自然栽培って何?
有機農法や一般の栽培方法とどう違うの?
という方向けに、書籍の紹介です。
すごく分かりやすく言うと、
- 自然栽培:何もしない農法(不耕起・無農薬・無肥料・無除草)
- 有機栽培:化学的な農薬の代わりに自然由来の天然の有機物を使用する農法
- 慣行栽培:農薬や化学肥料を使う一般的な農法
農林水産省HPによると、有機栽培の作付面積は全体の0.4%、慣行栽培は99.6%だそうです。
https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kazyu/h30_12/attach/pdf/index-16.pdf
より詳しく知りたい方向けに、本と講義動画の紹介です。
自然栽培の哲学・考え方
自然栽培の第一人者である福岡正信さんの本です。
農業知識がなくても内容は理解できます。
哲学的な問いから始まり、現代の科学万能主義に対する警鐘と、代替案を示す本です。
自然農法で「奇跡のリンゴ」を生み出した木村秋則さんと、羽咋市の元「スーパー公務員」高野誠鮮さんの共著です。
自然農法を具体的に活用し、世界をリードする「ジャポニック」ブランドの提唱を行っています。
高野 誠鮮/木村 秋則 講談社 2016年12月14日頃
木村秋則さんの一番弟子、佐伯さんの講演動画です。
佐伯さん講義の内容
現状の問題
- 耕作放棄地の増加
- 農家の高年齢化
- 世界で多発する異常気象
- 安すぎる障がい者雇用の賃金
- 日本で緩和される残留農薬規制と食料の安全保障
佐伯さんは、こうした問題を背景に、「農福連携」による田畑の再生を、農薬・化学肥料を一切使わない自然栽培で実践しています。(現在100チーム2000人で再生)
気候変動が激しい今だからこそ、新しい農業と働き方が必要です。
始めたきっかけ
当時の福祉事業は、一生懸命働いても給料が月に1万円以下だったそうです。
同時に、アトピーやアレルギーの原因は食にあるのではないかと感じるようになったそうで、試行錯誤しているうちに、「自然栽培」たどり着いたそうです。
生態系に即した自然栽培
自然栽培では、肥料・農薬を蒔かないので虫がやって来る。ミツバチもイネの花を目当てにやって来るそうです。
田んぼを稲刈りした後、畝を植えたみたところ、根粒菌がつかなくなった(=土のコンディションが改善した)そうです。
さらに、葉物の玉ねぎを植えたら出来たそうで、二毛作で玉ねぎ・ジャガイモが田んぼで育つとの事でした。
「稼げる」農業の可能性
佐伯さんは、
自然栽培をやっていくと、農家として自立できるし、高額所得者にもなれる
とも仰っています。今後は
地域で学校と大学を作っていきたい。
との事です。
最高の価値を最小のコストで
京セラの稲森元会長の言葉にもある通り、商売は「最高の価値を最小のコストで」が儲かる秘訣です。
農薬や肥料を全く使わない自然栽培は、コストの最小化が可能です。
今後もSDGsの流れが加速し、環境汚染を軽減していく事が求められる中で、市場の価値は益々上がっていくのではないでしょうか。