出口市長の「五島を護る」とは何を意味するのか?

出口市長のスローガンである「五島を護る」についての考察です。

出口市長は選挙前から、ずっとしきりに「護る」を連呼してきました。

「まもる」はうかんむりであり、護衛艦のまもるです、という事です。

これは明らかに、青山繫晴参議院議員の「護る会」を意識してのネーミングである事はすぐに分かります。

私は最初、非常に保守色の強い方が五島に帰って来たんだな、と思いました。

何をもって保守系と呼ぶかについては様々な観点があると思いますが、私なりには、日本の伝統や文化を尊重し、外国勢力(特に韓国や中国)に対しては強気で対抗していく、というスタンスだと解釈しています。

しかしながら、五島市はあくまで地方自治体であり、国家レベルでの紛争には直接的に武力を行使したりできる訳ではありません。市長も3月公報で述べている通り、

海上自衛隊の護衛艦は、昨年4月から12月までに福江港に5回入港し、福江港沖に7回停泊し、警戒監視にあたっています。その折り、護衛艦「おおなみ」の艦長に「海に囲まれた国境離島を護ってください。」と直にお願いしました。

とある通り、市町村が自ら身を挺して「護る」訳ではなく、あくまで「自衛隊にお願い」せざるを得ない状況です。

https://www.city.goto.nagasaki.jp/s014/010/010/090/130/202503/202503.pdf

そんな訳で、出口市長の「護る」というのはあくまで国防的な側面が強く、地方自治体として介入できる余地が少ないのが現状です。

そうした事もあり、一自治体レベルで何が出来るのか、何がしたいのかを一般質問で尋ねました。

そこで出てきた出口市長の「最優先政策」は「国境離島新法の延長・拡大」であり、これまた地方自治体レベルでどうにか出来る話ではありません。残念ながら、「あなたと手と心をつなぐ」ために、市民との対話をする事や、交通弱者の交通手段を確保する事は、優先すべき政策として言及されませんでした

護衛艦の時と同様に、国境離島新法の延長も「国に働きかけて要望する」という事です。

上記の事から、五島市長の出口太氏が掲げる五島を「護る」の中身を紐解くと、

  • 国防で護る:自衛隊にお願いする
  • 予算を護る:国会議員にお願いする

という事に全力を尽くす、という事のようです。

政策的な中身については、幾つかの項目で新規事業を掲げてはいます。が、基本的なスタンスとしては、従来の野口市政で遂行された「いい流れ」の路線を踏襲する考えであるため、大きな予算の変更や鞍替えは行われない形です。

まずもって、「五島市が良い流れ」であるという現状認識が、私とは異なると思います。

良い流れであれば、確かに継続で良いと思いますが、私は働き手不足も含めて「悪い流れ」であると思っています。

果たしてこの先、出口市政の現状維持路線において、「市民生活」を護る事ができるのか、非常に不安です。