長崎県議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、時間がかかります。
そこで、議事メモを残しています。
※内容は正式な議事録ではないため、発話の全てを反映しておらず、必ずしも正確でない箇所もあります。
目次
1.平和・被爆者行政について
(1)核兵器廃絶へむけた被爆県の取り組み
坂本.ロシアの侵攻から2年。イスラエルパレスチナ問題で益々混迷を深めている。一日も早い停戦を求める。国際情勢をどう分析しているのか。長崎を最後の被爆地にする事を表明し、核廃絶を訴えてきた。紛争地で威嚇が示唆させ、終末時計は人類滅亡まで90秒前が続いている。レクナの協議会が6月に公表したデータによると、核弾頭は減っているが、現役は質量ともに増加。核戦争の危険性があると指摘されている。被爆県知事としての認識は。
知事.ロシアによる侵攻や中東情勢により取り巻く状況は厳しいと認識。NPTでも関係国間の対立が明らかになっている。被爆地としての重要性はこれまで以上に重要と認識している。核廃絶へのアプローチとして、次期SDGsの目標に掲げる取り組みを推進している。
坂本.是非、被爆地先頭に立って頑張ってほしい。核禁止条約70か国が批准。第2回の会議で長崎と広島が連名で会議への参加を要請。条約に関する認識と対応は。
文化観光国際部長.核兵器禁止条約は初の国際条約であり重要なものと認識。国は実効性に課題があるとして否定的な考え。現実的な道筋としてオブザーバー参加する事を求めてきた。あらゆる機会で働きかけをしてきた。
坂本.昨年も同じ質問をして同じ答弁だった。被爆四県市と言われているが、他の3県市に比べると長崎市の発信は弱いと感じる。核による威嚇にどのように対応するのか。パレスチナ、ガザへの紛争で威嚇がドンドン強まっているが、抗議なり行動が必要と考えるが、どうか。
知事.長崎を最後の被爆地に、を訴えてきている。2022年ロシアがウクライナ侵攻して核を示唆する発言に厳重に抗議した。被爆県として今後も毅然とした対応を取っていきたい。
坂本.平和首長会議である広島市長、長崎市長の連名でアピールを発表している。世界の8千都市が入っているが、国内99%入っている。世界のNGOの代表と言ってよい。情報共有、共同行動が不可欠と思うので、十分連携して発信を強めて頂きたい。
(2)被爆体験者の救済へむけた取り組み
坂本.16年の裁判が結審し、なぜ自分たちが被爆体験者と差別されているのか、という想いの中で高齢化して裁判闘争を続けて多くの方が亡くなってきた。寄り添って救済に向けて頑張っていきたい中で取り組んできた。黒い雨裁判の高裁が確定したが、被爆地外での情報が含まれる可能性があるので、2項目要望している。旧ABCCの研究結果がどうなっているのか。
福祉保健部長.被爆体験記調査で、被爆地域以外のモノを読み込み、地域別に集計した。3744軒のうち、3500軒の読み込みが終了。原爆障害調査委員会が実施した残留放射線と降下物の研究は、米国の公文書、図書館を対象として文献の所在調査が行われている。
坂本.被爆体験記が10月だったが、どれくらいで調査が見込まれているのか。
福祉保健部長.終了時期未定。
坂本.79年が経つ。高齢化して85歳超えていると思う。昨年も随分要請があったが、早急な調査が必要と思う。長崎県も支援をしていると思うが体制は。
福祉保健部長.県として早急に進めて頂きたいと考え、国と協議して長崎県1名、長崎市2名を派遣して作業に協力している。
坂本.もう少し体制を厚くして結果を出してほしい。国に対して第一種特例の検討会を出してほしいという要望をしていたが、現在の状況は。
福祉保健部長.検証検討会はR2の11月に設置して、新たな知見を抽出するために検証が行われている。第7回の検討資料によると、不確実性が大きく判定が困難である事、試料採取が難しく領域推定が難しい。広島の特例区域外の被害を確認する事が困難と。まだ結論が出ておらず、早急に結論を出すように国に要望していきたい。
