者は増加傾向にあり、前年度を上回りました。
一方、長崎路線の利用者は減少し、空路全体では前年度を下回りました。
陸上交通の担い手不足
陸上交通については、利用者減少による運賃収入の低下、運転手の高齢化、担い手不足などにより、事業環境が厳しくなっています。
市は、利用者の利便性向上と交通手段の維持・確保につながる地域公共交通の在り方を調査・検討します。
航空便の欠航対策を求める意見
委員(中西)からは、航空便の欠航が続けば、観光客の満足度やリピーター率にも悪影響を与えるとの指摘がありました。
航空事業者に対して補助を行っている以上、事業者任せにせず、市として就航率の改善を強く求めるべきとの意見です。
市の回答
市からは、欠航には天候によるものと機材等によるものがあり、機材等に起因する欠航については、航空事業者に説明を求め、改善を働きかけているとの回答がありました。
ゼロカーボン・再生可能エネルギー
ゼロカーボンプロジェクトでは、未達成または取組継続中の項目が中心となりました。
公共施設等における再生可能エネルギー電力への切替実績については、令和8年8月頃に令和7年度実績が判明する予定です。
市は今後、住民への情報提供や啓発活動を強化し、省エネ行動や再生可能エネルギー設備の導入を促進する方針です。
基本目標4|人を育て、輝く学びの島をつくる
出生数が目標を大きく下回る
基本目標4では、出生数と教育環境満足度を数値目標として設定しています。
出生数は目標を大きく下回り、減少傾向が続いています。出生数の減少は、将来の人口ビジョンにも大きな影響を与えると説明されました。
教育環境満足度は目標には届かなかったものの、目標値に近い水準となりました。
結婚・出産・子育て支援
結婚・出産・子育て支援プロジェクトでは、達成したKPIが3項目、未達成が5項目と報告されました。
今後も「めぐりあい交流促進事業」などを通じ、独身男女の出会いの場を設け、婚姻数や出生数の増加につなげる方針です。
また、助産師等と連携し、妊娠期から出産、子育てまで切れ目のない支援を行います。
分娩体制の将来を見据えた対策を
委員(中西)からは、出生数が減り続ければ、将来的に五島市内の分娩体制を維持できなくなる可能性があるとの指摘がありました。
新上五島町で分娩休止が現実の問題となっていることを踏まえ、五島市においても「明日は我が身」と捉え、早い段階から準備すべきとの意見です。
教育・ふるさと教育
不登校支援と英語教育
教育の島づくりプロジェクトでは、達成したKPIが4項目、未達成が7項目と説明されました。
不登校支援については、別室登校を行う児童生徒の状況を把握し、公民館等へ指導員を派遣できないか検討します。
英語教育については、小中学校が連携し、児童生徒の英語に対する苦手意識を減らし、理解度と学力の向上につなげます。
小中高が連携したふるさと教育を
高校関係者からは、五島高校で実施している「バラモンプラン」などの探究活動を、小学校、中学校、高校が連携して進めるべきとの提案がありました。
子どもたちが地域課題を学び、市内の団体や事業者と関わることで、将来的なUターンにもつながる可能性があります。
市教育委員会からは、ふるさと活性化貢献支援事業を通じ、小中学校や希望する高校への支援を行っているとの説明がありました。
島外へ進学する若者とのつながりを維持する
委員からは、中学校や高校を卒業して島外へ出る前に、市公式LINEなどへ登録してもらい、卒業後も五島市の情報を届ける仕組みをつくるべきとの提案がありました。
市教育委員会からは、島外へ出る生徒への継続的な情報発信は重要な課題であり、関係各課と連携して検討するとの回答がありました。
専門学校進学者への奨学金支援
看護師、介護職、保育士など、市内で不足する専門職を確保するため、専門学校に進学する生徒への支援を強化すべきとの意見がありました。
市の奨学金制度には給付型と貸与型があり、一定の資格取得を目的とする専門学校も貸与型の対象となっています。
