電車がない島・五島
五島列島には、電車が通っていません。バスは存在しますが、本数が少ないため不便です。
そのため、島民の主な交通手段は自家乗用車となります。本日は、実際にどのくらいの「車社会」なのか、数値を基にご紹介します。
①「運転人口」を試算する
五島市の人口は、2018年11月現在で37,179人です。
国勢調査による人口分布の数値を見ると、19歳以下の年齢の割合は、14%です。
更に、免許の返納が必要と考えられる後期高齢者(75歳以上)の年齢層の割合は、21%です。
そのため、
運転可能な人口 =人口総数 – 19歳以下 – 75歳以上
となり、計算すると約23,824人となります。
②自動車台数と比較する
五島市統計書(H29)によると、乗用車総数、小型二輪、軽自動車を含む「一般車両」の台数の合計は、24627台です。
そのため、「運転可能な人数」に対する割合は、103%になります。
1人に1台以上、車を持っているという状況です。
島民の感覚からすれば、「車がないと生活できない」というのは、こうした数字からも読み取れます。
更に、車の車両分類を見ると、「軽自動車」の割合が7割以上です。
なぜ軽自動車が多いのか?
これも島民からすればすごく分かりやすいですが、
五島の道路は狭い道が多い
ということに尽きます。
特に山道なんかは、反対側から対向車が来たら30mくらいもバックしなければいけない状況が発生します。
また、街中は区画整備がされていない場所も多く、駐車をするのにも不便な場所が多いです。
そのため、軽自動車の割合も多くなっています。
車が止まるとき・雪
そんな五島でも、「車が全く動かせない日」があります。それが「大雪の日」でして、こうなると島の経済はマヒします。
https://nakanishidaisuke.com/2018/01/12/goto-winter/
- 買い物にも行けない
- 外食にも行けない
- 宅配便も届けられない
ということで、完全に家の中で過ごさなくてはいけなくなります。チェーンを巻く、ということにも不慣れですので、外出は控えられます。
代行サービス・タクシーも多い
そんな五島では、夜に飲みに行くと「代行運転」サービスが必要になります。
決して安くはないので、町中に住んでいないと「外に飲みに行く」という習慣が控えられます。
島の経済として、「夜の街が活性化しない」しないのは、こうした「交通面での課題」もあるかと思います。
国境離島新法などで「島外の需要」を呼び込むのも大事ですが、一方では「島内需要への対策」として、こうした交通面の課題を解決することも必要です。