五島市議会は正式な議事録が出るまでに時間がかかります。
そのためAIで議事メモを作成しています。必ずしも正式な議事録ではありませんのでご理解ください。
目次
第三者委員会の報告書及び不正行為事案の総括
◆12番(荒尾正登君) 第三者委員会の報告書及び不正行為事案の総括について質問いたします。第三者委員会の設置については、昨年9月議会の補正予算で913万円が予算化されたもので、平成25年及び平成29年の不正行為事案に対する調査報告書であります。私は補正予算審議時にも、すでに10年以上経過している事案に対して、当時裁判中である中、なぜこのタイミングで業務委託するのか、また913万円もの予算をもって調査をする必要があるのか質疑いたしました。
設置については「裁判が終わってから設置する」、必要性については「専門的な知見を持つ外部機関に託し、外部の方に公正中立的な立場から検証していただく」という答弁でありました。今回の報告書では、調査対象事案の調査分析、そして再発防止策の提言が行われ、平成25年と平成29年の事案発覚及び顛末が時系列に整理されておりました。また、職員へのアンケートやヒアリングの結果を受けて、第三者委員会として再発防止策を提言し、本件事案の報告書が提出されたということになります。
そこで、この報告書を受けて、今後五島市としてどのように実践していくのか、職員一人一人の倫理意識、コンプライアンス意識の向上、そして管理職への教育の徹底にどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
第三者委員会報告書を受けた再発防止策
◆市長 第三者委員会の報告書及び不正行為事案についてお答えいたします。平成25年と平成29年に発生しました元職員による不正行為等につきまして、第三者による客観的な調査を実施し、市が策定する再発防止策に向けた提言を受けるため、五島市元職員による不正行為等に関する第三者委員会を設置し、その後、報告書を受け取ったところでございます。
報告書の中では、事件の発生要因として、コンプライアンスに関する当事者意識の欠如、そして業務実態に合わせた個別ルール体制の未整備の2つを挙げていただいております。現在、五島市としての再発防止策の策定を進めているところでございますが、管理職研修の実施、同じような案件がないかの調査、外部相談窓口の周知などを考えております。職員への意識向上として、すでに導入しております内部統制に関する評価項目の追加なども考えているところであります。
なお、管理職研修につきましては、倫理やマネジメント、組織管理に関する研修も含め、体系的かつ継続的に実施してまいります。第三者委員会の報告書の内容を真摯に受け止め、すぐに対応できるものから実施に移してまいります。そして二度とこのような重大な事案が発生しないよう、きちんと再発防止策を取ってまいります。
報告書の意義と新たな指摘
◆12番(荒尾正登君) 私はこの報告書を何度も読み返しました。率直な感想として、第三者委員会から報告書を受け取るまでもなく、ごく当然のことが記載されていると感じました。コンプライアンスに関する職員の意識改革、法令遵守に関する定期的な調査の実施、公益通報制度の見直しなど、当然のことであり、目を引く調査項目は見当たりませんでした。
そこで、五島市として、この報告書のどこが参考になったのか、現在取り組んでいること以外の新しい指摘があったのか、第三者委員会に業務委託してよかったと思うところはどこなのか、お答えください。
◆市長 報告書で参考になったところについてお答えいたします。まず、本件事案の発生要因として、内部調査では特定できなかったようなことを明確にしていただいたことが挙げられます。例えば、個人の資質を背景に発生した他人事という意識があり、組織的な対応が必要な問題であるとの認識が低かったこと、それから上席者が職員の訪問業務の実態を適切に把握・管理できていなかったことなどが挙げられております。
また、実際に訪問業務を行っていた職員の現場の声を聞くこともできました。例えば、本件事案について市からの説明がなかったという現場の声がありました。さらに、専門的な立場から訪問業務に関するルールづくりの提言をいただいたことも参考になりました。例えば、支援対象者宅への単独訪問を避けるべき場合の基準、訪問記録に最低限含むべき記載内容、提出期限などが盛り込まれており、大変参考になりました。
現在取り組んでいるもの以外に新しい指摘があったのかという点につきましては、職員に対する研修について、コンプライアンス研修だけでなく、自浄作用が働く組織づくりのため、管理職を対象としたマネジメントや組織管理に関する研修を実施すること、また令和6年度に設置した公益通報制度の外部相談窓口について、これまで通報件数が0件であり、十分かつ有効に機能していない可能性もあることから、通報しにくい要因があるのか、周知状況などについても調査を行うこと、訪問業務に関するルールを整備していなかった部署が一部存在したことから、訪問業務に関する個別ルールを整備・強化することなどを新たにご指摘いただいております。
第三者委員会に委託してよかったと考える点につきましては、公正中立の観点から事案の原因調査と再発防止策の提言をいただくことが目的であり、調査をしていただいて本当によかったと思っております。内部調査だけではどうしても甘えが生じ、限界があるのではないかと感じておりました。そうした中で、厳しいご指摘も多くいただきました。
報告書の中では、本来であれば、第三者委員会の報告を待たずとも、市が原因を調査し、再発防止策を取る必要があったこと、事案の内容について職員に十分に説明されていないこと、コンプライアンスに関する研修だけでなく、倫理やマネジメントに関する研修を行うこと、公益通報制度が十分かつ有効に機能していない可能性があることなど、厳しいご指摘をいただいたところでございます。
これまでの研修成果と責任の取り方
