新型コロナが五島市の観光に与えた影響と今後の見通し

本日はR4年7月1日に公表された「五島市観光統計」の解説です。

どのような影響があったのか?

観光客数の推移などはこちらのデータが参考になります。

https://www.city.goto.nagasaki.jp/s054/R3Gotocitykankotokei.pdf

ポイント

  • 観光客数、観光消費額は令和2年よりも落ち込み、R1年度の半分以下に減少
  • 冬季は大幅に減少、春季は反動増、夏季以降は、旅キャンペーンの効果などにより対前年増
  • 航空路は微増、航路は微減
  • 世界遺産の教会堂は内観の拝観ができない時期もあり、前年に引き続き大幅な減少
  • 屋外であり感染リスクの少ない海水浴場については対前年増
  • 宿泊施設数は微増、平均滞在日数は増加傾向
  • 修学旅行生の件数は減少、民泊宿泊は0件に
  • インバウンドは激減したR2年度並みに

特に注目すべきは、世界遺産の建物のように、密になる施設の利用が減る一方で、開放的な海の利用が増えたという点です。

それと、平均宿泊の件数が伸びている事も挙げられますが、これはコロナによるワーケーション的な長期利用に加え、大型ハコモノ(ホテルや図書館)の建設に伴う一時的な需要に過ぎないという見方も出来ます。

倒産や廃業は増えたのか?

コロナを通じてお店の業績が悪くなったという話は沢山聴きますが、連鎖的にお店がバタバタと潰れる、という話は聞いていません。

お店が閉まるのは、コロナの経営難以上に、高齢化による跡継ぎ不足の側面の方が強いかと感じます。

全体としてみれば、国・県・市町村からもコロナ支援金が観光事業者に給付されていて、それで何とか持ちこたえているお店が殆どだと感じます。

とは言え、やはり観光需要の早期回復を望む事業者が多いのは言うまでもありません。

令和4年度の見込みは?

R4年度は、こうした観光需要の回復を期待して、「今だ!五島へ行こう!!旅キャンペーン」を実施しています。

https://goto.nagasaki-tabinet.com/feature/gototabicamgpaign

この効果もあり、R4年6月議会では

「5月末現在で1099名が利用。6月以降も4981名の予約が入っており順調に利用されている。」

との答弁でした。

【2022.6/五島市市議会メモ】中西議員

5月GWは例年以上に忙しく、人手不足が顕著でした。

そして7月の海の日以降は、SUPも連日予約が相次ぎ、てんやわんやです。

が、ここに来てオミクロン株の感染者拡大が続き、黄色信号です。

トライアスロンに続き、夕焼けマラソンも3年連続で中止となりました。

まとめ

コロナ発生以降、五島市は全国の観光地と同様に、感染拡大の波に影響を受けて観光が大きく落ち込んだり、回復したりを繰り返してきました。

R4年度はコロナからのV字回復を目指し、キャンペーンの効果もあって順調に観光客が復活していました。

が、夏休み以降は再びコロナの影響で、先行きに不透明感が出てきました。

ただ、政府は経済を回す方針のため、夏場の観光需要は回復が見込まれるでしょう。

既に宿泊施設は予約で満員だという声も聴きます。