10月1日の五島市議会本会議における、五島市の第三者委員会設置に対する議論の紹介です。
反対討論
中西 補正反対する理由は、第三者委員会の設置に913万円の予算が計上されている事です。
私が第三者委員会の設置に反対する理由は以下の2点です。
- 市民や議員への経緯説明が不十分であること
- 9,130千円が費用対効果に見合うか検証されていないこと
市民や議員への経緯説明が不十分であること
市長は今年6月の広報誌で、元職員が12年前に起こし、現在五島市が控訴している事件について、「今後、市民の皆さまに対し、五島市で何があったのかを、きちんと説明しなければなりません。」と記載しています。私はこれを6月議会でも取り上げましたが、市長は答弁しませんでした。わざわざコラムに書くという事は、市長は何らかの説明すべき情報を持っていると考えられますが、市民や議員に対して、説明がされていません。
それから4か月が経過していますが、今だに市民への説明はされていません。
まずは外部委託の前に、市長が市民に説明すると約束した事実を公の場でキチンと説明する事が先決だと考えます。そしてこれだけ高額な予算を計上するには、それを審議する議員に対しても、どういった経緯があったのか、市長は平等に情報提供すべきだったと思います。少なくとも私は、市長から直接、どういった経緯だったのか、聞かされていませんし、ここにいる半分近くの議員の皆様も同様だったかと思います。
議員が判断に必要な情報を平等に提供しない事は、「風通しの良い市役所を築きたい」という市長のお言葉に逆行するのではないでしょうか。
913万円が費用対効果に見合うか検証されていないこと
中西 本事業は、実態解明と再発防止の二つの目的があると理解しています。
一つ目の実態解明に関して、なぜこのような事件が起きたのか?端的に言えば、犯罪行為に及ぶ可能性のある職員に対して、事件が起きたH25より前に適切な処罰が実施されていなかった事が原因ではないでしょうか。
本来であれば、H25の事件よりも前に、組織の中で然るべき対処をすべきだったが、それが行わなかったために、結果として大きな事件に繋がってしまった。
そうした点が今回の第三者委員会で明らかになると考えられますが、そもそもとして、現時点においてどこまで経緯の実態が明らかなのか、そしてどこからが明らかになっていないのか、市民や一部の議員には示されていません。912万円という高額の予算をつぎ込むのであれば、まずは現時点で明らかになっている点、明らかになっていない点を示すべきです。
二つ目の再発防止策の策定についてですが、既に12年も前の事件当時の関係者は多くが退職し、組織の構成自体が大きく変わっています。そうした過去の事件、1人の元職員が起こした事件に起因する再発防止策が果たして、今後の組織運営においてどれだけ有効性があるのか大いに疑問です。
まとめると、市長はこの一連の事件を調べる中で、市長コラムに書いてある通り、まず何が起きたのか、市民への説明を先にすべきです。その上で、どうしても内部調査で調べ切れない事があるならば、外部委託をするべき、というのが私の考えです。
市長が述べた、「風通しの良い市役所にしたい」という想いは私も共感しています。
しかし現時点において、五島市は市民に対する説明責任を果たしたとは言えず、また費用対効果の裏付けも不十分なため、本事業には賛成できません。
今月号の広報誌にも五島市の財政が掲載されており、五島市は自主財源が23%くらい、そのほかの77%を国や県に依存するという、財政基盤の脆弱さが示されています。
議員各位におかれましては、果たして12年前の事件に基づく再発防止策が、今後の五島市政運営にとって本当に意味のあるものとなるのか、風通しの良い市役所を実現するために、913万円という大金を投じてまで行うべき事なのか、市民にちゃんと説明ができるのか。ぜひとも考えて頂きたいと思います。
その想いから反対討論と致します。
賛成討論
木口 補正予算案の第三者委員会設置は、繰り返された元職員の不正行為の再発の防止を図る、防止策を目的としている。第三者委員会の設置は、12名で6月11日に要望書を提出した案件。要望内容は、2度に渡る係争事件を受け、組織管理の洗い直し、実効性のある防止策、第三者委員会の設置。このような不正が行われたことは重大問題。再発防止策の策定が必要。公益通報制度や内部通報は制定されている。綱紀粛正は叫ばれ続けていたが、防げなかった厳しい現実がある。不正防止策とコンプライアンス対策に知見をもつ第三者委員会を早期に設置して、公正・中立の立場から設置することが何より重要。再発防止策を受けて必要な施策を確実に実施して、制度の見直し、市自信による危機感を持って、徹底して実施していくべき。そのための再発防止策のスタートが第三者委員会設置であると確信している。80号、補正予算に賛成する。議員のご賛同をお願いします。
採決結果
起立多数で可決
反対 中西、山崎、下山、網本
賛成 その他出席議員