◆12番(荒尾正登君) ただいま答弁をいただきましたが、私の中では想定内の報告書であったと思っております。私は、この問題について、市民に対して「第三者委員会にも調査委託した」という裏付け、お墨付きが欲しかったのではないかという気がいたしました。現在、私たちの周りには生成AIが生活の一部として入り込んでおります。不正行為に関する再発防止策は、生成AIを活用すれば、第三者委員会の報告を受けずとも、同様の防止策が答えとして作成できたのではないかと感じました。
五島市も事件発生を受けて、すでに何度となくコンプライアンスに関する研修を実施しております。この報告書にも、令和3年度以降5回にわたり研修を実施したとあり、さらに職員全員を対象とした内部統制研修を令和6年に実施しております。その成果が機能しているからこそ、事件発生から今日まで、10年以上、裁判になるような大きな不正行為は起きておりません。これまで取り組んできた再発防止策が十分に職員に浸透していると私は理解するのですが、いかがでしょうか。
◆総務企画部長 平成29年事案の発覚後、令和3年度以降、職員全員を対象としたコンプライアンス研修等を行ってございます。現時点までにおいて、同様の重大な事案は発生しておらず、その研修の成果については一定の成果が出ているものと判断しております。今回の第三者委員会の報告書でのご指摘も踏まえまして、引き続き職員研修を実施し、再発防止に取り組んでまいります。
◆副市長 部長が答弁したとおり、一定程度の成果はあると考えております。ただ、議会提出前の予算要求資料の内容が外部へ漏えいし、SNS上で掲載されるという、公務員としてあってはならない失態を犯してしまっている現実もございます。研修をしたからといって、こうしたものが必ずなくなるわけではないということも、今、学んでいるところでございます。
◆12番(荒尾正登君) 報告書の終わりに「本件事案の事実を整理した報告書は存在するものの、五島市として要因を分析し、その内容を踏まえて再発防止を検討した資料は確認できなかった。本来であれば、第三者委員会の調査報告を待たずとも、事業者として事案に対する原因を調査して、市長へ報告し、市長が再発防止策を検討するべきである」とあります。
しかし、令和3年6月議会の市長報告で、当時の市長は「今後このような不祥事が二度と起きないよう、全職員を対象とした服務倫理研修の実施や、不祥事防止のための行動指針の作成、法令違反通報に係る外部相談窓口の設置など再発防止策を講じ、市民の皆様への信頼回復に努めてまいります」と、公の場で約束しております。その方針を受けて、コンプライアンスに関する研修も実施してきたと思います。
一方、17日の全員協議会では、本件事案では五島市主体での不正要因の調査分析、再発防止策の検討が行われてこなかったと報告されました。第三者委員会の報告書の信憑性が問われてくることになります。事実関係を明らかにしてください。
◆総務企画部長 平成29年事案の発覚後、副市長の給料の減額という形で対応し、当時の市長が職員に対してメッセージを出し、合わせて再発防止の取り組み方針を示したということでございます。議員ご指摘のとおり、それを受けまして各種研修を行ってまいりました。
一方で、平成29年の事案の捜査等の過程で平成25年の事案が発覚いたしました。平成25年の事案につきましては、4600万円程度の損害を発生させてしまっている事案ですが、このことについては、先ほど申し上げた取り組み方針には反映できておらず、さらに大きな事案が発生したということで、改めて対応しなければならないということになりました。今回の第三者委員会の調査では、その前段として裁判に係る調査、ヒアリングを行い、それを受けて第三者による調査結果を提出し、第三者委員会でしっかり検討していただき、要因分析と再発防止策の案を提出していただいたという流れでございます。
◆12番(荒尾正登君) 私が言っているのは、当時、再発防止策はすでにやっている。ところが第三者委員会では「やっていない」という報告書が出てきたという点を指摘しているんです。議会初日の市長報告でも、事案が発生した当時、市では原因調査や再発防止を検討せず、職員に対しても事実関係の説明がなく、文書で綱紀粛正を求めるだけでしたと言われましたが、常識的に考えて、このような大きな事件に対して行政組織として何もしなかったということはあり得ないでしょう。
私は昨年9月議会で、第三者委員会設置の業務委託費を含む補正予算に賛成しました。それは、その補正予算が他の事業の予算も含んでいたこと、そして五島市として初めての第三者委員会設置に対して、どのような報告書になるのか、新たな事実や要因が分かるのではないか、さらにこの事案の責任の所在が第三者的な立場で明確になるのではないかと期待したからであります。しかし、事案の経緯、再発防止の提言は記載があるものの、責任の所在までは触れられておりませんでした。
そこでお伺いします。一連の事案に対して裁判が終結し、第三者委員会の報告書も提出されました。これをもって、この不正行為事案の終結宣言がなされるものと思いますが、その総括と合わせて、誰がどのような責任を取るのか、考えておられると思いますのでお答えください。
◆市長 まず、元職員が在職中に2度の事件を起こしてしまったということを重く受け止めております。最初に発覚した事件の直後に綱紀粛正を求める文書があったり、そうしたことはあったかと思いますけれども、その後、2つ目が発覚したわけであります。在職中に立て続けに2度の事件を起こしたことを重く受け止め、私たちは第三者の意見を聞きながら再発防止を進めていかなければならないと判断しました。
また、創政会をはじめ、議員の皆様からも「きちんとやりなさい」というお話があったところでございます。私たちは、そうした声にきちんと耳を傾けたということであります。この2つの事件のうち、平成25年の事案につきましては、2月3日に解決金として5800万円をお支払いしたところであります。二度と同じような事件を繰り返さない、起こさないということが、私たちが今一番やらなければならないことだと考えております。
