「地方回帰」の大号令
中国新聞の記事によると、政府は「まち・ひと・しごと創生基本方針」の中で、
地方の就業者や起業家を計30万人に増やす数値目標を設定
しているそうです。そもそも「就業者」っていう言葉や「起業家」って言う言葉は曖昧ですので、何を指しているのか不明です。
更によく分からないのは、
6万人が東京圏からの人たち
と、言うことで「東京からの人減らし??」のように見えます。そして
残りの24万人が地方在住の女性や高齢者、外国人留学生らを想定
ということです。「地方創生」という議論と「人手不足の解消」っていう問題に対して、
(高齢者も女性も外人も働いてね)
と言う感じでしょうか。何だか見ていると、「世界全体の流れ」に逆行しているように見えませんか?
- 世界の流れ:人工知能やロボットを使い、「労働」を減らす
- 総務省の指針:高齢者・女性・外人を使い、「労働」を増やす
労働がドンドン必要なくなる時代に「ひと・まち・しごと」とか謳っている総務省の発想は、
「地方にしごとが増えれば人も増える」
という形なので、完全に時代錯誤です。
労働よりも遊びを増やせ
例えば自動運転ですが、東京や大阪と言った首都圏で実施するとなると、考えただけでも大変そうです。
何しろ人の数が多く、利害関係者も山ほど居ますから。
それよりも簡単なのは、日本の離島で自動運転の実証実験をすることです。
人がそもそも居ないんですから、規制緩和して実験場にしたらいいだけの話です。なんだったらロボットを路上に歩かせて、事故のシミュレーションとかもできます。
そうすると、必然的にタクシーの運転手やバスの運転手と言った人たちの「しごと」はなくなりますが、それこそが地方の目指すべき方向です。
だって遅かれ早かれ、必要なくなるんですから。
今後の世界の流れの中で、人が減って、過疎化していく地方に求められるのは、「労働」の場ではなくて、「遊び」の場です。
https://nakanishidaisuke.com/2018/03/08/if-mayor-2/
高まる地方回帰の号令
何だか総務省の発表を見ていると、
「あれもコレもまぜこぜにして詰め込んだ感」
がすごいです。まるで突然、引越しを決めた人のダンボールの中身みたいです。
社会保障の問題、外国人就労の問題、地方の問題、選挙対策と言った
「国が頭を抱える問題」
の全てがそこには凝集されている感じです。具体的に言うと、
- 女性が活躍する社会にしたい(庶民受けが良いから)
- 老人が働く場所を作りたい(社会保障がヤバイから)
- 東京一極集中を解消したい(地方の悲鳴がスゴイから)
- 外国人枠の就労枠を増やしたい(人手不足が深刻だから)
という感じです。最近テレビ番組で「移住関連」のモノが多いのも、一つにはこの「地方回帰トレンド」を、国が作り出しているからでしょう。
地方で副業、大歓迎ですよ!
https://nakanishidaisuke.com/2018/03/23/hukugyo/