坂本.今の状況は広島高裁が確定している。黒い雨に打たれた事を持って認定しているので、それを踏まえて国に対する要望活動を強めてほしい。高齢化する被爆体験者の1日も早い救済に向けてほしい。どういった要望を考えているか。
福祉保健部長.只今申し上げた要望を行っている。引き続き要望する。
坂本.9月9日が判決と聴いている。広島で勝訴して、国と広島を相手にして控訴しないように求めたが国は消極的だったと。自ら広島市長が手帳を交付する姿勢を見せた。強い気持ちで申してほしいが認識は。
知事.国に対する要望は、被爆者に寄り添ってほしい、救済に繋がる取り組みを求めていきたいと思っている。訴訟に関しては判決の内容を精査して対応を検討したい。
2.人権尊重の社会づくりをめざした「県条例」の制定について
(1)本県の人権をめぐる状況認識
坂本.人権侵害が悪質化していると考えるが、県の認識は。
知事.啓発基本計画に基づき、重要課題別の取り組みを積極的に推進している。暴力、差別、性的少数者への偏見は後を絶たない状況。SNSの誹謗中傷も深刻であり厳しい状況と認識。
(2)「県条例」制定にむけた考え方
坂本.県条例を制定して頂きたいと意見書を提出。ハラスメント防止条例が出された。宅島議員が提案して6月施行。県議会のみならず県民に対して訴えて、あらゆる差別や条例が必要との声が出されて意見書を提出した。どのように取り組むのか。
県民生活環境部長.計画の周知を含めて実効性を高めるための施策を推進している。条例制定を求める意見書が出されたが、課題が多様化複雑化している事から、基本的な視点、考え方が必要と考えて検討会を設置する考え。
坂本.九州各県で新たに制定、既にある条例を改正する動きが出てきている。県の責務・体制の強化を盛り込んだ条例を制定してほしい。制定に向けて前向きに捉えたいが宜しいか。
県民生活環境部長.まずは人権施策の在り方を検討したい。
3.公立小中学校における「働き方改革」について
(1)「働き方改革」についての教育長の認識
坂本.昨年8月、中央審議会が緊急提言を出して文科省がメッセージを出した。教師を取り巻く環境が危機的状況とあり、働き方改革のメッセージが出された。更なる働き方改革への決意を。
教育長.子供に向き合う時間を確保するために、長時間労働の是正が必要。強い覚悟を持って進めたい。公務のICT化など、教職の仕事への働き甲斐改革を行い、教育環境を作りたい。
(2)学校現場の人手不足への対応
坂本.通知が出されているが、業務適正化の推進など3つの事項が掲載。教育委員会が学校と連携する事が求められるが、リーダーシップに期待。昨年度のはじめ、状況がどうなっているのか、不足している状況は。
教育長.定数不足はないが、代替職員が不足して増加傾向。非常勤講師の配置、近隣の兼務等で必要な時間を確保している。サポート体制の整備を一体的に進めており、ペーパーティーチャーセミナーを実施している。マッチングシステムの構築にも取り組んでいる。
坂本.現場の状況は、教員をサポートするスタッフを拡充してほしいという声が多い。4月からの前項配置措置を発表した。拡充の見通しは。
教育長.魅力化作戦会議で、サポート人材を配置すべきだとの声があり、十分認識している。県内の教職員業務を国と県で補助しているが、来年度は2人以上勤務する場合に促していきたい。今後も市町と連携して配置拡充したい。
坂本.前項配置予算は初めて。県内7市町で文科省の予算は1.5倍になっている。来年度は81億。教育長が答弁の中で市町が配置していると。国が3分の1、都道府県の政令都市が3分の2となっている。市町が負担がない場合もあるが、なぜ長崎で出来ないのか。重要性を感じながらもなぜできないのか。
教育長.国の標準スキームはお示しの通り。九州内では2件のみ。他県は本県と同じように市町に負担をしてもらっている。予算も厳しい中で一気に拡充は難しいと思う。R5から6年度にかけて3倍近くの予算拡充されている。しっかり取り組んでいきたい。
坂本.是非予算を付けてほしい。今年度は長崎市は0。来年度に3校増えるとあるが、各市町の大規模校もあるので綿密に市町と連携を取ってほしい。長崎の財政が厳しい中で、子育て一丁目一番地なので連携して頂きたい。