誰がいいとか悪いとか、良かったとか悪かったとか、そういうことではなく、組織として二度と同じことを犯さないよう、再発防止をきちんと取っていくことが、私たちが最大限、一番やらなければならないことだと考えております。そして、まだこの話が終わっているわけではありません。5800万円を支払って終わったというわけではなく、元職員に対して求償も求めていかなければならないと思っております。請求に向けて、今しっかり準備をし、交渉しているところであります。再発防止策もまだまとまっているわけではありません。職員一丸となって再発防止策を取り、それを実行に移していきたいと考えております。
◆12番(荒尾正登君) ただいまの市長の答弁では、責任の所在が明確になっておりません。私が質問したのは、今回の事案に対して誰がどのような責任を取るのかということです。質問と答弁がかみ合っておりません。この問題は前市長の時に発生したことで、すでに解決済みなので責任は取らないというお考えならば、そのようにはっきりと答弁してください。
◆市長 繰り返しの答弁になりますが、今回の事案を受けまして、私たちがやらなければならないことは、二度と同じことを繰り返さないこと、過去の過ちや失敗に何を学ぶかということを職員全員が今一度重く受け止め、同様の事案を繰り返さないことをきちんとやっていくことだと思っております。責任の所在ということでありますけれども、以前にもこの議会で答弁をさせていただいたことがあるかと思います。大変残念ではありますけれども、この事件発生当時の五島市におきましては、使用者責任があったのだと認めざるを得ないと思っているところであります。
◆12番(荒尾正登君) なかなか質問に答えていただけないという思いです。今の答弁では、社会通念上、責任を取ったということにはならないと思っております。私は当然、今期会に責任の所在を明確にした何らかの議案が上程されるものと思っておりましたが、何もありませんでした。もはや驚きとしか言いようがありません。
組織というものは、何か事が発生すると、その調査を行い、最終的には関係者も含めて責任の所在を明確にするものであります。世の中の常識であります。例えば県内の自治体において、雲仙市がふるさと納税の不正が露呈した時にどのような責任を取ったのか、あるいは南島原市がサテライトオフィスの問題が発生した時にどのような責任を取ったのか、お答えください。
◆総務企画部長 雲仙市では、ふるさと納税問題に第三者委員会が設置され、当時業務にあたっていた職員4人を処分したほか、市長と副市長の給与を減額したと聞いております。また南島原市では、サテライトオフィスに関する第三者委員会が設置され、市長の給与を減額したほか、当時の副市長が辞職されたと聞いております。
◆12番(荒尾正登君) 今の答弁のとおりでございます。雲仙市は市長の報酬50%減、副市長の報酬30%減の1年間。南島原市は市長の報酬50%減、副市長は辞任をしております。どの自治体でも、事が一区切りした時には、すぐに責任を明確に打ち出しております。もっと言うならば、長崎市長は厳しい財政状況下での新年度当初予算編成になったことを踏まえて、特別職6人の給料を1年間減額しました。それだけ市長というのは常に責任を背負っているということであります。
再度、責任の取り方についてのお考えをお聞かせください。合わせて、この不正行為事案に対して、令和3年6月議会で当時の市長の報酬を50%、3か月分、副市長の報酬を30%、3か月分減額しております。今回は裁判結果として解決金を支払っております。そのような多くの支出が発生した状況の中で、誰がどこまで責任の対象となるのか、お聞かせください。
◆市長 雲仙市、南島原市の事例について、そのようなことがあったのは事実でございます。ただ、一つ大きな違いがございます。雲仙市と南島原市の問題が発生した時の市長がどなたであったか、よく踏まえていただきたいと思います。私が申し上げたいのは、今いる私たち、今ここで仕事をしている私自身も含めて職員は、二度と起こさないということをきちんとしていくことの方が大事だと思っております。
私たちは過去の過ち、失敗から学ばなければならないと思っております。そして二度とこのようなことはしないという思いと決意、覚悟で今やっているところであります。雲仙市や南島原市の状況がそのまま当てはまるとは思っておりません。はっきり申し上げますが、私ども現体制の皆さんは、一生懸命、真面目に、真っすぐ仕事をやっております。私もそうです。副市長もそうです。すべての部長、課長、全職員がそうです。私は、この体制の中で今いる職員、私たちも含めて責任を取ってもらうということは全く考えておりません。
◆12番(荒尾正登君) 市長の考えはよく分かりました。すでに申し上げたように、この問題は前首長の問題であり、自分はその時の市長ではないので責任はないというお考えのように、私は受け取りました。ただし、今回はその延長で、裁判の結果として多額の支出を市長の判断で支出しているわけですので、その点については当然責任があると思っております。市長には行政のしきたりが分からないところもあると思います。そこで副市長にお伺いします。副市長は事務方のトップであります。当然、これまでも行政の不祥事に対する責任の取り方を見てきたと思いますが、今回の件に関して副市長はどのような見解をお持ちでしょうか。
◆副市長 私も職員時代に、同僚や先輩方の不祥事に対して、当時の幹部職員の責任の取り方を見てきました。今回については、裁判所から命令をいただいてお金を支出したということは置いておいて、この事案に我々がどう立ち向かうのか、どう向き合うのかがまず重要だと思っています。風化させない、思い出にさせないということです。戦争でも震災でも災害でもそうだと思いますが、二度とこういったことを起こさないことです。
私も、この事件を起こした職員の同僚、先輩から話を聞きました。保健師という尊い立場で仕事をしていたにもかかわらず、同僚がそういったことをしたことによって、保健師という仕事が傷つけられた、あるいは市の職員や後輩たちに申し訳ないという言葉も聞きました。私としては、この事案をすべての職員において、これからも風化させることなく伝えていくことが、私たちの責任の取り方だと思っています。
第三者委員会の費用と市民説明
