学校といじめ
近年、いじめや不登校の問題が注目されています。
五島市市議会(H30.3月)での山田議員の質問によると、いじめの件数は増えています。下記、いずれも小学校のいじめの認知件数です。
- H27:87件
- H28:146件
- H29:255件
- H30:426件
なぜ件数が増えているのかというと、従来からの「いじめの定義」が新しくなり、
「一定の人間関係にある生徒の中で、心理的、物理的な心身の苦痛を感じている場合」
となったため、
今までカウントされてこなかった事案が増えてきた
ためだそうです。
定義は時代によって変わりますが、最近は職場でもどこでも、
〇〇ハラスメント
という言葉が増えています。社会全体で、
従来は何とか許容されてきたこと
が、
アウトとみなされること
になりつつあると感じます。
そうした環境の変化を捉えられず、政治家は「今まで通りに発言」し、それが「失言」となる機会も増えているように感じます。
生きづらい社会
そうした「言論や行動への監視圧力」が高まる社会は、どちらかと言えば閉塞的で息苦しいとも感じます。
そうした中で一番不幸なのは、
子供が学校という場以外に、学びの場を持たない事
です。今でも不登校児童を対象としたフリースクールやオンライン学習がありますが、今後はもっとそうした場を増やす必要があります。
従来の教育現場では、黒板に書いた文字を40人が一斉に書き写すという事が行われていましたが、今の教育は「受け身」から「アクティブラーニング」に変わりつつあると聞きます。
それも大事ですが、そもそも論として、
子供が「学校以外に」選択できる学びの場
を整備する事が必要です。
大人の学びの場
令和の時代に重要視されるキーワードの一つに「多様性」が挙げられると思います。
既存の組織や国、性別という枠に捕らわれず、「自分自身に合った生き方」をする人が増えていきます。令和元年では、まだそうした方はマイノリティーですが、一方のマジョリティーとしても
- 人生100年時代を迎え
- 従来の「成功パターン」が無意味になり
- 変化の速度が超早く、色々なトライをする人が増える
時代です。そうした中で、子供以上に社会や経済の事を真剣に学ぶべきなのは、むしろ
「既存のビジネスを容易に辞められない大人」
です。既存のビジネスは、ある一定のルールや成功体験をもとに回っていますが、これからの時代はそもそもの前提が崩れています。
いわばサーフィンに乗りながら、柔軟に軌道修正をしていく時代です。
そうした中で、「リカレント教育」と呼ばれるような「一生学ぶための施設」も必要とされます。
それは何も、物理的な場所に制約されるモノではありません。
まとめ
令和の教育改革は
- 子供に対して学校以外の「学ぶ選択肢」を増やす
- 大人に対して未知の社会を生きる「学ぶ場所」を整備する
という二軸での環境整備が求められます。
何も大きな予算を必要とするハコモノが必要な政策ではなく、インターネットと廃校があれば、十分に実現可能です。
あとはそれを、どうデザインし、マネジメントするかですが、ここでは大いに島外の知見を活用すべきです。
こうした「多様な学びの場」こそ、
- 物理的に閉鎖されているため「外の世界」が見えづらく
- 高校卒業後に8割の生徒が島外に流出する五島列島
で実現すべきテーマです。