アフリカミュージアム
行ってきました。アフリカミュージアム。詳細はこちら。
https://blogs.yahoo.co.jp/colombo1026/39354318.html
感想を一言で言えば、
脈絡のない多様性に溢れていて面白い!!
って感じです。アフリカの国々の人たちが持つ美的感覚は、私たちが見慣れている(見せられている)世界とは異質のものでした。
- 腕が異様に長かったり
- 髪の毛が異様に長かったり
- 耳が奇妙な形をしていたり
それはまるで、水族館。
私が水族館を好きなのは、そこに多様な美しさがあるから。
言い方を変えれば、何でもあり。
これからの時代、何かを変えようと思ったら、まずは見方を変える事が必要になる気がします。
見方を変えるために必要なのは、アート作品に触れて、
今までとは違った見方に対する抵抗感をなくす
ことだと思います。基本的に人間は、
- 見慣れないモノには違和感を感じる
- 聞いたことがないモノは疑う
- 知らないモノは嫌う
という特性があるから猶更です。
どうしてアフリカは多様?
なぜアフリカは、それだけ多様なアートの形に溢れているのか?
私なりに、社会心理学の視点を基に考えてみました。
アフリカは水平方向に広く、常に他の部族との交戦が可能な緊張状態にあります。
そうした中で死活問題となるのは、
「いかに部族間の結束を強固にするか?」
というテーマです。全国で流行った「ゆるキャラブーム」のように、「自分たちのカラー」を作り上げる事が、結束を強めるエッセンスだったのかもしれません。
しかし人間なんて、言ってしまえば肌の色以外に大きな違いはありません。
イメージとしての部族
アフリカミュージアムで展示されていた作品の多くは、「あまりにも人間の体から乖離した身体のイメージ」です。
自己イメージを身体性から大きく遊離させている理由は、
- 他の部族との緊張状態・混乱を避けるために
- 自部族のイメージ・結束を固める必要があったから
ではないでしょうか?
動物で言えば、熱帯に住む魚の色が様々であるように、身体的な特徴を識別のために変異させた感じ。
そうした意味で、アフリカミュージアムの作品は、
「現代的なアート」
という枠組みではなく、
「部族間の生存戦略として生まれたイメージ」
と捉える方が、しっくりくるのかもしれません。
まとめ
アフリカに住む人たちの間では、
「明日どうやって生き延びるか?」
というテーマが、死活問題だったはずです。
アフリカが地理的に、物理的な閉鎖空間の少ない場所であるという点を考慮すれば、
- 部族同士の衝突可能性が高い
- 生存戦略上、部族同士の結束が何よりも重要
- 他の部族との「差別化」が必要
という点が見えてきます。そのため、
どうしてアフリカミュージアムの作品が、あれだけ多様性に満ちているのか?
という疑問に対しては、
部族内の結束を強める手段として、差別化できる「部族のイメージ」が必要だったから
が一番しっくりくる気がしました。
このイメージは、歴史的に見ても、「国家のナショナリズム高揚」のために使われている気がします。
例えば戦時中の日本で言えば、
- 国家が「神国日本」というイメージを国民に植え付け
- 国民が「戦争に行くこと」に対する抵抗感を減らし
- 国民が「わたしたちのために」戦う覚悟を持たせる
ような形で、「国民のイメージ」が使われていた気がします。
皆さんもぜひ、アフリカミュージアムに足を運んでみてください。