3月4日の定例議会で、五島市の野口市長が4選不出馬を表明しました。
翌3月5日、定例議会の一般質問を終えた荒尾正登市議が市長選挙への出馬表明をしたと報じられました。
https://www.ncctv.co.jp/news/article/15188723
2024年の市長選挙を巡り、初めての出馬表明です。NCCの記事によると
農林水産業の振興や子育て世代への支援、ふるさと納税の納税額のアップなどに力を入れたいとしています。
と紹介され、長崎新聞では
基本は現市政を引き継ぎ、新たな政策を盛り込みたい
とされています。また、「無所属で立候補」とされていますが、荒尾議員は自民党会派所属で、五島市議会議員選挙でも自民党所属です。
https://go2senkyo.com/seijika/61509
政策の詳細はネット上には情報が上がっていないので、過去の一般質問や5期目の市議会議員時の紹介動画を参考に、荒尾市議の考えを紹介します。
目次
プロフィール
昭和37年2月22日生(62歳)
昭和55年 五島高等学校卒業
昭和59年 日本大学法学部政治経済学科卒業
平成2年 福江市議会議員 初当選(28歳)
平成12年 (社)福江青年会議所 第36台理事長
平成14年 福江少年少女合唱団育成会 会長
平成14年 福江市議会議員 4期連続 副議長就任
平成17年 五島市議会議員 5期連続副議長就任
平成25年 自民党福江支部支部長5期連続
平成25年 五島市議会議員7期連続議長就任
平成27年 全国離島市町村議会議長会 会長就任
平成27年 防衛省全国情報施設協議会 会長就任
令和3年 五島市議会議員9期連続 五島市監査委員現職
平成15年 空手道「翔道館」保護者会 会長
剣道5段
2024年4月27日現在で判明している情報を記載します。
https://www.instagram.com/arao7772/
あらお正登氏の政策集
農林水産業の振興
- 後継者育成
- 五島牛を代表とする、特産品の地域ブランド化
→注文が殺到し所得が増える
子育て世帯への支援
- 小・中学生の給食費完全無償化
- 0歳から2歳までの保育料の無償化
- 雨天時の子供の遊び場の設置
→給食費や保育料がなく、自然豊かな子育て環境
人口減少・環境客増加対策
- 婚活支援の充実
- 世界遺産、日本遺産、ジオパークの魅力発信
→どこでも子供の声が聞こえ、観光客で賑わう
国境離島新法の活用
- 運賃低廉化対象枠拡大
- 帰省割引制度の創設
→昔みたいにお盆・正月がにぎわう
廃止航路・休止航空路の復活
- 佐世保航路
- 大阪直行便
→大阪から観光客があふれ、佐世保にすぐ行ける航路
ふるさと納税の充実
- 倍増計画(目標15億円)
- 魅力ある返礼品への転換
→ふるさと納税が毎年増えて財政が豊かになる
老人クラブの活動支援
→クラブ運営が充実し、会員すべてが元気に活動・参加する
市議在任中の一般質問
荒尾市議が合併後の五島市で5期務めている間の一般質問の回数です。
中尾市長時代(2004年~2012年)
- H16年9月
- H20年12月
- H21年 6月、12月
- H22年 6月、12月
- H23年 6月、12月
- H24年 6月
だいたい年に2回程度質問しています。
野口市長時代(2012年~2024年)
- H24年12月
議長時代は一般質問無し(2013年~2017年)
- H29年12月
- H30年9月
- H31年9月
- R2年6月、9月
- R3年12月
- R4年9月
- R5年6月
- R6年3月
議長就任期間以外は、おおよそ年に1回質問をされています。
以下、記者会見で述べた方針に関して、一般質問の中から具体的な質問の一部を紹介します。
農林水産業の振興に関する質問
市民向けマグロの消費量アップ
一般質問からの抜粋です。
五島市 令和 5年 6月
荒尾議員 確かにいろいろ努力されていると思いますが、結果的に消費拡大にはつながっておりません。戦略不足と、そのように言わざるを得ない。マグロフェアは終了いたしましたけれども、島内の消費に全く何もしないというわけには市のほうもいかない、そのように思います。
例えば私の案ですが、刺身ではなく、寿司に着目をいたしまして、マグロ寿司1皿200円フェアと、こういった名目で事業所に提供してもらう。そこに市も何らかの形で支援する。このアイデアはいかがでしょうか。
ツバキによる島づくり
五島市 令和 5年 6月
荒尾議員 430万本は自生していると言われてる中の僅か2%というのはもったいない。何としてでも、少しでも収穫率を上げる努力をしなければ、宝の持ち腐れになると思います。
そこで、私はツバキの実を収穫する専従の人を雇用できないか、そのように思います。例えば時期によって草刈り班を会計年度職員として雇用しておりますが、それに倣って、ツバキの実収穫班みたいな形で雇用できないかと考えるわけですが、いかがでしょうか。
子育て世帯への支援に関する質問
給食費の免除
一般質問からの抜粋です。
令和 3年 12月
荒尾議員 特に子育て世帯でありますが、子供を育てるには何かとお金がかかります。その中で、給食費の支払いも負担になっているはずでございます。この際、一定期間、給食費を免除するということも、大きな若者支援につながっていく、そのように思いますがいかがでしょうか。
出産祝い金
一般質問からの抜粋です。
令和2年9月
荒尾議員 五島市には出産祝い金がありません。出産祝い金を創設するつもりはあるのかどうかお伺いをいたします。
出産後は何かとお金がかかる、そのサポートを形にするべきだとそのように思います。もう一度、これは市長にですね、やるかやらないのか、出産を後押しする気持ちがあるなら、ぜひやって欲しい、創設してほしいと思いますが市長の見解をお願いいたします。
