五島市の水道
千葉から五島に移住してきて、気になるのは「町中の臭い」です。側溝のあたりからぷーんと、汚水の臭いがすることが多いです。
本日は、市役所の「出張勉強会」を通じて教わった事柄をご紹介します。
一言で言うと、五島市の水道事情は
都会の水準と比べると遅れている
さらに言うと、
遅れを取り戻すほど財政的に余裕がない
という部分に尽きます。こういう部分が観光地のトイレにも反映されている形です。
https://nakanishidaisuke.com/2018/08/20/toilet-2/
公共下水道は未整備
生活排水処理に関するアンケート調査結果(H25)によると、
公共下水道が整備されたら、接続しますか?
という質問に対して、
- 接続する 30.0%
- 接続しない 61.4%
- 無回答 8.6%
という回答だったそうです。その理由は
- 「設置費の負担が大変だから」 63.0%
- 「使用料の負担が大変だから」 38.9%
- 「合併浄化槽を設置しており、不便を感じない」31.6%
だったそうです(複数回答可)。要するに、お金の問題ですね。
古い商店街と浄化槽の奨励
シャッターが多い商店街を歩けば分かりますが、そこで新規に何かが始まるような機運は乏しいです。
その理由は、島の人口が激減し、商店街のマーケット機能も他のチャネルに奪われているからです。
https://nakanishidaisuke.com/2018/07/04/market-place/
そうした背景もあり、五島市では財政負担の少ない「合併浄化水槽」の設置導入に対する補助を行うことにしました。
関連情報はこちら。単独浄化槽と合併浄化槽の違いは、
- 単独:トイレの水だけ処理
- 合併:トイレ、キッチン、洗濯の排水も処理
という点で、現在は単独浄化槽の製造は行われていないそうです。詳細はこちら。
環境投資も金次第
結局のところ、「豊かな自然の五島市」とPRをしたところで、水道設備の不十分な五島では、都会と比べると「環境負荷の高い生活」をすることになります。
とは言うものの、まだまだ海外に比べると道路は綺麗で、衛生的と言えるでしょう。
これからの時代、「環境先進地」を目指すのであれば、
- 今ある施設の改修
という発想では、先ほどのアンケートのように、「お金がないから無理」という形で終わる気がします。そうではなくて、無人島を一つごそっと貸し切って、
- 環境負荷を最小化した生活設計
というスタンスで投資・開発・デザインを始めた方が良い気がします。