広報ごとうの2025年6月号に掲載された「市長コラム」について、私が疑問に思った事の紹介です。
以下、引用です。
市長コラム「五島を護る!」
「五島市の元職員が、平成25年6月から平成25年11月までの間に、お年寄りの女性の預貯金4,560万円を違法に引き出した」
お年寄りの女性のご家族が五島市の元職員を相手取り、元職員が引き出した全額と、その遅延損害金を支払うよう求める民事裁判が令和4年12月に始まりました。
そして、今年3月13日、裁判所は、五島市と元職員が連帯して、ご家族に遅延損害金を含む損害賠償金を支払うよう命じました。
事件が発覚してから、五島市は、関係する部署で保管していた書類の調査や、関係職員への聞き取りを実施しました。しかし、元職員とお年寄りの女性の間に業務上の関わりがあったことを示す明確な資料や証言はありませんでした。
五島市は、今年3月27日に控訴しました。
今回の判決は、五島市の財産を強制的に差し押さえることができる内容になっています。それを回避するには、保証金6,400万円を準備する必要があり、今年4月16日付けで令和7年度一般会計補正予算の専決処分を行いました。
今回の事件は、元職員が12年前に起こしたことであり、現職とは直接の関係はありません。現職職員は真面目に働いています。今後、市民の皆さまに対し、五島市で何があったのかを、きちんと説明しなければなりません。
市民の皆さまにご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げます。
私の疑問①なぜお詫び?
市長は事件の経緯を説明し、最後に謝罪をしていますが、「なぜお詫びしているのか」が分かりません。
そもそも市長は「9月5日に就任する前の出来事」に関しては、議会で説明する必要はないというスタンスです。
この事件が発生したのは12年前ですので、市長のスタンスに照らして考えれば、何も市長が謝罪すべき事はないように感じます。
それに加えて、市に何かしらの過失があったのか、という点もポイントです。
市は裁判で一貫して、「使用者責任はない」というスタンスですので、そうであれば、市の過失は0です。
にも関わらず、市民が心配している事を理由にお詫びをするのは、変ではないでしょうか?
市民が心配さえすれば、市が悪いと思っていなくてもお詫びするのでしょうか?
お詫びすべきなのはむしろ、市長就任後に「勝ち目のない控訴の判断を行った事」ではないでしょうか?
市長コラムの中には、以下の重要な事実が抜けています。
- 控訴にあたり、五島市側には新たな主張や証拠はない事
- 控訴にあたり、弁護士費用や延滞金(1日7000円)などが発生する事
私の疑問②市民への説明?
「市民にキチンと説明する」とありますが、その文言だけ読むと対面で説明会などを開く予定なのでしょうか?
普通に考えて、市長がそんな莫大な労力をかける事は可能でしょうか?
市民が求めているのは、「事件の経緯」に対する説明なのでしょうか?
市民がもっと知りたいのは、
- なぜそんな事件が起きてしまったのか?
- 再発防止策にどういった事を考えているのか?
ではないでしょうか。もちろん、「2」に関しては、市のスタンスとして使用者責任を認めていないから成り立たないのかもしれませんが。