(3)部活動の地域移行への進捗と課題
坂本.県内でも進められている部活の地域移行の状況はどうなっているか。
教育長.協議会が組織されて実情に応じた移行計画がされている。国から地域移行に向けて新たな財源確保に向けた合同活動、連携した取り組みが行われている。成果や課題を情報提供して積極的に協議の支援をしたい。
坂本.県によっては人材バンクを作って繋いでいるが、考えは。
教育長.指導者の安定的確保が重要と考え、協力して頂ける人をリスト化している。文化芸術は運用開始している。スポーツも準備中。
4.大型事業について
(1)石木ダム建設事業について
坂本.工期、事業費を協議していると思う。前回の再評価が2019年で4年半経過。進捗状況は3月で69%。その前が66%。1年間で3%の進捗。事業費の増加要因、労務単価上昇を見ると、再評価は避けられない。技術面・財政面を相談するとしたが、検討状況は。
土木部長.R7までに285億で完成するように進めているが、人件費・資材価格高騰が影響する可能性があり厳しい状況。来年度の公共事業評価委員会で内容を審議して頂きたい。
坂本.委員会に諮ると言ったが県として協議しながら出すのか、手続き的にはどうなるのか。
土木部長.案を作って諮ってもらう。
坂本.大体県の方針通りになると思うが、反対住民との話し合いを進めるとしているが、今までと同じでは厳しいと思う。工事をいったん中断するとか必要性、疑問点の説明の場を作るなど、新たな提案が必要と思う。委員の皆様を第三者的に判断できるよう、賛成・反対の人も入れて中立性を保つように出来ないのか。
土木部長.公共事業評価監視委員会は様々な専門性を持った人に入ってもらっている。ダムだけでなく道路も含めて続けるべきかどうか議論する。経済性の観点から議論するので、今の段階でも問題なく出来ると考えている。
坂本.県が持ってきたのがそのまま行くのはどうかと思うので、引き続き提供させて頂きたい。反対住民との話し合い、2月9日に川棚町長が申し入れをした。内容を見て、反対していない人にも色々な想いの人がいると分かった。ダム事業で大変になっていると改めて感じた。振興基金が発足したが、ダム建設が前提だが、今反対されている住民の代表だが、その障害になると考えるが、話し合いはどう進めるのか。
知事.必要性については、既に司法の判断が出ている中で、議論する段階にない。毎年甚大な自然災害が発生する中で、安心を確保する事が行政の責務。今後も工事工程に沿って進めていきたい。協力・ご理解を頂く事は変わりないので努力は続けていきたい。説明は丁寧にしたい。
坂本.1972年に覚書が調印され、2年後に計画書が提出されている。その後に強制測量。これは抜き打ちだと聞いた。2009年に事業認定を申請。結果的に住民が裁判に訴えて2019年に所有権が移転されている。信頼関係をどう回復するか、もっと汗をかいてもらいたい。
(2)長崎南北幹線道路にともなう平和公園西地区の整備について
土木部長.再配置については、検討委員会の元、関係者の参画を経て検討されている。検討状況は把握している。市は市民プールを現状の位置に再配置、色々な意見が出た。市に協力していきたい。
坂本.今後も検討する余地があるのか。
土木部長.再配置先として市有地だけでなく県有地も候補に挙がっている。再検討部会においては、敷地条件の制約で困難とされている。県有地の活用も含めて市に協力していきたい。
(3)県庁舎跡地の活用について
坂本.県民市民の憩いの場を目指して整備が予定されている。岬のエリアの中核エリアになると思う。旧市役所通りと連携して周遊に繋がると考えるが、どのように考えているのか。
地域振興部長.県内市町、学生など、主変施設との連携を図りながら取り組んでいる。大縁日、すごろく大会などの利活用、各地の物産、イベントも開催されている。賑わいの創出を図り、街づくりにも留意して起点となる利活用を進める。
坂本.ほこ道のシンポジウムがあり、国・県・市で検討委員会を作っているのは全国的な先例になると言われた。3者の連携は必要と思うので、今後も一緒に連携して活用して頂きたい。