ただし、成績要件や所得要件があり、すべての生徒が利用できる制度ではありません。
市からは、医療人材等の確保という政策目的も踏まえ、制度の在り方を検討しているとの説明がありました。
総合戦略全体のKPI評価
令和7年度の総合戦略に設定された数値目標・KPIの評価は、次のように報告されました。
- A評価:約44%
- B評価:約24%
- C評価:約30%
- その他・評価未確定等:約2%
A評価の割合が最も高いものの、全体の半数には届いていません。
市は、今回の結果を踏まえて改善策を検討し、令和9年度のアクションプラン作成や令和9年度予算編成に反映する方針です。
新しい地方経済・生活環境創生交付金の効果検証
令和7年度は、新しい地方経済・生活環境創生交付金を約9,700万円活用し、8つの事業が実施されました。
交付金を活用した事業は、外部有識者等による効果検証が必要となるため、本会議で評価が行われました。
主な対象事業
- 交流人口の拡大と地域のにぎわい創出
- 地域課題解決人材の確保
- 若者に選ばれる畜産産地づくり
- 新たな観光客層の獲得
- UIターン促進と情報発信
- 脱炭素推進
- 多様化する旅行需要への対応
- デジタルノマド・ワーケーション推進
交流人口拡大・地域のにぎわい創出
観光客の誘客、体験型観光、スポーツ合宿誘致等に取り組み、観光消費額が目標の約9割に達したことなどから、「地方創生に相当程度効果があった」と評価されました。
地域課題解決人材の確保
地域の担い手確保や基幹産業への就業促進、移動販売等の地域課題解決に取り組み、「地方創生に相当程度効果があった」と評価されました。
若者に選ばれる畜産産地づくり
畜産農家の規模拡大や新規参入支援に取り組み、目標の約8割を達成したことから、「地方創生に相当程度効果があった」と評価されました。
新たな観光客層の獲得
インバウンド受入環境の整備等を実施し、外国人観光客数などが目標の約8割から9割に達したことから、「地方創生に効果があった」と評価されました。
UIターン促進・情報発信
40歳未満を中心とするUIターン者の確保を目指し、複数の指標で目標を達成したことから、「地方創生に相当程度効果があった」と評価されました。
脱炭素推進
再生可能エネルギー産業の推進、地域内経済循環、雇用創出を目指した事業で、一部指標を除いて目標を達成したことから、「地方創生に非常に効果があった」と評価されました。
多様化する旅行需要への対応
地域資源の高付加価値化や観光コンテンツの整備を進め、各指標がおおむね目標の9割程度に達したことから、「地方創生に相当程度効果があった」と評価されました。
デジタルノマド・ワーケーション
受入事務局を設置し、モニターツアー等を行った結果、2つの指標で目標を達成し、「地方創生に非常に効果的であった」と評価されました。
過疎地域持続的発展計画の評価
過疎地域持続的発展計画は、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に基づく計画で、令和3年度から令和7年度までを対象期間としていました。
計画に位置付けられた事業では、過疎対策事業債を活用できます。元利償還金の一部が地方交付税措置されるため、市の実質的な負担を抑えて事業を実施できる制度です。
人口目標
人口については、減少が想定以上に進んだため、目標を達成できませんでした。
財政目標
次の財政指標については、目標を達成しました。
- 財政調整基金残高
- 経常収支比率
- 実質公債費比率
Uターンに特化した施策を求める意見
第3期総合戦略では、UターンとIターンを以前より明確に分け、次の方向性を掲げています。
- 20歳代・30歳代の早い時期でのUターン促進
- 20歳代から40歳代を中心としたIターン促進
市からは、UターンとIターンを分けて施策を進める考えが示されました。
