【野口市政検証】財政運営1年目の方針と対策

市長就任当初(1年目)

野口市長が就任した当初は、多くの議員が議会で財政に関する見通しや対策についての質問をしました。

本日は、その中で代表的な市長の答弁をご紹介します。

財政認識

就任当初、H24年9月の議会で「財政状況に対する認識は?」という草野議員の質問に対しては、

  • 国・地方の財政悪化による公共事業の減少

  • 農林水産業の低迷などにより雇用の場も縮小

  • 人口の流出にも歯どめがかからず、少子高齢化も進んできている

ために、非常に地域の活力が低下してるというふうな状況

と述べています。さらに構造的に、

財政は税収などの自主財源が極端に乏しく、国県に多くを依存する脆弱な財政構造

と述べています。こうした状況を踏まえ、網元議員の質問に対しては、

一言で表現するならば、一段と厳しい状況が待ち構えている

と答弁しています。

財政方針1.緊縮

こうした厳しい状況を受けて、「緊縮路線」が掲げられています。市長の答弁によると、

事務事業を徹底的に見直し、行財政基盤を強化する必要がある

と述べています。具体的には

全ての事務事業を対象に政策評価を行い、その効果や成果を検証し、事業の廃止や見直しを行い、その内容は公表する

と述べていますが、「財政難に対する再生計画策定」(緊急事態の時に作成)はしないと答弁しています。

更に、相良議員からの質問

どのようにして行財政基盤の立て直しを図っていくのか?

に対しては、

平成22年3月に策定しました第2次行政改革大綱に基づき、取り組みを進めております。

と答弁し、前政権の当時に作成された大綱に基づき、大きな転換はないという事でした。

財政方針2.投資

財政が厳しいとなると、財布のひもを緩めるのが通常ですが、当時の市長答弁では、

確かに厳しい状況もありますけれども、離島振興法の改正もございましたし、そのほかのいろんな助成制度なり起債制度なり、たくさんメニューがありますので、

こういったものをしっかり活用していく、そういった中で産業振興もしっかり取り組んでいくという中で、何とか元気にしていきたい

とも述べられています。

図書館問題

当時、中尾政権から移行するにあたって、「豪華な図書館の建設を巡る署名反対運動」が盛り上がり、判断は新しい市長に委ねられることになっていました。それに対する答弁として、野口市長は、

施設の規模や内容、維持管理費を改めて検討し、市民に愛される図書館を目指して進めてまいりたい

と答弁し、再検討する方針を示しました。

ゴミ焼却場問題

財政を圧迫していた要因の一つに、「ゴミの焼却場」問題がありました。このゴミ処理について、当初市長は、

焼却を廃棄物処理の主な解決策として位置づける現在の方策は、高額な施設建設費や運転費で財政を圧迫するだけでなく、廃棄物を促すものであり、目指すべき方向とは逆行する流れになっているのではないのかな

と述べています。

自主財源の向上

網本議員の質問

自主財源を生む経済の活性化ということに対して、市長はどのように具体的に考えているのか?

という質問に対して、

産業の活性化ということを図れば税がふえるということで自主財源比率が上がるということになります

と述べる一方で、

ただ、私自身は、こういった財政計画を策定する中においては、当然経済活性化を図り、島内の企業を元気にし、それによって税収を上げていきたいという気持ちはありますが、それを財政計画に盛り込むことは危険だと思っております。

(中略)そこまではまだ踏み切れないというところがございます。

と述べています。次回は2年目以降の財政の推移について、ご紹介します。

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