2025年6月の五島市議会での質問内容を基に、
東京から五島列島福江島までの直行便が就航するまで
のプロセスを紹介します。
結論
結論から言うと、
2025年6月時点では就航されるか未定
ですが、これから先、就航実現までに必要なプロセスについて紹介します。
①空港区分の変更(済)
既に2024年、離着陸可能な航空機の大きさを決める空港区分が「6」から「7」に引き上げられ、200人規模の機体の離着陸が可能になりました。詳細はこちら。
https://www.nagasaki-np.co.jp/kijis/?kijiid=6103d306cc6b45ccbd5af2c5399baa43
②福江空港の機能強化
東京からの直行便を実現するためには、福江空港の機能強化が必要です。2024年の市長選挙で空港の機能強化を公約の一つにも掲げた出口市長ですが、その中身として
- 給油施設の設置
- 滑走路の舗装強化
- 駐機場の整備
が挙げられます。実はこの機能強化については、H30から要望している事項でもあり、前市長の方針を引き継いだ形でもあります。
空港防災機能施設整備事業費補助金
2025年4月に「空港防災機能施設整備事業費補助金」が創設されました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001882049.pdf
長崎県はR8年度の提案の「重点項目」に防災機能強化を設けて、大石知事が関係省庁に要望を提出しました。
国の補助率は8割という事なので、採択されれば整備に弾みが付くと考えられます。
補助事業の対象空港
補助事業の対象空港は以下の26空港です。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001882054.pdf
利尻・奥尻・新島・三宅島・八丈島・佐渡・隠岐・対馬・小値賀・福江・上五島・壱岐・屋久島・喜界・徳之島・粟国・久米島・慶良間・南大東・北大東・伊江島・宮古・下地島・多良間・波照間・与那国
上記のうち、どれだけの空港が申請を出しているか、6月時点では未調査です。
長崎県から国への要望書
要望項目は85個にも及び、空港の機能強化は76番目の要望項目です。以下、内容を抜粋です。
76.空港の防災機能強化
【所管省庁 内閣官房、国土交通省、防衛省】
【現状・課題】
本県離島空港において、能登半島地震のような大規模災害が発生した場合に、自衛隊等による救助活動が円滑に行われるためには、給油施設整備等の空港防災機能強化が必要。なお、給油機能の確保により、チャーター機の誘致活動も促進され、地域振興への寄与も期待される。
【提案・要望】
(1)令和6年4月に特定利用空港に指定された福江空港において、防災機能強化のため、給油施設整備の支援を行うこと
(2)大震災時には、滑走路に亀裂が入るなどの大規模な被害が想定されるが、早期に空港の機能を回復する必要があるため、国による災害復旧の代行等の支援を行うこと
(3)航空機の安全対策にかかる空港整備事業について、直轄による技術力提供等の支援を行うこと
https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2025/06/1749722430.pdf
結論と今後の予測
2018年から空港の機能強化を国や県に要望していた五島市ですが、7年以上に渡り実現はしていませんでした。
2025年、能登半島の震災を受けて、国が新たな補助制度を創設した事から、県は国に対して補助の申請を行いました。
- 令和8年度の予算で採択される(8割分)
- 県議会にて県支出の予算(2割分)が承認される
- 機能強化に向けた改修が着工となる
- 民間の航空会社に対してチャーター便就航の協議がされる
- チャーターの実現
という形ですので、仮に早期実現に至った場合でも、2~3年以上先になるかと考えられます。