高齢化の島、五島
いわずもがな、五島の高齢化率は全国でもトップレベルです。
五島市全体の平均としては38%程度ですが、地区によっては50%以上だったり、65%以上だったりします。
特に中心部から距離が遠い場所ほど、その傾向は高くなります。
- 今後の五島(日本全体)の高齢者対策はどうあるべきか?
- 過疎地の地域づくりはどう進めていけば良いか?
- 市役所として、何か介護事業所にすべきことはないか?
そうした問いに対する答えを探すべく、本日は、五島で勢いのある社会福祉法人の理事長さんにインタビューをしてきました。
地域と運命共同体
事業所の「事業計画リーフレット」を拝見させて頂くと、
- 地域づくり
- 人財づくり
- ブランドづくり
- 環境づくり
- マニュアルづくり
など、社会福祉法人らしからぬ「長期目標とポリシー」が掲げられていました。理事長のお話の中で印象的だったのは、
施設が潰れれば、地域も崩壊する。
という危機感です。
そのため、介護サービスだけでなく、高齢者の生活を支えるための取り組みや、地域全体の事を良くする活動を多岐に渡って取り組んでいました。
既存の垣根を越えるリーダー
従来のように、お店を構えて待っていても人口は減るし、地域経済は衰退していく一方です。
そうした中、地域全体で「攻めの姿勢」を貫かないと、立ち行かなくなってしまいます。
そのためには、既存の枠組みにとらわれず、積極的に新しい事業にチャレンジをしていく必要があります。
理事長の方のお話では、「地域を引っ張る人材」の不足が、問題提起として挙げられました。
ただ一方で、若い後継者が五島にも戻ってきている状況もあるので、そうした後継者の方々が、これからの地域を引っ張っていく可能性についても触れられました。
行政に頼らず
理事長の方のスタンスとしては、「良くも悪くも行政に期待していない」という感じでした。
たしかに、「自分たちで何とかせんば!!」という気概があれば、自治体という存在は不要です。
本来は、これが地域づくりのあるべき姿なのかな、と思います。
逆に、他力本願になって「市役所の悪口」を言うのは簡単ですが、そうなっていては何時まで経っても問題は解決しません。
理事長のお話では、「自分たちで出来るところ」から、確実に前向きに、地域づくりに奮闘されている印象がしました。
そういう形で、問題を「自分事」として考えられる人の数が増えれば、地域に眠る潜在的な力を活かせる余地が大きいのかな、という風に感じました。