観光促進
現在日本では、「観光立国」を目指してインバウンド向けのビジネスが活性化しています。しかしながら、国内の代表的な観光地である沖縄を例にとると、観光と経済循環がリンクしていないことが分かります。
以下、小泉進次郎氏のブログから抜粋です。
那覇のメイン通りである国際通りのドラッグストアが大繁盛で、外国人観光客が棚ごと買っていくそうだ。しかし、ドラックストアが繁盛しても沖縄にあまりお金は落ちない。
全国都道府県の一人当たりの平均所得は三百十九万円だが、沖縄の一人当たりの県民所得は二百十二万円にとどまっている。全国平均より百七万円も低い。観光客は増えても、地元にお金が落ちていないのが現状だ。
こうした事から、観光で潤う事業者は一部に限定され、資本が島外である場合も多いため、いわゆる「ストロー効果」によって搾取されているような状態になっています。
摩耗する観光地
こうした傾向が加速すると、経済格差が如実になり、いわゆる「光と影」が生まれます。
経済循環の果実を得られない地元住民の不満が高くなることで、観光地としての「うわべ感」がますます強くなります。
そしてこれは沖縄だけでなく、観光促進によって人の数が増えるあらゆる地域が直面する課題です。
この問題を解決するための視点を考えてみます。
住民の暮らしを良くする
例えば、「地域別の観光税」というのを設けたらどうでしょうか。
2019年の1月から、新たに「観光税」が導入されますが、この財源は使い道が、「観光地のインフラ整備」に限定されていて、観光のための税金です。
そうではなく、「地元住民のための税金」として、観光税をエリアごとに設置します。
徴収するコストの問題がありますが、そこには技術を駆使してキャッシュレス化したり、自動的に清算可能な仕組みを導入する余地があります。
地域が観光をデザインする
従来の観光地は、どちらかというと「外からの開発」でした。そのため、参入した企業以外はその恩恵を得られない、という問題が発生します。
「地域別の観光税」では、地域が税率と、そこから得られる収益の使い道を自由に決定します。
例えば、〇〇島は入島料が一人300円、使い道は施設の補修と修繕、など。
地域が主体的に税率と使途を決めることで、経済循環と観光促進がセットになるような仕組みとします。
観光地として成功するくらいに集客が整えば、その財源で社会保障の金額を賄うことも夢ではありません。
大切なのは、観光促進が地域の暮らし向上に繋がるような仕組みを設定することです。