新上五島町で議会選挙があり改選となりました。
長崎県は、全国の中でも地方議会の女性比率が低い事で知られています。
全国47都道府県ごとに地方議会の女性議員の割合を調べたところ、長崎県は9・1%で全国ワースト1位だったことが朝日新聞のアンケート
https://www.asahi.com/articles/ASR4372TFR39TOLB004.html
今回の選挙を通じて、新上五島町は14議席中女性4人で女性議員立28.5%、県内では長与の5人に続いて県内2位になりました。
選挙の一つの争点でもあった議会の透明化や、有権者との接点の作り方、両者に共通する議会改革の進め方について紹介します。
議会の透明化に関する五島市と新上五島町の比較
五島市 | 新上五島町 | |||
公開項目 | 本会議 | 委員会 | 本会議 | 委員会 |
ネットサイト | ○ | × | × | × |
ケーブルテレビ | ○ | × | × | × |
YouTube | × | × | × | × |
公開議事録 | 2か月程度 | × | 2か月程度? | × |
リアルタイム中継について
リアルタイムな中継としては、ネットサイト・ケーブルテレビ・YouTubeという方法が主にあります。五島市では本会議のみが中継されていますが、私は臨時議会や委員会についても中継すべきと考えています。
が、まだまだ道半ばです。
更に五島市では、ネットやケーブルテレビに「字幕を表示してほしい」という要望があります。字幕は障がいのある方や、高齢者にとっても親切です。
昨今、AI音声認識の精度は急速に向上していますし、多少の誤字はやむを得ないとしても、検討に値する改善項目です。さらに、YouTubeを活用する事で、文字起こしや字幕表示、再生時間を指定してシェアできる「ディープリンク」という機能が使えます。
議会の1人当たりの質問時間は長いと1時間近くと長いため、有権者が自分の興味のある質問テーマだけ見たいときは、ディープリンク機能が大変有効です。参考動画はこちらです。
公開議事録について
こちらの課題としては
- 公開されるのが遅すぎる
- 自治体間で使い勝手に差が大きい
という点があります。
公開が遅すぎる
私はかねてから、公開の遅さが大きな情報共有の課題だと思っていました。文字データは時間がない人にとって大変助かるのですが、何しろ公開が遅いため、情報の鮮度が落ちます。食材だったら完全にアウトなレベルで公開されるまでにタイムラグがあります。
私は多少の誤字があったとしても、議事録の公開をスピーディーにすべきだと考えています。そのため、個人的なメモではありますが、本会議や委員会の中身のメモを公開しています。
他の委員会の質疑内容が今だにブラックボックスであるという点に、課題を感じています。
自治体間で使い勝手に差が大きい
五島市の場合はこちらのシステムを導入していますが、私は過去の議会議事録の検索をするときに大変役立っています。検索機能が充実しているからです。
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/goto/SpTop.html
他の自治体の議事録を検索する際にも、同じシステムを導入していると嬉しいです。一方で、新上五島町のようにPDF形式だと検索が非常に面倒です。こちらも検索システムの導入をした方が良いと考えます。
有権者と議会との意見交換会
私も以前、広報委員会の視察に行った後に「議会主体の意見交換会」を提案しましたが、「各会派でやればいいんじゃないの?」と一蹴されて賛同を得られませんでした。
消極的な理由としては、
・議員が支援者以外から批判的な意見や耳の痛い事を言われたくない。
・普段議会活動を熱心にしていない事がバレる。
・開催してもしなくても、縁故関係が強いため選挙で当選できる。
・単純にめんどくさい。
などが考えられます。新人や若手と、年長ベテラン議員の間には、議会活動に対する熱意に大きな差があるように感じています。
議員カフェやワールドカフェというやり方は様々ですが、まずもって議会のメンバーの理解が得られない場合は、有志でのみ行う形から始める事が可能です。
議会改革の進め方
情報発信、有権者との接点づくりのどちらについても共通するプロセスとして
- 議会メンバーの中で有志を結成する
- 議会事務局を通じて「議会改革推進委員会」を立ち上げる
- 先行自治体の研究等を通じ、実現可能な提案として発議する
という流れになるかと考えられます。新上五島町は五島市と比べて、まだまだ情報公開が遅れている面が多いので、一緒になって充実化を図っていきたいと考えています。