◆12番(荒尾正登君) 責任を取るということは、言葉だけではなく、形に表れなければその思いが伝わってまいりません。今回の元職員による不正行為の裁判において、令和8年1月13日に相手方と解決金5800万円を支払うことで和解が成立し、五島市はすでに支払いを終えております。私は今回の支出は、解決金5800万円だけではなく、第三者委員会への業務委託金913万円を含んだ6713万円だと思っております。
近年、全国的に問題が発生すると第三者委員会に委託して調査をするようになっておりますけれども、五島市の場合、10数年前の事案とはいえ、913万円の業務委託費になっております。最初この金額を見た時に、こんなにもかかるものなのかと驚きました。先ほどの雲仙市、南島原市も不正に対して第三者委員会を設置して調査をしておりますが、それぞれの経費がいくらだったのかお伺いします。
◆総務企画部長 雲仙市、南島原市の第三者委員会は、市で条例を制定し、市の附属機関として設置しております。本市が委託した第三者委員会とは形態が異なります。そのため、雲仙市及び南島原市の第三者委員会は、委員に対する報酬は定められておりますが、委託費という形での支払いはない状況でございます。
◆12番(荒尾正登君) 今の答弁では、五島市とは形態が違うということなのでしょうが、それでも第三者委員会に調査を依頼していることには間違いありません。私の調べでは、雲仙市が委員4人の報酬など設置費用が52万円、南島原市は委員への報酬が日当1万5000円で、現在90万円程度になっているようでございます。それに対して五島市は完全委託で913万円。あまりにも桁が違いすぎます。そして、今回の報告書が913万円の価値があるとはなかなか思えません。
なぜ五島市は膨大に高い外部委託方式を選択したのか理解できません。そしてもう一つ理解できない点は、913万円を要した第三者委員会の開催がたった3回しか開催されておらず、それもすべてオンライン会議であるということです。雲仙市は対面で9回開催、南島原市はまだ継続中ですが、これまで20回開催しております。五島市の委託金が定額ならまだ理解できますが、はるかに高い委託金で報告書を作成してきたこと、そして開催のあり方に疑問は持ちませんでしたか。
◆総務企画部長 今回の第三者委員会につきましては、外部機関に対しまして事務局機能を委託し、委員3名を選任していただいて実施しております。内容につきましては、私どもから提出した資料等をひもといていただき、結果を出していただいておりますので、適正に行われたものと考えております。
◆12番(荒尾正登君) 別に五島市でも事務局を持ってもよかったはずです。どう考えてもおかしいでしょう。私は、今回の第三者委員会が、たった3回のオンライン会議での調査で、どこまで事の真相を追求できたのか疑問であります。委託費用についても、南島原市の方式を採用するなら、委員3人の日当1万5000円の3回分、単純計算で13万5000円という数字にもなっていくわけです。これは参考ではありますが、今回の開催のあり方に913万円を支出したことに、市民は納得しないと思います。市民の税金です。費用対効果に照らし合わせ、最少の経費で最大の成果を上げることが市の取るべき姿ではないでしょうか。
しかしながら、大金をかけての第三者委員会の報告ですから、今後、市民がその成果を感じなければなりません。市民への説明をどのような形で考えられておりますか。
◆総務企画部長 報告書の内容及び策定中の再発防止策につきましては、今後、市民の皆様を対象に説明会を実施する予定としております。開催については、準備が整い次第、ホームページなどでお知らせしたいと考えております。
◆12番(荒尾正登君) 準備ができ次第、説明会を開催するという答弁をいただきました。私は全天候型こどもの遊び場計画の時も住民説明会の開催を訴えましたが、聞き入れてもらえませんでした。今回も同じかと思いましたが、説明会を設けるということでございますので、一刻も早い開催をお願いしたいと思います。この913万円が無駄な支出、高額だと市民から批判を受けないように、コンプライアンスに関してのルール等を徹底して、今後二度と第三者委員会を設置することがないよう要望いたします。
五島イノベーションセンターの概要及び進捗
◆12番(荒尾正登君) 次の質問に移ります。五島イノベーションセンターの概要及び進捗についてお伺いします。現在、本市において、福岡ソノリクを事業主体とした五島イノベーションセンター構想が進められております。この事業は、農産物の集出荷、選別、長期保存などの機能を備えた施設を整備し、五島市の一次産業を総合的にブランド化するプロジェクトであると認識しております。
また、さつまいもを中心とした産地形成や農業物流の効率化、雇用創出、移住定住促進までを視野に入れた地域活性化拠点として、大きな期待が寄せられております。そこで、現在計画されている五島イノベーションセンターの具体的な施設の規模や導入する機能、また市としてこの施設にどのような役割を期待しているのか、その概要を伺います。
◆市長 五島イノベーションセンターについてお答えいたします。この施設は、佐賀県鳥栖市の物流会社であります株式会社福岡ソノリク様が事業主体となっております。この会社は、今年2月には福島県富岡町で野菜や果物の物流センターを開設している会社であります。
この事業は、五島市の農業振興に寄与する新たな物流拠点として整備されるものであります。さつまいもをはじめとする農産物の産地化や物流の安定化、さらには雇用創出による人材確保など、民間活力を最大限に生かした取り組みが進められるよう、五島市といたしましても必要な支援や連携を図ってまいります。こうした取り組みを通じまして、五島市が目指しております「儲かる農業」をしっかり実現していきたいと考えております。
◆12番(荒尾正登君) 大変大きな計画であります。これだけのプロジェクトになれば、当然、五島市と言わず行政も何らかの形で携わってくると思いますが、国、県、市の支援内容、財政的な支出があるのかどうかお答えください。
◆産業振興部長 五島イノベーションセンターの整備に際しましては、国の補助事業を獲得する予定でございます。現在、事業主体が申請の準備に取り組んでいるところであり、国や県と協議・検討を進めているところでございます。
