令和8年9月五島市議会|下山春雄議員 一般質問まとめ

五島市の市議会では、議事録が閲覧可能になるまでに数か月かかります。

そこで、議会での一般質問と答弁の要点を議事メモとして整理しています。

※本記事は音声の文字起こしを基に作成したもので、正式な議事録ではありません。発言の全てを反映しておらず、誤字・脱字や数値等に誤りが含まれる可能性があります。

議論の整理(市民に伝えるべき新事実)

奈留医療センターの入院病床休床について

  • 長崎県病院企業団から、奈留医療センターの入院病床を令和9年4月から休床する方針が示されていますが、現時点では正式決定ではありません。
  • 休床後も救急患者の受け入れを継続し、五島中央病院へ搬送するまでの間、1泊程度の治療に対応する経過観察用の処置ベッドを設ける案が示されています。
  • 訪問診療の回数拡充、看取り患者に対応する訪問看護、生活習慣病予防や健診の充実なども検討されています。
  • 下山議員は、入院できないことへの不安が島外転出につながり、奈留島の人口減少に拍車をかける可能性があると指摘しました。

海上の緊急搬送について

  • 奈留地区では、海上タクシーの廃業後、新たに緊急搬送にも対応する民間事業者が確保されました。
  • 五島市は、緊急搬送を民間事業者だけに委ねず、市が独自に船舶を所有する方針を固めました。
  • 新造船か中古船か、運航体制、船長などの人材確保、常駐場所については検討中です。
  • 市長は、船舶の維持管理費について、現時点で年間2,000万円前後を見込んでいると答弁しました。
  • 奈留医療センターの医師は1人から2人体制に戻り、五島市消防署奈留出張所の救急救命士も2人から4人に増員されています。

資材不足と公共工事への影響について

  • 中東情勢などの影響により、石油化学製品の基礎原料であるナフサの供給が不安定となり、塗料、樹脂製品、住宅設備などで納期の遅れや価格上昇が生じていることが指摘されました。
  • 市は、公共工事の契約にスライド条項を設けており、資材価格が大きく変動した場合には、設計額や契約額を見直すことができると説明しました。
  • 資材の納期についても、受注事業者と情報を共有し、必要に応じて工期設定に反映するとしています。

食料品の消費税減税と第1次産業への影響について

  • 下山議員は、食料品の消費税率が引き下げられた場合、農漁業者が資材や燃料などの仕入れ時に負担する消費税を販売価格に転嫁できず、経営を圧迫する可能性を指摘しました。
  • 市は、五島市では小規模な農漁業者が多く、食料品の消費税減税が第1次産業に与える影響は大きいとの認識を示しました。

中学校のチーム担任制について

  • 福江中学校では、令和8年度から、複数の教員が学級や学年を担当する「チーム担任制」が導入されています。
  • 制度の目的は、複数の教員による多面的な生徒支援、教員の負担軽減、生徒の主体性の育成です。
  • 特定の教員に相談が集中することや、生徒が相談相手に迷うことなどが課題として挙げられました。
  • 教育委員会は、福江中学校を研究指定校として支援し、その成果を他の小中学校にも共有する方針です。

高齢者・介護施設の受け入れ体制について

  • 五島市の65歳以上人口1,000人当たりの介護保険施設等の入所定員数は、令和6年度時点で61.0人です。長崎県全体の47.6人を上回っています。
  • 一方で、事業所の廃止などにより、五島市でも入所待機者が生じています。
  • 1人が複数の施設へ申し込む場合があるため、市は待機者の実人数を正確に把握できていません。
  • 65歳以上の人口は減少に転じる一方、介護を必要とする割合が高くなる75歳以上の人口は、2035年まで増加する見込みです。

ポジティブな方向性(提案を受け、市が今積極的に取り組む事を整理)

市が所有する緊急搬送船の整備

五島市は、二次離島からの緊急搬送を民間事業者だけに委ねる体制を見直し、市が独自に船舶を所有する方針を明らかにしました。具体的な船体や運航体制は未定ですが、市役所内に検討体制を設け、早期の実現に向けて取り組む考えです。

奈留地区の救急医療体制の強化

市からの要請などにより、奈留医療センターの医師が2人体制となり、奈留出張所の救急救命士も4人に増員されています。市は、海上搬送体制の整備と併せて、島内の救急対応力を強化する方針です。

チーム担任制の検証と展開

教育委員会は、福江中学校を研究指定校としてチーム担任制を支援しています。生徒を複数の教員で見守る体制や教員の負担軽減について成果を検証し、他校へ共有していく考えを示しました。

資材価格高騰への契約上の対応

公共工事については、資材価格が大きく上昇した場合に契約額を調整するスライド条項を活用するとともに、資材の納期を考慮した工期設定を行います。市は事業者との情報共有を進め、工事の円滑な実施に努めるとしています。

介護人材確保への市独自支援

五島市は、介護施設の人材確保と事業継続を支援するため、奨学金等支給支援事業、宿舎借上げ支援事業、研修費補助事業を実施しています。また、第10期介護保険事業計画の策定において、将来必要となる入所定員数を予測し、受け入れ体制の確保に取り組む方針です。

ネガティブな方向性(提案はされたが、市が消極的なテーマ、要望)

奈留医療センターの入院病床存続は明言されず

市長は、奈留住民の意見を聞き、市議会や病院企業団などと協議する考えを示しましたが、入院病床を存続させるとの明確な方針は示しませんでした。市が説明した対策も、経過観察用ベッドや訪問診療、疾病予防など、休床後を前提とした内容が中心です。

医療への不安が奈留島からの転出につながる可能性を踏まえ、市には病床存続の可能性を含めた具体的な協議と、住民への早急な情報提供が求められます。

緊急搬送船の具体的な整備計画は未確定

市が船舶を所有する方針は示されたものの、船の種類、取得方法、運航主体、船員数、常駐場所、整備時期などは決まっていません。年間維持管理費も約2,000万円という概算にとどまっており、導入費用を含む全体事業費や財源の明示が必要です。

第1次産業への影響には国・県への要望が中心

市は、食料品の消費税減税が農漁業者に与える影響を認識しているものの、現段階では国の動向を注視し、国や県へ支援を働きかけるとの答弁にとどまりました。五島市独自の影響調査や支援策は示されていません。

介護施設の待機者数と将来の不足量が不明確

市内の施設定員は県平均を上回る一方、既に待機者が発生しています。しかし、待機者の実人数や、今後不足すると見込まれる施設定員、必要となる介護人材数は明らかにされませんでした。

今後、75歳以上の人口増加と介護人材の減少が同時に進むことから、第10期介護保険事業計画では、施設ごとの定員、待機者、人材不足の実態を具体的に示すことが求められます。