ホノルルマラソンに出た話 その2

  • 2016年8月19日
  • 2021年3月28日
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太ももがピンチ

用を足そうと踏ん張った際に太ももが悲鳴をあげ、”張っている”ことに気づく。

さあこれからが勝負と思って走り出すものの、一度止まってからの太ももの痛みはどんどんひどくなっていく。足が上がらなくなるとはこのことである。

顔をしかめながらも懸命に走ろうとするが、今度はなぜか背骨の付け根あたりにも痛みが生じてくる。まっすぐな姿勢でいることすら辛くる。

35キロ付近にて

周囲のランナーにもだんだんと抜かれ始める。何とか、何とか、と思うものの、残りの7、8キロが、大変な距離であると感じ始める。ハイウェイを抜けてラストスパートをかけるはずの通りに来るのだが、給水場で足が止まる。

正確には、走ることを一旦やめる。歩くことすら辛く、今すぐその場で倒れこんでしまいたい。

しかしながら、そうしている人は皆無で、とてもそんな情けないことはできない。痛みを引きずりながらも歩き続けるしかない。

走れなくなる

再び走りたい、せめて4時間を切りたいという思いはある一方で、どうしても足が上がらない。

走りにトライしては歩き、トライしては歩きの繰り返しである。沿道から見れば、ほとんどびっこを引いているような状態である。

私は目標としていた”完走”(文字通り走りきること)を断念してしまったということもあり、心が酷くナーバスな状態になる。

歩くなんて、なんて情けない

そう嘆く。

どうして、こんなつらいことをしているのだろう

そう悔やむ。

もうしばらく、走るのはいいや

そう悟る。

そして悔しくて泣きたい気持ちになる。自分を鼓舞するために、いろいろな言葉を心に思い浮かべてみるが、しかし足が上がらないことにはどうしようもない。

沿道の応援にもこたえられず、みじめである。首の痛みを抑えるために、腰に手を当てながら歩く。時間だけは無情に過ぎていくのだが、私の足取りはひどく重い。ゴールまでの距離は、まだ5キロと非常に長い。

足を引きずりながら

少し走ってみては、やはり駄目だとまた歩く。朝日を浴びながら、周りのランナーにも抜かれながら、歯を食いしばりながら、ようやく残り2キロ地点まで到達する。

手元の時計は、ちょうどスタートから4時間を示している。残念。本来ならば3時間半を目指していたのだが、それは達成できなかった。よもや4時間を切れないとは。。。

そんなことを考えながら、残りの1キロはもう精魂尽き果てるほど気力を振り絞って走る。なんだまだ走れるではないか。

「峠を越えるとはこのことか」

と思いながらも、ゆっくり足を引きずりながら走る。沿道の応援も味方にし、

「Almost there」

のその地点を目指す。

ゴールテープ

時間は4時間14分で、手元の時計(走り出した時間)ではそれより3分ほど早くなっている。その場ですぐに倒れてしまいたかったが、ひとまず横になれそうな場所までたどり着き、どさっと倒れる。

ゴール付近にある草むらに寝っころがりながら、

はあ終わった

という安堵の声が出た。こんなに悔しいと思うのは久しぶりの事である。いつ以来だろう。中学生の時にマラソンで負けた時以来か。あるいは高校のサッカーでレギュラーを取れなかった時くらいか。

いずれにせよ、自分の思い通りにならなかったということがただただ悔しかった。

芝生の上で

原因を考えてみると、やはり努力はしたけど準備不足であるというのは否めない。

実際タカをくくっていたが、30キロ以上を走るのは今日が初めてであったし、それでも気力で35キロまで行けたのがある意味奇跡的だったのかもしれない。

ボトルネックである足の疲労に対する考慮が甘かったのと、はやり事前に、一度は同じ距離を走っておくべきであった。

結果に結びつかない努力は徒労に過ぎないなと思いながらも、正直に言って全然努力が足りなかったなと冷静に思った。

南国の涼しい風を感じながら、打ちひしがれる。

1時間後に同期がゴールして、割とスムーズに合流できた。お互いにどの地点で力尽きたのかを語り合い、それでも走りきることができなかったという事実に対しては「悔しい」という思いを共有した。

私はもう、ひとまずしばらくいいやって思うくらいに、疲れ果ててしまった。お互いビッコを引きながらタクシーを拾い、ホテルに帰って豚のように寝る。目が覚めたのはその2時間後くらいで、ちょっとだけ疲れは回復していた。

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