◆12番(荒尾正登君) 農業政策の一環で、建物に関しては補助を受けると思いますが、それ以外にも制度的な面で、県、市を問わず、様々な支援をすることになっていくと思います。この事業に対して、なかなか公の情報が伝わってこなかったので、インターネットで検索いたしました。それによると、令和5年10月4日、関係機関の共催でキックオフ会が開催され、市長も出席したところでございます。もちろん関係機関だけではなく、行政も議会も参加しており、報道でも取り上げられました。それによれば、令和8年に供用開始の予定になっておりました。
令和8年は今年であります。ところが建設予定地の周辺を見ても、造成中の形跡はあるものの、建物の形さえ見えません。多少の遅れは考えられても、すでに大幅な遅れが目に見えて分かります。現在までの進捗状況をどのように認識しておりますか。そして、その遅れている原因は何なのかお答えください。
◆産業振興部長 五島イノベーションセンターにつきましては、当初、令和8年中の供用開始を目標として進められてまいりましたが、現時点におきまして、用地の造成工事が進行中であり、当初の計画から遅れが生じている状況にあります。
事業主体によりますと、遅延の主な要因は、施設の建設に伴う各種開発許可等の手続きに時間を要したこと、また農産物の物流拠点として最適な施設規模や機能を確保するため、関係機関との詳細な調整に時間を要していることなどであると伺っております。本施設は本市の農業振興に不可欠な拠点であると考えておりますので、供用開始に向けて引き続き事業者や関係機関と連携してまいります。
◆12番(荒尾正登君) 遅れの原因は色々あると思いますが、それは計画段階で五島市の現状を踏まえれば、規模やタイムスケジュールは分かり得たことだと思います。現場の状況を見る限り、キックオフはしたものの、施設の計画そのものが大丈夫なのか不安を抱かざるを得ません。この施設は特にさつまいもに重点を置いた流通拠点になると思いますが、それに向けてすでにJAと栽培契約を結び、令和8年には2000トンの芋づくりを目指すとなっております。生産、収穫の進捗状況をお答えください。
◆産業振興部長 さつまいもの生産につきましては、令和4年度に事業主体である株式会社福岡ソノリクとJAごとうが連携し、JAごとう契約甘藷部会を設立してまいりました。また、生産体制のさらなる強化を図るため、令和7年3月に同社とJAごとうが共同で農事組合法人【要確認】を設立し、令和8年のさつまいもの作付けを開始したところです。直近の令和7年度収穫量は237トンで、生産拡大の現状といたしましては、部会農家において主業である既存作物との作業調整に時間を要しているという実情もございますが、本年度におきましては580トンを見込んでおります。市といたしましても、引き続き関係機関と連携し、さつまいもの産地化を推進してまいります。
◆12番(荒尾正登君) 令和7年度は237トン、令和8年度の今年の計画でも580トンということでございますが、当初の計画である令和8年2000トンからすれば、あまりにも違いすぎ、過大計画ではなかったかという気がします。数字だけ見ても本当に大丈夫なのか、今後の計画に不安を抱かざるを得ません。もちろん地域振興や農業活性化の起爆剤として期待を寄せていることは言うまでもありませんが、あまりにも規模が大きいため、そして事業の遅れを垣間見ると、民間企業である以上、将来的な経営状況の変化によっては縮小や撤退の可能性も浮上してくるのではないかと心配いたします。仮に撤退という状況に追い込まれた時、様々な影響が予想されますが、最悪のシナリオとして撤退ということも考えられますか。
◆市長 五島イノベーションセンターの建設につきましては、現在、事業主体において、将来にわたる安定的な運営を見据えた施設規模の適正化など、計画の精査が進められていると伺っております。これは事業の持続可能性をより確かなものにするための前向きな見直しであると認識しております。
先日、事業主体の方とお話をする機会がございました。五島をさつまいもの産地にして、五島を元気にしたい、一緒に頑張りましょうという気持ち、意気込みは以前お話しした時と全く変わっておりませんでした。新しい雇用の場になると私も期待しておりますし、特に地元の高校生の就職先の一つになればいいなと期待しております。
この事業は、もともと2023年10月、令和5年10月に、多くの方のご支援をいただきながら始まったものです。野口前市長であったり、JAの組合長であったり、多くの方が携わっているものです。私は縮小や撤退ということはないと思っておりますが、事業規模は変わるかもしれません。いずれにしましても、このイノベーションセンターの支援は本当に大切なものであります。引き続き進捗状況を注意深く見ていきたいと思っております。そして事業主体や関係機関と一体となって、この事業の成功に向けて取り組んでいかなければならないと思っております。
◆12番(荒尾正登君) 私も今、市長が答弁された気持ちは同じでございます。キックオフ会もやりました。今さら撤退してもらっては困りますし、撤退することもないとは思いますが、当初の計画から見直しをしている以上、不安がよぎるわけでございます。次に、これだけ大きい施設であれば経済効果も大きいと考えられますが、市はどのような地域経済効果を見込んでおられますか。
◆市長 この五島イノベーションセンターが稼働することによりまして、まず農産物の長期貯蔵や、年間を通じた安定的な出荷ができるようになります。加工を通じた農家所得の増大も期待されるところであります。さらに新たな販路の拡大による収益の獲得、また新たな物流拠点が生まれることによる雇用の創出と移住の促進など、多くの面で経済効果があるのではないかと期待しております。今後、事業の進捗に合わせてこうした効果を最大限に引き出し、地域経済の活性化につなげられるよう、事業主体及び関係機関の皆様としっかり連携してまいります。儲かる農業を必ず実現したいと考えております。
◆12番(荒尾正登君) 経済効果は多岐にわたってくると思いますが、特に期待を寄せたいのは地元雇用であります。おそらく何十人単位の雇用が発生することになると思いますので、少しでも早い供用開始を望むものでございます。次に、施設整備に伴う交通量の増加や周辺環境への影響、そして事業関係者や生産者との連携にはどのように対応しているかお尋ねします。
