五島市の財政
人口3万6千人規模の五島市は、全国の離島と同じく財政が火の車状態です。
そうした中で、当然「出来る事」よりも「出来ない事」が目につくようになってきます。
助けられない「二次離島」
中でも顕著なのが、人口規模の少ない所謂「二次離島」です。
例えば、五島市の中学生が参加する「中学生議会」でも
「不便さを何とかしてください」
という陳情に対して、行政は
「費用対効果を考えると、出来ません」
という回答しか出来ません。おカネだけの問題で考えればその回答が正しく見えますが、住民からすると「見捨てられたような心境」になります。
そうした中で、救済されづらい二次離島の中で、新たな動きが出ています。
二次離島発クラウドファンディング
例えば久賀島では、
“お元気”情報の共有で高齢者が安心して生活できるまちづくりを!
というテーマで、95万円の支援を受ける事に成功しています。
https://readyfor.jp/projects/ganbarehisakajima
小さな島で奮闘されている黒須さんには、頭が上がりません。
そして同じく二次離島である奈留島でも、
島にただ一つの高校。奈留高校を残したい!
というテーマで、クラウドファンディングが始まっています。
https://faavo.jp/nagasaki/project/4232#pj-single-nav
変わるおカネの流れ
従来の構造では、お金の出所が「国・県・市町村」しかありませんでした。
ところが最近では、お金の出所は「ネットに通じている個人・組織」にまで広がっています。
従来の蛇口から水が出ない以上、新しい経路を活用するのは自然な流れです。
ふるさと納税も浸透しているため、今後ますます、その傾向が加速すると考えられます。
まとめ
現時点で、小規模自治体の財政は苦しく、人口規模の少ない箇所(島)に対する支援が行き届いていません。
そんな状況の中で普及しているクラウドファンディング。
従来、中央からお金を引っ張ってくるのが政治家の仕事でした。
しかし、今後も日本全体で人口減少が加速する事から、小規模自治体では行政側の十分な支援は期待できません。
そこで大事なのは「中央とのパイプ」ではなく、「個人が共感できるテーマ性」です。こうした変化を踏まえ、行政が活用すべき人材は、
「課題」を「価値」に変えるテーマ設定が出来る人材
です。もっと明け透けに言えば、
クラウドファンディングでお金を集められる人材
です。