電気は空気と同じ?
突然ですが質問です。
空気の中に、どれだけの酸素が含まれているでしょうか?
中学校の時に、きちんと真面目に授業に取り組んでいた方は、おそらくググらなくても数字を言えるでしょう。
しかし多くの人は、そんなことは全く気にせず日常生活を送っていますし、
それがどうした?
っていう感じでしょう。
これと同じことが電気についても言えます。「当たり前」について、私たちは関心を払いませんので、仕組みを殆ど知りません。
しかしながら!
空気と決定的に異なる点は、電気は自然には存在しないんですよね。当たり前ですけど。
電気は人間が作っています。そのためコストがかかるし、いつでも手に入る保証はありません。
本日はそんな事をテーマに、
「そう言えば日本のエネルギーってどうなっているんだっけ?」
って言うことをざっくり紹介します。
単純な議論じゃ語れないエネルギー
エネルギー資源は原子力・火力・水力・バイオマス・再生可能エネなど、多様な種類がありますが、
このエネルギー源は素晴らしい!
っていうパーフェクトな電源はありません。
ところが日本では、東日本大震災まで原発が推進され、原発事故後には一転・「脱原発」の風潮があります。だけど実際は、
「原発」だけの議論で片付くほど単純ではない
というのが実体です。
エネルギー問題は、選択可能な電源構成や、その国の経済事情も踏まえて、総合的・多角的に考える必要があります。
エネルギーの役割
エネルギーのことを知る上では、3E+Sという言葉があります。その内訳は以下のようになっていて、
- 安定供給
- 経済効率性
- 環境への適合性
- 安全性
これらの全てを兼ね備えた電源は存在しません。(参照基)
そして、人間にも色々なキャラクターの方がいるのと同様に、電源もにも色々な特徴があります。
サッカーに例えれば
- 足の速い選手
- 背の高い選手
- 守備に定評のある選手
っていう感じでしょうか。
他国と比較しても無意味
最近ではよく、
欧米では再生可能エネルギーがあんなに普及しているぞ!だから日本も再生可能エネを推進すべきだ!
という短絡的な論理で事が進んでいるように思えますが、結論から言うと、他国の真似をしても無意味です。
それは電力を巡る事情が、各国ごとに全く異なるからです。
例えばドイツを始めとするEUでは、
他国からエネルギーを融通してもらえる
というアドバンテージがあります。だからこそ再生可能エネルギーの推進が可能となる訳ですが、日本は
他国からエネルギー自体は融通不可能であり、
化石燃料を他国から輸入しなければいけない
という事情を抱えています。
だからこそ、「その国」にあったエネルギー政策を考えなければいけないのですが、恐らく日本では、エネルギー関連の産業(太陽光パネル発電の事業者とか)を巡る利権構造が、国の意思決定に幅を利かせているのでしょう。
原発後には、ここぞとばかりに産業界が「再生エネ」を推進しようと躍起になっているように感じられます。
再生可能エネルギーのコスト負担は国民
最後に一番大事な点ですが、知らないうちに
再生可能エネルギーの電力コスト
を私たちは支払っています。
これは消費税以上に公共性の高い税金だと言えるでしょう。
https://nakanishidaisuke.com/2018/03/01/reuse-enery/