◆産業振興部長 本事業の推進にあたりましては、地域住民や関係機関との円滑な連携が不可欠であると認識しております。今後、詳細な建設計画などが具体化する段階において、必要に応じて事業主体に対し、交通安全対策の策定や近隣施設を含む関係機関への丁寧な説明、適切な調整を行うよう求めてまいります。また、生産者との連携については、さつまいもの生産拡大に向けて、事業主体やJAごとう等の関係機関と連携してまいります。
◆12番(荒尾正登君) 本事業は敷地約2万7000平方メートル内に整備し、2032年には約160ヘクタール規模まで拡大目標がある大変大きな事業でございます。まさに五島市の生産、流通形態を根底から覆す事業であり、五島をさつまいもの一大産地にする構想であります。民間事業だから市は推移を見守るというスタンスではなく、五島農業の将来を左右するプロジェクトだという認識で、強力な支援体制を強く要望いたします。
五島市南沖洋上風力発電計画
◆12番(荒尾正登君) 次の質問に移ります。五島市南沖洋上風力発電の計画についてお伺いします。今年1月から五島市沖で進められていた日本初の本格的な商用浮体式洋上風力発電機が運転開始されました。2.1メガワット風車を8機、総出力16.8メガワット、一般家庭約1万8000世帯分相当の発電能力だと言われております。この事業がもたらす経済効果は計り知れないものがあると思います。
新たなニュースとして、昨年10月、経済産業省と国土交通省は五島市南沖を準備区域に整理いたしました。これは促進区域指定に向けての第一歩だと思いますが、すでに運転開始している五島市沖との関係、そして今後の見通し、スケジュールがどのようになるのかお伺いします。
◆市長 まず、南沖の事業と五島市沖の事業との関係についてお答えします。五島市南沖の事業は、今年1月に商業運転を始めました五島市沖の事業とは別物でございます。2月に石破首相や環境大臣が出席してオープニング式典を行った事業とは別のものになります。五島市南沖の海域を想定しているのが、この五島市南沖の事業ということになります。
昨年度、国から準備区域に整理されたこの南沖の海域でございますが、今後、事業の絞り込みを行う有望区域を経まして、最終的に事業実施の促進区域へと進む仕組みとなっております。現在は準備区域から次の有望区域への指定に向けて、関係者の皆様との丁寧な調整を進めているところでございます。
今後の見通しとしましては、国の関係省庁である経済産業省と国土交通省との協議、さらに学識経験者による第三者委員会の評価を踏まえまして、この海域を有望区域として整理・公表する流れになります。その上で、再エネ海域利用法に基づき法定協議会を設置し、海域調査の実施や漁業への影響の回避、低減策について協議を行い、それらの結果を踏まえて国が促進区域を指定するという手続きが想定されます。現時点で有望区域の指定の具体的な時期を申し上げることはできませんが、国の進捗に合わせまして、私どもしっかり対応してまいります。
◆12番(荒尾正登君) 今の答弁では、準備区域に指定されたものの計画初期段階であり、クリアしなければならないハードルがまだまだたくさんあるということだと理解しました。この南沖のイメージとして、あえて比較すれば、現在稼働している五島市沖は、風車1機2メガワット級、つまり小規模実証から商用化へ移った国内初の浮体式モデルであります。しかし、今や世界の主流は風車の大型化が進んでおります。
洋上風力発電の一般的なコスト水準を踏まえると、仮に中規模の開発が実現した場合、今の五島市沖の規模とは比較にならないほど大きな事業になる可能性が考えられます。そこで、市として、この五島市南沖の洋上風力について、五島市沖よりもはるかに大きい投資ポテンシャルを持った事業と認識しているのかお答えください。
◆市長 南沖での発電事業計画につきましては、規模や海域の広さからして、五島市の将来の産業基盤となり得る大規模な事業となる可能性があることは、五島市としても十分に認識しております。地域社会や漁業に与える影響の大きさを重く受け止め、指定に向けた準備の段階から、法律に基づく手続きを一つ一つ着実に、かつ慎重に進める必要があると考えております。
◆12番(荒尾正登君) この五島市南沖は、今後大きな可能性を秘めた海域になっていくと思われます。五島市にはすでに促進区域である五島市沖が存在し、今年1月から運転を開始しております。これに加えて南沖が整備された場合、五島市が国の進める再生可能エネルギーの拠点モデルになることは間違いありません。
洋上風力発電は、五島市沖でも分かるように、風車建設だけでなく運転保守でも長期的な経済効果を生み出します。特に五島市沖を超える大きな規模の事業となれば、膨大な経済効果が想定されますが、市としてこの南沖の開発による経済効果について、どのようなことが考えられるのかお答えください。
◆市長 南沖の洋上風力事業が実現すれば、建設や保守に伴い地元企業が多く参加することになります。そして、専門技術を要する新規雇用の創出も期待されます。関係者の宿泊や飲食など、地域産業の活性化も期待されるところであります。加えまして、発電拠点としての視察を受け入れ、関係者の長期滞在による交流人口の拡大、さらには税収の確保、地域共生基金を通じた福祉分野や漁業振興への還元など、地域経済全体に大きな好循環をもたらす事業になるものと思っております。
こうした経済効果は、海域を利用する市内外の漁業者の皆様のご理解と、安心して海域を利用できる環境があって初めて実現するものであります。この南沖の事業が、皆様のこれまでの営みを損なうことなく、真に地域を豊かにするものとなるよう、今後も誠意を持って関係者の皆様と丁寧な対応を積み重ねてまいります。
