五島市が取るべき「観光推進」への責任

こんばんわ。

「本人」たすきがトレードマークの中西です。

本日は、五島市における観光推進と責任についてです。

五島市では、自治体の主導による「観光推進」政策が取られてきました。

国境離島新法の活用による雇用創出が主なメニューとなり、五島市は年間の観光客数を順調に伸ばしていました。

https://nakanishidaisuke.com/2017/02/26/sightseeing-statistic/

令和2年度4月の市長の市政報告によると、

  • 平成30年度:240,131人
  • 令和元年度:252,657人

となり、

令和2年度は新たな事業として在日外国人を対象にモニターツアーを実施する

と報告されています。

ところが、政治主導で進められてきた観光政策は、コロナショックにより暗礁に乗り上げています。

多額の税金を投入して観光推進をしてきましたが、事業を拡大した事業者ほど、大きなダメージを受けています。

これまでの推移をまとめると

  • 4月17日:市長からの島外客の来島自粛要請
  • 4月25日:長崎県からの休業要請
  • 5月6日:休業要請の解除
  • 5月14日:緊急事態宣言の一部解除
  • 5月15日:長崎県知事の記者会見
  • 6月:トライアスロン(中止)
  • 8月:夕焼けマラソン(中止)

となっています。五島は夏場が観光のシーズンですが、既に多くの観光関連事業は深刻な経済的ダメージを受けています。

そうした中で、五島市が行う30万円の経済対策は、焼け石に水です。

https://nakanishidaisuke.com/2020/04/30/emergency-plan-2/

長崎だけで観光は潤うのか?

5月15日の長崎県知事の会見では、

県外からの来訪は避けるようにお願いする

方針となっています。

https://nakanishidaisuke.com/2020/05/15/nakamura-houdou/

既に島の観光事業は、船の便や飛行機の便が減便となり、瀕死の危機に瀕していると言っても過言ではありません。

おそらく長崎県では、県内の観光事業を救済するため、県民を対象とした

  • 航空路の低廉化
  • ホテルや飲食店向けクーポン配布
  • オンライン物産の振興

に向けた検討を行うと考えられます。しかし、どれだけ長崎県民だけで観光を促進しても、

首都圏からの需要を取り込んできた観光事業者

からすると、焼け石に水です。

事業規模が大きく、固定費の負担が大きい事業所から、次々に体力が持たなくなると考えられます。

https://nakanishidaisuke.com/2020/04/30/iryouhoukai/

特に夏場がシーズンとなる五島では、観光事業者は

  • 事業規模の縮小
  • 事業から撤退

というシビアな判断を迫られています。

そうした中で、今深刻な問題となっているのは、事業規模を縮小し、雇用を解除された方の受け皿や保証が存在しない事です。

臨時職員の確保を

長崎県では、バイト先を失った学生に対する緊急雇用対策の一環として、臨時アルバイトを募集しています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/90ea0b8166cb3769fd28bc642cef9fc1031faf0e

五島市もこれと同様に、観光政策で雇用を失った人材を、臨時職員として雇い入れてはどうでしょうか?

やるべきことは沢山ありますが、今は

  • 再来を見込む観光ブームへの備え(=おもてなしの向上)

よりも、

  • 観光で職を失った人への補償(=臨時バイト)

のニーズが高いはずです。

https://www.city.goto.nagasaki.jp/s005/010/020/030/20200514084529.html

まとめ

五島市は、政治主導で観光政策を推進してきました。

国境離島新法による、外貨獲得とインバウンド政策。

ところが、コロナショックで需要は吹き飛びました。

にもかかわらず、五島市の観光事業者に対する補償は、全く不十分です。

そのあおりを受けて、既に観光で職を失い、困っている方が少なからず存在します。

長崎県は、県外からの来訪自粛を継続する方針のため、

五島での「夏場のV字回復」は絶望的です。

五島市は、自ら推進してきた観光政策の尻拭いをすべきではないでしょうか。

大きな事業所に対する大きな損失補償は財政的に厳しいかもしれません。

ただ、大きな事業所で雇い止めとなった小さな従業員を救う事は出来るはずです。