自動運転と世界経済の覇権争い

自動運転が目指す2つの方向性

皆さんこんにちわ。

本日は、最近ニュースやネットで話題になっている、自動運転のお話をします。

「自動運転」の開発競争を巡って、今世界中で熾烈な競争が行われているのですが、そもそも「目指している方向性」が違う部分があります。

まず、その点についてご紹介します。

中国:「他律型」自動運転

https://youtu.be/afyPjOsaQmE

NHKの番組を見ると分かりますが、中国が目指す「自動運転」は、

  • 国家プロジェクトであり
  • 社会システムの中での車

という位置づけです。そのため、車はただの移動手段ではなくて、そのほかのあらゆる社会インフラと繋がっています

社会インフラと繋がることで、最適な走行ルートと運転パターンを実現することが出来ますが、デメリットとしては「社会システム」そのものがダウンしたとき(サイバーテロや大規模停電)に、車が機能しなくなってしまうということです。

中国以外の企業:「自立型」自動運転

一方で、Googleや日本の自動車メーカーが目指している車は、「自立型」だと紹介されています。

メリットとしては、社会システムがダウンした時でも、車が勝手に判断をして、運転をしてくれることです。

こちらの方が良さそうに見えますが、社会のシステムが益々高度化し、IoTが普及した場合に、「他律型」に比べ、サービスの質は低くなると考えられます。

組み込み型のシステムとして人工知能を活用する手も考えられますが、「社会システム」そのものとは直接繋がっていません。

中国vs 企業群

このように、

  • 中国:国家主導で他律型の自動運転
  • 中国以外:企業主導で自立型の自動運転

という違いがあります。

ここで肝心なことは、「国家主導で」莫大なお金と権限を行使してできるのは、中国以外には存在しない点です。

紹介VTRでは、中国が「他国に輸出できるように」とありましたが、簡単に他国へ持ち出せるのは、むしろ社会インフラに依存しない自立型の自動運転車でしょう。

インフラを抑えれば中国有利

そこで、アメリカに変わって世界の覇権を目指している中国にとって肝心になってくるのが、

「他国のインフラも取り込めるか?」

という視点です。

既にAIIBを通じて野心的な計画を打ち出している中国ですが、

  1. 他国のインフラを整備
  2. 他国のITインフラも整備
  3. 「他律型」自動運転社会の実現

という算段で動いている可能性が高いです。

逆に、中国が社会インフラを整備する前に、企業側が「自立型」の自動運転を他国に普及させてしまった場合、中国の車は不利な立場になります。

既にアメリカ社会は、政府よりも企業の力(Amazon、Facebook、Googleなど)の比重が大きくなっています。

そうした「IT巨人」達も、中国と同様に世界経済というフィールドで覇権を狙っています。

いち早く「自動運転」の走行実験を完了させ、他国に「輸出可能」な車を売り出した方が有利になりそうな気がします。

周辺国の葛藤

ここでの「周辺国」とは、

  • 自動運転の社会実験を行うことが出来ない(中国以外)
  • 自国で自動運転を生産する企業を持たない(先進国以外)
  • しかし「車」は必要とされる

国とします。こうした国々は、自動運転化された社会システム、又は自動運転車を、「輸入し続ける」という立場に置かれます。

政治的に中立的な国々からすれば、社会インフラ(国家の首根っこ)を中国に握られるよりも、多国籍企業の自動運転車を輸入した方が、政治リスクが抑えられます。

しかしこのあたりは、政治と経済のバランスの問題でもあり、中国も相手の足元を見ながら上手いポイントを付いてきそうな気がします。

 

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