◆12番(荒尾正登君) あらゆる分野において大きな経済効果を生み出す一方で、南沖は現在準備区域にとどまっており、まだ具体的な事業化のスケジュールは不透明でございます。規模が大きいだけに、事業の推進が長期化すれば、そのまま想定される地域経済効果の損失につながっていきます。五島市として、その機会を逃さないためにも、少しでも早い事業推進に努めなければならないと思います。そこで、有望区域、促進区域へのステップを後押しするために、五島市として何ができるのか、市の取るべきスタンスをお答えください。
◆市長 これからの五島市の将来を考えますと、この南沖の洋上風力発電は何としても実現したいと考えております。ここにいる市議会の皆様も、市も全員が同じ思いであると思っております。ただ、この計画が長期化することにより、事業が地域にもたらす経済波及効果も先送りされることになります。一方で、拙速な進め方により漁業者との信頼関係が損なわれるようなことがあると、事業そのものがどうなるのかという不安にもつながります。そうなると、市にとって大きな痛手となってしまいます。
そのため、今は時間をかけて丁寧に関係する方々と対応することが必要だと思っております。納得できる関係を築かなければいけません。丁寧な対話、きちんとした関係を構築していくことが、結果として最も安定した事業の展開につながるものと判断しております。市といたしましては、単なる仲介役にとどまるのではなく、客観的な調査や具体的な共生策を先導する主体的な役割も率先して担わなければならないと思っております。そして、国と私どもの間の架け橋となれるよう努めてまいります。
◆12番(荒尾正登君) 漁業関係者との合意形成は大変重要であり、慎重に進めなければならないことは十分理解しておりますが、五島市としてこのような大きなチャンスを見逃すことはできないと思います。そして、この海域を占用する事業で忘れてはならないのが地元漁業者の理解と協力です。五島市沖が国のモデルとして実証事業を含めスムーズに事業展開できたのも、地元漁業者あってのことだと思っております。五島市南沖の準備区域整理について、地元関係漁協には当然コンタクトを取っていると思いますが、その理解と反応はいかがでしょうか。
◆市長 五島市南沖の洋上風力発電事業について、地元漁協の皆様がどう思っているかということについてお答えいたします。五島ふくえ漁協、五島漁協、奈留町漁協など、これまで南沖の計画に対しまして、本当にご理解とご協力をいただいております。有望区域に向けた提案にも同意をいただいております。この場をお借りしまして、深く感謝を申し上げたいと思います。
また、この事業の推進にあたりましては、漁業者の皆様、長崎県のご理解とご支援に加えまして、地元の県議会議員にも多岐にわたりご理解とご尽力、ご協力をいただいているところであります。今後も関係する漁業者の方の声に丁寧に耳を傾け、どのような対策や共生の道があるのか、誠意を持って共有してまいります。
私たちは、この海に浮かぶ浮体式洋上風力発電を、単に回して発電するものとは思っておりません。この先の未来をどう描いていくかということに力を入れていきたいと思っております。再生可能エネルギーを使って、海水から水素を作ることができないか、その水素を使ってトラックや車、島と島の間を行き来する船にも水素燃料を使うことができないかと考えております。すぐにできるとは思っておりませんが、私たちがこれからどういう未来をこの地に残せるのか、しっかり考えていきたいと思っております。
◆12番(荒尾正登君) 市長の思いは伺いました。五島市南沖の洋上風力発電は準備区域であり、現時点で確定的な事業規模はないものの、五島市沖をはるかにしのぐ大型事業になることには間違いありません。五島市沖と五島市南沖が連動することで、単発的な発電事業ではなく、海域全体を基盤とした、日本でも珍しい連続型の浮体式洋上風力モデル地域になるわけであります。計り知れない経済効果を秘めた大型事業がすでに動き出しております。ぜひこの機会を逃すことなく、関係者との合意形成のもと、五島市南沖の商用運転実現に向けて、官民一体となって積極的に取り組んでほしいと強く要望いたします。
宿泊税の検討
◆12番(荒尾正登君) 最後の質問をさせていただきます。宿泊税の検討について質問いたします。五島市において、観光は重要産業であり、観光振興は地域経済、雇用、交流人口拡大に大きく寄与しております。実際に五島市の観光客入り込み数は、令和6年には20万384人となり、過去最高だった令和元年の25万2657人には及ばないものの、コロナ禍を経て一定の回復の兆しを見せております。また、宿泊施設数についても、令和元年の88施設から令和6年には128施設へと増加しております。
しかしながら、五島市への観光需要が高まれば、それに合わせるように観光インフラの維持に大きな財政負担を抱えていくことになると思います。今後、人口減少が進む中で、市民負担だけで観光振興財源を確保し続けることは限界があるのではないでしょうか。そのような中、全国では宿泊税を導入し、観光振興財源を確保する自治体が増えております。私は五島市においても、将来的な導入の可能性を含めた検討を始めるべき時期に来ていると考えておりますが、市として宿泊税導入について現在どのような認識を持っておられるのかお伺いいたします。
◆市長 宿泊税につきましてお答えいたします。宿泊税は、ホテルや旅館などに宿泊された方が地方自治体に納める法定外目的税と位置付けられております。観光インフラの整備や地域の魅力向上、混雑緩和をはじめとした住民生活との調和を図るための財源として、重要な選択肢の一つになるのではないかと認識しております。
◆12番(荒尾正登君) 財源として重要な選択肢の一つということでございますが、この質問は議会初日にも出口議員が質問いたしました。昨年9月議会の一般質問でも取り上げられましたが、その時は「旅行代金を少しでも安くしたい。今後、長崎県の動向や導入した自治体の影響を注意深く見守りたい」という慎重な答弁でありました。
しかし、すでに進行中の五島市観光振興計画の中に、持続可能な観光振興として、この宿泊税を財源の一つの方法として検討するようになっております。もう3年目です。振興計画の最終年の令和11年には検討済みと記載されております。間に合いますか。当時の部長は「まだ検討していないが、内部でそのタイミングを測っていく」と答弁しました。おそらくもうそろそろ動き出していると思っていたのですが、進捗状況をお答えください。
