戦国時代の自動車業界

自動車の未来

最近は、自動車の未来についてよく考えています。イベントも開催予定ですので、ご興味がある方は是非ご参加ください。

  • 日時:2018  9/15(土) 16:30-17:30
  • 場所:武家屋敷ふるさと館 和室部屋
  • テーマ:「島とクルマ」の未来を考えよう
  • 内容:島でクルマの自動運転が実現したら?
  • 参加料:100 円 / 人
  • 持物:不要
  • 申し込み:不要

本日は関連する情報を、2018年8月29日付けのニュースからご紹介します。

EV充電器の規格統一

FNN PRIMEによると、

EV(電気自動車)向けの急速充電器の規格を日本と中国で統一することで、双方の業界団体が合意し、調印式が行われた。

合意書に調印したのは、日本の急速充電器の規格の普及を目指す大手自動車メーカーなどで作る「CHAdeMO協議会」と、中国の規格を推進する「中国電力企業連合会」。

一見すると、「企業間での合意」に見えますが、世界シェアの9割を超える提携といえるので、ここには「国同士の思惑」も絡んでいるでしょう。

政治的には冷え切っている時期もあった日本と中国ですが、このニュースは国レベルの大きな提携合意です。記事によると

世界最大のEV市場を抱える中国と組むことで、コスト負担の軽減を狙うほか、世界シェアは9割を超えることになり、世界標準化に大きく近づくことになる。

日本にとっては、大きなビジネスチャンスの足がかりになりそうです。

EV市場で世界の覇権を目指す中国側のメリットは何でしょうか?

こうした国家間での提携といった潮流も背景として、日本の企業は積極的に海外の企業に出資攻勢をかけています。

出資案件① 伊藤忠:中国 EVへの出資

日経新聞によると、

伊藤忠商事は中国で新興の電気自動車(EV)メーカー、奇点汽車(上海市)に出資する。

タイミング的には、先程の「規格統一」に合わせて発表を狙っていた感じがしますね。その目的としては、

世界で広がるEV市場でのビジネス展開をにらみ、EV関連サービスのノウハウを蓄積する狙い。

だそうです。具体的には、

現地でEV商用車のレンタル会社にも出資し、次世代の自動車ビジネスを世界で広げる足がかりにする。

今流行の、「繋がる車」の路線にも舵を切っているように見えます。

出資案件② トヨタ:Uberへの追加出資

同じく日経新聞によると、

トヨタ自動車が米ライドシェア大手ウーバーテクノロジーズに5億ドル(約550億円)を追加出資

と報じられています。Uberは過去に、自動運転で死亡事故を起こしている会社であり、世界中で様々な訴訟案件も抱えています。

業界の中では、「スピード違反の暴れん坊」なイメージがあるUberですが、品質に定評のあるトヨタの車を使ってもらうことで、「安全な車」のイメージが獲得できれば大きな武器です。

トヨタはUberだけでなく、ライドシェア大手のグラブにも出資をしています。

社長が自ら危機感を示している「100年に1度の危機」を乗り切るために、業界の枠を超えた出資や提携に力を入れていることが窺い知れます。

出資案件③KDDI、アイサンに出資 

アイサンという会社は、愛さんではなく、自動運転向けの地図などを手がけるアイサンテクノロジーの略です。

日経新聞の記事によると、KDDIは、

次世代通信方式「5G」を使う自動運転時代を見すえ、地図やシステム、通信を一括提供するノウハウを蓄積する。

狙いだそうです。KDDIは、こうした自動運転を司るソフトの部分だけではなく、EVの開発も見据えています。記事によると、

KDDIは自動運転車の頭脳となる基本ソフト(OS)の開発・普及を手掛けるティアフォー(名古屋市)にも2月に出資した。ティアフォーは小型の電気自動車(EV)の開発も手がけている。

とあります。

コレと似たように、幅広い分野まで手を広げている事例の象徴はソフトバンクでしょう(SBは書ききれないので、また後日紹介します)。

まとめ

いかがだったでしょうか。

世界的な大きな潮流として、日中でEV自動車の規格を統一したり、提携戦略を立てたりしています。

企業レベルでいえば、従来の垣根を越えて

  • 商社がEV企業に出資したり
  • 自動車メーカーがライドシェアに出資したり
  • 通信会社がIT企業や自動車メーカーに出資したり

する動きが加速しています。驚くべきは、何とこれらのニュースが全部、「同じ日の新聞」に載っていることです。

殆ど毎日、こうした

  • ○○が××に出資/買収

というニュースを聞かない日はないレベルです。

それだけ変化が激しく、プレイヤーも産業構造も変化しているということです。

まさしく戦国時代といえる様相ですが、日本のお家芸ともいえる「自動社業界」で、日本は先駆的な地位を保てるのでしょうか。

スピードが求められる一方で、ハンドルを切り損ねたら、即座に崖に転落してしまいそうな競争です。