ふるさと納税の納税額アップに関する質問
令和6年3月議会では、ふるさと納税に関して
PRの仕方次第では、税が増えて政策の幅が広がる。乗り遅れるわけにはいかないと思う。
と述べています。
2021年2月市議選挙時の紹介動画
文字抜粋:
五島市の問題点とその解決策でございますが懸案事項はたくさんあるそのように思っております。人口減少問題、第一次産業の衰退、後継者不足と多岐に渡ると思いますが、何と言いましても五島市は長崎より海上西へ約100キロ離れたところにある離島であります。
離島であるがゆえに航路航空路交通網の整備というものがテーマだとそういうふうに思っております。何としても現在の船飛行機の便数の確保は死守しなければなりません。そして ジェットフォイルの更新あるいは全日空が撤退しないことも島民の足を守るためには必要不可欠であります。
合わせて運賃の低廉化、国境離島新法のおかげをもちまして島民の私たちの運賃は随分と安くなりましたが、島外利用者は依然として高い。これを私たちと同じような運賃になるように制度を拡充して観光客の増加につなげていかなければならない。
そのためには実現へ向けて国県へ働きかけていきたいというふうに思っております。
それともう一つは交流人口の増加であります。今は新型コロナウイルス感染症の影響で全てのイベントは中止になっておりますが終息後はスポーツの交流も含めて魅力あるイベントの発信に努めなければならない。
五島市長の政策に改善して欲しい点でございますけれども、これまでの公約でありました4大プロジェクト世界遺産、ツバキの島、マグロの基地化、洋上風力ですがこれは順調に進んでおりますし、さらに人口減少対策につきましては社会増している。
転入と提出の差でございますけれども2年連続プラスを達成することができました。これは全国の離島の自治体におきましては画期的な成果であります。
引き続き続くように全面的に協力していきたい、そのように思っております。あえて一つ要望させていただければ、佐世保航路の復活でございます。確かに今は新型コロナウイルス感染症の影響で運航会社も大変厳しい経営状況にあり五島市も前向きではございませんけれども、しかしながら3年前に一度は就航し年間2万人を超える利用実績がございます。
そしてそう遠くない時期に佐世保のハウステンボスにIR事業が実現するとそのように思っております。人の流れが大きく変わりますハウステンボスに人が集まりその延長で世界遺産の五島市に来島するその流れをつくらなければなりません。
そのためにはどうしても佐世保は直行便が必要になってまいります。今から準備をしないと間に合わない。そのためにも根気強く誘致活動して欲しい強く要望いたしたいと思います。市民へのメッセージでございますけれど、私は28歳で市会議員に初当選していないこれまで連続8期、常に市民目線で市民の皆様方の声を市政に反映させたい、市民のお役に立ちたい。その一心で頑張って参りました。
自分の信念を貫いてきたつもりでございます。これからもその思いは揺らぐことはございません。
今も気力体力そしてあふれる情熱と経験をもって生の発展のために全力を傾注して参りたい。
また平成25年から4年間議長を務めさせていただきました。あわせまして全国の離島議長会の会長と防衛省全国情報施設協議会、いわゆるレーダーサイトのある自治体の協議会の会長その2つの全国の会長を務めさせていただきました。
全国の組織の中でしっかりと五島市を PR してまいりました。これからもその経験を活かして議会改革、あるいは五島市の発展そして住民福祉の向上の為に頑張っていきたい、そのように思っております。とにかく今はコロナに負けるな、活気あふれる五島市を作るため頑張っていきたい。
議会での一般質問
2017年~2021年の主な一般質問のテーマ(質問項目)は以下の通りです。
世界遺産登録を見据えた観光ルートの提供及びガイドの手配について
全日空による福江-福岡線の撤退と、オリエンタルエアブリッジの新規路線への参入について
五島市公認店の指定基準と今後の方針について
指定ごみ袋の必要性と料金の妥当性について
姉妹都市提携の計画について
新庁舎建設後の駐車場の有料化について
市内トンネルでのラジオや携帯電話の電波の受信状況について
五島市認知度アップのためのPR戦略について
五島市イメージキャラクターの活用法について
観光地を訪れる高齢者及び障害者への対応について
世界遺産登録後の五島市の取り組みについて
福江武道館の建てかえ及び福江小学校プールの移転について
市の花木、花、木及び鳥の選定過程と魚の指定について
空き家解体のための補助金制度新設について
ORC機材の安全性と更新について
福江-佐世保航路の復活について
中高生の海外派遣交流事業について
五島市起業支援補助金の復活について
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策及び経済支援対策について
①感染拡大防止対策について
②経済支援対策について
新型コロナウイルス感染症に対する感染防止対策について
①感染が疑われる場合の対応と検査費用の負担について
②空港・港での水際対策について
所信表明について
①意気込みと優先順位の高い政策について
②「人口減に挑む」について
③「安全・安心な暮らしを守る」について
④「未来に向けた人づくり」について
防災対策について
①台風9号・10号に対する総括、反省及び教訓について
②避難所の人数制限、救援物資提供、避難者対応について
③避難勧告及び避難指示(緊急)発令の判断とその対応について
④土のうの貸出し、返却制度導入について