◆地域振興部長 長崎県においても、現在、新たな観光振興財源の導入について継続的に審議がされております。県をはじめ、県内市町の観光や社会経済情勢のほか、観光事業者の動向を踏まえて、現在も注視しているところでございます。
◆12番(荒尾正登君) 県の動向ということなのでしょうけれども、先ほど申し上げたように、観光振興計画にしっかりと宿泊税検討と記載されております。何もしない計画書ならば、その信憑性が問われてくると思います。この宿泊税導入は今や全国的な動きでもあると思いますが、初日の出口議員の質問で、すでに県内でも長崎市が導入しており、雲仙市が来年、令和9年導入予定ということが分かりました。それぞれが新たな観光振興財源確保のために動き出しております。
導入を検討するにあたっては、シミュレーションが当然必要になってまいります。出口議員が仮の数字を出しましたけれども、正確な数字として、最新データで一律200円とした場合の試算結果をお答えください。
◆地域振興部長 令和6年の延べ宿泊客数の実績に基づき、宿泊税を1泊あたり200円と仮定した場合、単純計算では延べ宿泊客数22万1837人に200円を乗じた4436万7400円となります。
◆12番(荒尾正登君) 今の答弁で分かるように、財源が厳しい五島市にとって非常に大きな観光財源になり得るのではないでしょうか。この金額を一般財源から捻出するのは容易ではありません。だからこそ宿泊税の検討が重要になってくると思っております。
五島市は宿泊税を観光財源の選択肢の一つと位置付けておりますが、にもかかわらず、現時点での五島市の動きは大変慎重でございます。そこで、観光需要が高まる現状において、観光インフラにかかる財源を五島市として今後どのように捻出していこうと考えているかお答えください。
◆地域振興部長 観光に係る財源につきましては、国や県からの補助金、交付金をはじめ、五島市公共施設整備基金のほか、過疎対策事業債などの地方債、また一般財源などを活用するようにしております。
◆12番(荒尾正登君) 宿泊税についてはメリット、デメリット、それぞれあるでしょう。私はこの場ですぐに導入すべきと断定しているわけではございません。まずは五島市にこの宿泊税が本当に必要なのか、必要ないのか、それを協議する宿泊税検討委員会を立ち上げるべきだと思っておりますが、市長の見解をお伺いします。
◆市長 宿泊税の導入の可否などについて検討する委員会を立ち上げたらどうかというご質問でした。現在、五島市観光協会と市役所の文化観光課におきまして、意見交換を4月から定期的に開催しているところであります。これは宿泊税に限った話ではなく、様々な観光施策について、官民が連携した新たな観光施策の議論を始めているところであります。この中で宿泊税の導入につきましても、自主財源を確保するための手段として、今後研究させたいと考えております。
出口議員の質問の時にもお答えしましたが、この宿泊税につきましては、長崎県の市長会の中でも議論したことがございます。令和7年8月に島原市で行われました市長会議でも議論になりました。すでに長崎市で導入されていることはご指摘のとおりであります。県の方も県の観光審議会の中で検討されていると伺っております。
宮城県の例では、宮城県と仙台市の2つが宿泊税を導入しております。仙台市以外の自治体では300円が県税として導入されております。仙台市につきましては、県税部分が100円、仙台市の市税部分が200円ということになっております。県と市町でそれぞれ導入すると宿泊税が高くなり、長崎に行くことが敬遠されるのではないかという思いもございます。導入する場合には、もし県が導入するのであれば、その配分をどうするのかなど、様々なことを考えていかなければならないと思っております。
まだ正直に申しますと、県との間でそのようなことを話している状況ではございません。いずれにしましても、まずは観光協会と文化観光課の間で様々な意見交換をしておりますので、そういった場を通じて、宿泊税の導入につきまして研究していただこうと思っております。
◆12番(荒尾正登君) 導入するには時間がかかるということを念頭に置いて検討しなければなりません。先ほども申し上げましたが、五島市観光振興計画の中に財源確保の一つとして宿泊税を検討すると明記しておりますので、すぐにでも行動を起こしてください。宿泊税検討委員会の早急な立ち上げを要望いたしまして、質問を終わります。
要点整理
◆第三者委員会の報告書及び不正行為事案の総括について 市は、報告書で示された発生要因として、コンプライアンスに関する当事者意識の欠如と、訪問業務に関する個別ルール体制の未整備を挙げ、管理職研修、類似案件調査、外部相談窓口の周知、内部統制の評価項目追加などを再発防止策として進めると答弁した。荒尾議員は、報告書の内容や913万円の委託費、責任の所在、市民説明のあり方を問題視し、市は市民説明会を実施する予定だと答弁した。
◆五島イノベーションセンターについて 市は、株式会社福岡ソノリクを事業主体とする新たな農産物流通拠点として、さつまいもの産地化、物流安定化、雇用創出などに期待を示した。供用開始は当初計画から遅れており、造成工事や各種許可手続き、施設規模の調整に時間を要していると説明した。令和7年度のさつまいも収穫量は237トン、本年度見込みは580トンとされ、荒尾議員は当初計画との差を指摘した。
◆五島市南沖洋上風力発電計画について 市は、五島市南沖は既存の五島市沖洋上風力発電とは別事業であり、準備区域から有望区域、促進区域へ進む手続きの初期段階にあると説明した。市長は、大規模な産業基盤となる可能性を認識しつつ、漁業者との信頼関係を重視し、丁寧な調整と国との橋渡しを進める考えを示した。
◆宿泊税の検討について 市は、宿泊税を観光インフラ整備や地域の魅力向上などの財源として重要な選択肢の一つと認識していると答弁した。令和6年の延べ宿泊客数22万1837人に一律200円を課す場合、単純計算で4436万7400円の税収見込みとなる。荒尾議員は、観光振興計画に明記された宿泊税検討を進めるため、宿泊税検討委員会の早急な立ち上げを要望した。
