五島市議会が27日で閉会し、その後に議会の情報をネットにUPしました。
そしたら意外にも多くの方から反響を頂き、改めて損害賠償請求について、おかいしのではないかと考えるようになりました。市役所の意思決定よりも、むしろ議会側の対応について強く疑問を感じています。
賛成討論に対して被せるような形で討論がしたかったのですが、あいにく私が一番最初に討論したため、再度の討論ができず。。。当該の賛成討論を抜粋して再掲いたします。
勝ち目のない裁判は、一般財源をイタズラに増やすことに繋がるので意味がないという討論だが、私はそうではないと思う。
この一審の裁判を受けて敗訴を認めれば、職務上関連性があったと認めることになる。全国の自治体も注目している。関連性がないのに使用者責任を問われる判例ができたら大変なことになる。
裁判官によって考え方が違うと思う。むげに、勝ち目がない、確率が低いというだけで無駄に一般財源の負担を増やす事を避けるべきだというのは、やってみなければわからない。
市は本当に職務上関係ないと考えているのに、なぜ使用者責任を問われるのか。議会側がそれを否定するのは理不尽だと思う。頑張って戦えとエールを送る事も必要ではないか。
もし敗訴したならば、その後責任の所在を明らかにして、甘んじて責任を取るという立場でいる。
控訴しない=関連性を認める?
裁判の争点の一つとされ、市が主張している点については国家賠償法の中で
第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
とされています。市は「職務上、一切の関連性が認められなかった」としていますが、一審判決ではその主張が退けられました。賛成討論では、「控訴しない=関連性があった事を認める事になる」とありましたが、その論理は成り立つのでしょうか。
控訴しないのには様々な理由があります。特に今回の件では時間とお金の件があります。そのため、控訴しないからと言って、市が一審判決を受け入れる事にはならないと考えています。
全国の自治体への影響?
賛成討論では、「五島市が(使用者責任を巡り)全国の自治体を代表して戦わなければならぬ」、みたいなニュアンスに聞こえましたが、全くナンセンスです。
今回の件は全国の自治体から注目もされていないですし、そもそも論として与える影響の程度というものは、議論の争点ではないだろうと感じます。
職務との関連性があるかないか、案件に応じてシッカリ判断するのが裁判所の仕事ですので、五島市が全国を代表して国家賠償法の及ぼす影響を考える必要もありません。
やってみなければ分からない?
確かに賛成討論の通り、裁判はやってみなければ分かりません。しかし市の貴重な財源を使っての裁判なので、勝てる見込みがありそうか判断するのが議会の役目ではないでしょうか。
統計的なデータからも勝算が低いので、控訴しない方が財源を護る事に繋がる
という論理に対して
やってみなければ分からない
というのは、データや確率を無視した、まさしくギャンブル的な発想ではないでしょうか。
市役所に議会がエール?
市は頑張って(控訴して)戦えとエールを送る事も必要
私が最も強烈な違和感を感じたフレーズです。
大前提として、市の主張を一切の疑問も持たずに鵜呑みするのであれば、議員の役割ってどこにあるのでしょうか?
五島市が裁判で敗訴したのは、少なくとも裁判官から見て、市の主張に理がないと判断されたからです。市の主張の論理的な正しさに対する疑いは一切持たないのでしょうか??
議会は市の行政事務を監視・検証して、無駄なお金の使われ方がないか、チェックするのが役割です。批判的な見方で検証するのが責務ですが、賛成討論はこうした姿勢を放棄しているような主張です。
どう責任を取るのか?
賛成討論の中で責任論についても言及がありましたが、責任の取り方については触れられませんでした。
この件についても、市民の方から色々な意見があったので、検証を続けたいと思います。
まとめ
賛成討論に対する反対討論として
- 「控訴しない=関連性を認める」にはならない
- 全国の自治体への影響なんて考える必要性はない
- 運任せではなく、統計やデータに基づき判断すべき
- 議会は市役所の提案や事務に対して批判的に見るべき
というのが私なりの反論です。が、一度討論をした人は再度討論する事が出来なく残念でした。
この案件は引き続き注視していきたいと思います。