原発の30km圏内
離島の中でも、壱岐市は原発の半径30km圏内に位置するため、長崎県地域防災計画で対応が必要とされています。
範囲は島の3分の1程度ですが、避難対象範囲の人口は、全体の半分以上を占めるとされています。(詳細はこちら)
壱岐市の市議会(H30.3月)によると、壱岐市は、「防災計画」を作成し、原子力防災訓練を毎年実施をしています(H30年度で6回目)。
しかし、そもそもの話ですが、
国が定めた新規制基準においては、玄海原子力発電所で、福島第一原子力発電所と同じような事故が起きても、放射性物質の放出量は2000分の1とされている
そうであれば、30kmも放射性物質が及ぶ心配はなさそうですが、「理論的な話(新基準)」と「想定外の事故への対応(防災計画)」は別の話だそうです。
具体的な取組み
市議会の質疑では、役所の取組みとして
- 事故発生時のマニュアル配布
- 福岡県も含まれる避難計画の作成
- 情報提供や出前講座の実施
といった取組みをしているそうです。
これだけ聞くと、しっかりしているように聞こえますが、
まだまだ市民レベルでの危機感が足りないのでは?
ということが問題視されています。
そして個人的に気になったのは、「情報の伝送経路」です。総務部長の答弁によると、
屋内退避、避難開始の判断は国が行い、壱岐市があらゆる手段で住民の皆さんにお知らせをする
と、言う事でした。そもそも「国の判断に委ねる」と言うこと自体、福島の教訓を活かせていないのではないでしょうか?
防災は「自助」が基本
市役所の答弁にもありましたが、防災は「自助」が基本です。つまり、自分のことは自分で何とかするべきです。
そうであるならば、避難行動も含めて、自治体が裁量を持って判断をするべきではないでしょうか?
- 国が適切な情報を流さないケース
- 自治体が適切な情報を流さないケース
を考えれば、私は国よりも自治体の方が信頼性が高いと思います。なぜなら、国として担保しなければいけない広域的な都合よりも、市民の安全を優先に判断ができるからです。
福島の事故から私たち市民が学ぶべき教訓は、
国は都合の悪い情報は流さない&認めない
と言うことだからです。
財務省とか加計学園の問題とかを見ていても、それは明らかです。そのため、責任を持って市民の命を預かるべきなのは、その市町村でしょう。
もちろん、最終的には個人の判断任せですが、そのあたりの裁量も含めて地域に委ねることで、より具体性のある計画と対応策が立案できると思います。