一方、委員からは、議会でもUターンに特化した支援を求める意見が多いとして、他自治体の先進事例を参考に、より強い支援策を打ち出すべきとの提案がありました。
会議運営の改善を求める意見
委員(中西)からは、会議で扱う分野が多く、限られた時間の中では各テーマを十分に議論できないとの意見がありました。
委員は、医療、介護、教育、観光、産業など、それぞれ異なる専門性を持っています。大人数の全体会議だけでは、専門的な意見を十分に引き出すことが難しいとの指摘です。
改善案として、次のような方法が提案されました。
- 分野別の部会を設ける
- 少人数のグループ討議を行う
委員長からは、時間の制約により議論を深められなかった面があり、今後の会議運営について改善を検討したいとの考えが示されました。
答申の取りまとめ
市長から総合戦略の効果検証について諮問が行われており、委員から答申時期について質問がありました。
市からは、今回の会議で出された意見を事務局で集約し、委員に内容を共有したうえで、追加意見等を反映し、令和8年8月末頃を目途に答申を取りまとめるとの説明がありました。
答申の最終的な取りまとめは、委員長に一任する方向です。
会議を通じて明らかになった主な課題
人口・移住
- 20歳代のUターン不足
- 30歳代女性の人口減少
- 出生数の減少
- UターンとIターンを分けた施策設計
- 島外進学者との継続的なつながり
産業・雇用
- 農林水産業の担い手不足
- 既存事業者への継続支援
- 事業と所得向上との関係の明確化
観光
- 新規観光客の獲得
- 観光ガイドや体験事業者の所得向上
- ホームページから予約までの導線改善
- 航空便欠航による観光への影響
- ふるさと納税との連携
医療・介護
- 介護事業者の経営悪化
- 小規模地域でのサービス維持
- 医療・介護人材の不足
- 現状に合ったKPIへの見直し
- 人口減少に対応したサービス体制の再構築
交通
- 航空便の欠航
- 長崎路線利用者の減少
- 公共交通運転手の高齢化と不足
- 二次離島の移動手段の確保
出産・子育て
- 出生数の急減
- 将来の分娩体制への懸念
- 産婦人科医・助産師の確保
- 離島自治体と県による広域連携
教育・人材還流
- 小中高のふるさと教育の連携
- 専門学校進学者への支援
- 看護・介護等の専門人材確保
- 若者への継続的な就職・Uターン情報発信
まとめ
今回の会議では、人口減少対策を中心に、産業、観光、医療・介護、交通、出産、教育など、五島市の将来に関わる幅広い課題が議論されました。
特に重要なのは、単に人口や利用者数を増やすことを目標とするのではなく、人口減少や担い手不足が続くことを前提に、行政サービスや地域の仕組みを再構築する視点です。
介護や公共交通などでは、現在のサービスをそのまま維持することが難しい地域も出始めています。住民に将来の見通しを示しながら、急激な変化を避けて段階的に新たな仕組みへ移行する「ソフトランディング」が必要です。
また、若者のUターンについては、移住支援金だけでなく、小中高段階のふるさと教育、島外進学後の情報発信、就職、住宅、奨学金返還支援などを一体的に進めることが求められます。
今後の答申や令和9年度の予算編成では、特に次の事項を具体化する必要があります。
- 20歳代・30歳代のUターン促進策
- 30歳代女性の転出抑制
- 医療・介護サービス維持に関するKPIの見直し
- 人口減少社会へのソフトランディング方針
- 航空・航路の欠航改善に向けた市の関与強化
- 出生数減少と分娩体制維持への広域的対応
- 小中高を通じたふるさと教育の強化
- 島外進学者との継続的な情報接点の構築
- 専門職人材を確保する奨学金・帰島支援
- KPI、個別事業、最終的な政策効果の関係の明確化
- 未達成KPIの原因分析
- 分野別会議や少人数協議による議論の充実
会議で出された意見が答申や今後の事業にどのように反映されるのか、引き続き確認していく必要があります。
