これから、デジタル化が進むみたいだけど、何だか心配・・・
本当に全てをデジタル化して、大丈夫なの?
そんな疑問にお答えします。
この記事を読むと、「デジタル化のデメリット」が分かります。
1. 世代間の格差(デジタルディバイド)が拡大する
総務省の2017年統計を見ると、
20代、30代は90%以上の利用者がスマートフォンを保有するのに対して、
70代のスマートフォン保有者の割合は18.8%、80代のスマートフォン保有率は6.1%と、世代間の差が大きい。
とあり、高齢者になるほど、スマホの保有率は下がっていきます。
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd142110.html
私が暮らす五島市も、高齢化率が40%を超えるお陰で、「IT出張」サービスの需要が高いです。
こうした事から、デジタル化の推進によって高齢者がデジタルサービスを受けるためには
- 買うためのコスト
- 使いこなすためのコスト
が必要になります。このハードルは中々高いため、世代間の情報格差が広がる可能性があります。
デジタル庁の平井氏によると、日本のデジタル化が遅れた原因として
- デジタルディバイドを社会的に良しとしなかった点
- 「全員を引き連れていく発想」で、遅れている人を置いていく事が出来なかった点
を挙げています。逆に言うと、デジタル化を推進するためには、デジタルディバイドを認めていく必要があるとも言えます。
2. 「デジタル不信」が大きくなる
銀行の口座番号やクレジットカードの情報など、既に様々な情報がデジタル化されています。
最近では、ドコモ口座の流出事件が話題になりました。日経新聞によると
被害は15日午前0時時点で、11行143件、2676万円になった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63857720V10C20A9X30000/
この件について、Abemaニュースでサイボウズ社長の青野氏は
「よくこれくらいの金額の被害で収まったなあ」と述べています。
これに対し、デジタル庁長官に就任した平井氏は「もし何か起きた時に、被害をカバーできるシステムを持つことが大事」と述べています。
https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p2230
今後もこのような情報流出の事件があるたびに、デジタル化への抵抗感・不安感を抱く人は増えるでしょう。
3. 「国家不信」が高まる
同じくAbemaニュースにて、紗倉まな氏は「マイナバーカード」について
- いずれは中国のように、徹底した監視の下で情報管理されるという事になるのかな、という怖さがある。
- 自分で選んで持つものではなく、強制的に持たされるものだから、情報が集約されて怖い。
と述べています。また、日本共産党は「個人へのプライバシー権」を理由に、マイナンバーカードの導入に反対しています。
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2016/06/2016-sanin-bunya13.html
本来であれば、デジタル化は「国民の生活を豊かにする」ために推進すべきです。
しかしながら、国が情報を一括管理する事により、中国のように、監視社会への懸念がされています。
こうした事から、デジタル庁の平井氏もマイナンバーカードについて
- 政府による一元管理の懸念があったため、情報連携が面倒になっている。
- 苦労してマイナンバーカードを作ったのに、全然評価されていない。
と認めています。
4. 「収入不安」が増える
コロナショックにより、都会のIT系企業では、オフィス自体が不要になりつつあります。
これからも民間企業を中心に、デジタル化は避けられないでしょう。
しかし、例えばオフィス自体が不要となれば、そこで働いていた人の仕事もなくなります。
オフィスだけでなく、デジタル化が可能な仕事は山ほどあります。
- 卸売り、仲買い業者
- 対面販売の従業員
- 行政の事務手続き
など、デジタル化によって置き換わる可能性がある仕事は沢山あります。こうした事から、
この先、自分の仕事も切られてしまうのでは・・・
と心配される方が増えると予想されます。
まとめ
デジタル化には業務の効率化や無駄な仕事の撤廃など、沢山のメリットがあります。
しかし一方で、
- そもそもよく分からない(デジタルディバイド)
から始まり
- 情報が盗まれてしまうかもしれない(デジタル不信)
- 国が情報を悪用するかもしれない(国家不信)
- 仕事が無くなってしまうかもしれない(収入不安)
が高まる可能性があります。
特に日本は世界で一番の「高齢社会」であり、世界に類をみない「低成長」の先進国です。
全体として、「希望」よりも「不安」が大きくなりそうです。
デジタル化を推進するに当たっては、この辺りの不安とどう向き合うかが鍵となりそうですね。