議会の一般質問って何のためにするの?
代表質問との違いって何?
こうした質問に答えます。
本記事では、一般質問や代表質問の目的について解説します。
ぜひ一度、お住まいの自治体の議会を覗いてみてください。
目次
前提として
一般質問・代表質問に関するルールや取り決めは、自治体ごとに異なります。
例えば、コロナ対策として
- コロナ関連の質問がNGだったり
- 議員の質問時間が短縮されている
自治体もあります。
ぜひ一度、ご自身の住民票がある「自治体名 一般質問」で検索をしてみてください。
一般質問とは?
一般質問とは、定例会での本会議において、議員が執行機関(自治体の長や委員会)に対して、
行政全般(公共事務、団体委任事務、行政事務の一切を含む)について質問を行うことです。
一般質問では、執行者の所見や施策について報告を求めたり問い質すこともあります。
代表質問とは?
代表質問は、主義や主張を同じくする議員で構成された「会派」という団体が、
執行機関に対して質問を行うことです。
長崎県内の市町村では、長崎市や諫早市が導入しています。
一般質問と代表質問の違い
質問する主体
一般質問と代表質問の最も大きな違いは、「質問をする主体」です。
- 一般質問:議員
- 代表質問:会派(議員のグループ)の代表
代表質問に関する時間やルールは、それぞれの自治体ごとに決められます。
導入自治体は少数
国会では代表質問が導入されていますが、市町村レベルでは多くの自治体が導入していません。
そもそも、「代表質問」の存在自体が議員の間でも知られていないケースもあります。
質問には誰が答えるの?
一般質問や代表質問への回答は、地方自治体の執行者(主に首長や部長、支所長)になります。
議長から通知を受け、執行者は万全の準備を整え、責任の持てる的確な答弁ができる体制を作ります。
そのため、議員からの質問通告を受けてから、現場の担当者は大慌てで
「質問の中身」
を議員に聞いて回ります。これがかなり大変そうだと感じます。
質問者は回答者の指定も出来ますが、要望通りの相手が答える保証はありません。
何のために質問するの?
議員の一般質問は必須ではなく、任意です。(4年の任期中に1度も質問をされない議員様もいます)
それでは、議員は何のために一般質問をするのでしょうか?
その理由は議員それぞれだと思いますが、私なりにまとめました。
①執行機関への提案
執行機関がより「良い政策」を実現するための提案がある場合、
議員は自らの提案を執行機関に示し、その実現に向けた方針を聴くことが出来ます。
一般質問の内容は、公式な会議録として長年に渡り蓄積されます。
ベテラン議員は過去の議事録や取り組みを参照し、現在の執行機関の方針を質す事も出来ます。
②執行機関への追及
執行機関が執行機関としての役割や責任を果たしていないと感じられる場合、
議員は執行機関へ追及の質問をし、より良い取り組みへの働きかけをする事が出来ます。
➂執行機関のPR
議会の一般質問は多くの場合ケーブルテレビやインターネットで公開されています。
そのため、あえて執行機関に「取り組んでいる事」や「進捗状況」を聴くことにより、
執行機関の取り組みを広く有権者に知らせる事が出来ます。
④自身の活動のPR
議員は公の場で自らの考えや市民からの要望を公開する事により、
自信の活動を有権者にPRする事が出来ます。
どんな質問がされるの?
質問の内容は、多種多様です。
なぜなら、基礎自治体として執行機関が担う範囲は広く、
「目に見えづらい水道事業」の運営から「目に見える街づくり」まで、
多様なサービスを提供しているからです。質問の内容が自由であるため、
議員自らの関心が高いテーマや、有権者の関心が高い内容を選ぶことが多いです。
質問はどのように行われるの?
一般質問は、役所の議場で行われます。
議員の質問は、「定例議会」の場面で行われ、「臨時議会」では行われないのが一般的です。
事前通告という形で事務局に質問項目を伝え、議長がそれを受け付けます。
現在は「本会議への出席」のみが出席とみなされるため、
議員が物理的にその場にいないと質問は出来ません。
個人的には、早くリモート参加が認められるようになってほしいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
議員の活動や一般質問に関して、少しでも理解が深まれば嬉しいです。
ぜひ、お住まいの自治体で一般質問の中継や議事録を覗いてみてください。